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東京大学医科学研究所附属病院

(東京都 港区)

朴 成和 病院長

最終更新日:2026/04/27

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先進的な医療の研究と精密な標準治療を実践

1892年に北里柴三郎博士を初代所長として設立された伝染病研究所の附属病室が始まりの「東京大学医科学研究所附属病院」。130年以上の歴史を持つ同院は、国立大学研究所附属病院として、難病の克服を使命に、先進の科学技術と知見による革新的な医療の開発と社会実装をめざしている。新規医療の研究や開発を担う一方で、がんなどへの一般的な治療にも注力する同院。特に大腸がんに対するロボット支援手術の症例数は数多く、地域からの紹介患者も多い。2025年4月に第24代病院長に就任した朴成和先生は、消化器がんの化学療法を専門にし、同院においても腫瘍・総合内科領域の診療体制拡充を図る。質を追求した標準治療はもちろん、標準治療を終えた患者や標準治療ができない患者にも、さまざまな工夫を凝らしたケアを提供している。職員とともに、「さすがですね」と言われる診療、働く姿勢、気持ちを心がけたいと話す朴病院長に、同院の歴史や現在の取り組みについて聞いた。(取材日2026年3月26日)

病院の特徴を教えてください。

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当院の使命は難病の克服であり、先端の科学技術と知見を用いて革新的な医療の開発、社会実装をめざしています。伝染病研究所時代の原因検査や予防医療の研究、血清痘苗の製造に始まり、早い時期から腎臓移植や骨髄移植にも取り組んできたほか、近年ではAIDS治療でも日本をリードしてきたと自負しています。脳腫瘍に対するウイルス療法の開発に携わったほか、現在も、移植用の臍帯血バンク事業や、個別化医療のための遺伝子検査など、先進の医療を行っています。これらのベースにあるのが日常診療であり、標準治療を精密かつ安全性重視で展開しています。研究的なマインドを持つ医師も多く、少しでも質の高い医療をという思いは、看護師や薬剤師など多職種に浸透しており、薬剤師が抗がん剤の副作用の軽減に着目した研究を全国規模で行うなど、さまざまな工夫によって、患者さんが抱える問題の解決に努めています。

診療の強みや取り組みをご紹介ください。

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伝統的に血液腫瘍内科は骨髄移植が強く、早い時期から全ゲノムシーケンスを取り入れ、病態解明に励んできました。感染症医療においては、HIV感染症の治療に古くから取り組み、感染症の管理とコンサルトにとどまらず、病棟を持ち先端の治療にあたっています。リウマチ・膠原病領域では、IgG4関連の疾患を中心に研究。われわれの腫瘍・総合内科領域では、私たちが立ち上げたチームでの副作用管理を行い、標準治療が終わった後も最後まで工夫する姿勢を大切にしています。緩和医療においては、化学療法と同時並行でケアを行えるよう注力。消化器内科に関しても、経験豊富な医師が質の高い診断・治療の提供をめざしています。また、外科系では、脳神経外科におけるヘルペスウイルスを用いた脳腫瘍治療や、大腸がんや泌尿器がんに対するロボット支援手術などバラエティー豊かな診療を行っています。

院内の協力体制や医療機関との連携についてはいかがですか。

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小規模な病院ですから、互いに相談しやすいということはありますね。腫瘍・総合内科領域では、改変した麻疹ウイルスを用いた治験を行っているのですが、感染症の患者さんのための隔離病室があることから導入はとてもスムーズで、新しいものに対する受け入れもたいへん柔軟だと感じています。また、大規模病院に比べると、病床の利用率や検査の枠にはまだまだ余裕があり、予約までの時間や、検査のためにお待ちいただく期間は短いと思います。必要であれば今日、明日で、CTを撮りましょうということも可能です。そういったフットワークの軽さも当院の強みの一つです。他院との連携については、当院はDPC病院でないという特性を生かした長期入院が必要な方の受け入れや、耐性菌がある方のお引き受けなどにも対応しています。これらについては、先端緩和医療や感染症を専門とするチームがしっかり診ますので、お困りの方がいらっしゃったらご紹介ください。

病院長として、大切にしていることはありますか。

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他施設の誰かに自分の病院のことを話したときに、「さすがですね」と言われるような診療や、働く姿勢、気持ちを、職員とともに心がけていきたいと思っています。私がさすがだなと思っているのは、新規医療研究の取り組みをしていることでしょうか。また、スタッフ全員が患者さん一人ひとりに丁寧に対応してくれていることです。接遇については、転院してきた患者さんなどからもありがたいお言葉をいただくことが多いです。

最後に、将来の展望についてお聞かせください。

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臨床試験で人に投与するお薬は、GMPという非常に厳しい基準で製造されなくてはなりません。当院の研究所は、日本でも数少ないGMPに準拠した薬の製造が可能な施設を有し、研究に活用してきました。しかし、GMP基準で薬を製造するためには、普通の研究費ではとても賄えないような膨大なコストがかかります。そのため、研究や開発が停滞してしまう“デスバレー(死の谷)”といわれる状態に陥ってしまうことも少なくありません。薬や治療法の研究・開発において、最も乗り越えるのが困難なのがGMP製造ともいわれるため、研究所が所有する施設が死の谷の橋渡し的な役割を担い、開発の拠点となっていければと思います。研究所が、今まで積み重ねてきたことを発展させることで生まれた新しい医療を実装することは、当院の大きな誇りになると考えています。

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朴 成和 病院長

1987年東京大学医学部卒業。国立がん研究センター東病院内視鏡部、静岡県立静岡がんセンター消化器内科診療科長、聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座教授、国立がん研究センター中央病院消化管内科科長を経て2025年より現職。国立がん研究センター東病院、静岡県立静岡がんセンターの立ち上げや、聖マリアンナ医科大学では臨床腫瘍学講座、東京大学医学部附属病院では腫瘍センター、臨床腫瘍科の立ち上げに携わった。

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