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生活を妨げる関節の痛みに
先進技術を駆使した人工関節手術

医療法人錦秀会 阪和記念病院

(大阪府 大阪市住吉区)

最終更新日:2023/10/02

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  • 保険診療
  • 関節リウマチ
  • 大腿骨頭壊死
  • 変形性膝関節症

年齢を重ねるごとに悩む人が増える、膝や股関節の痛み。日常生活での動作がつらくなったり、続けてきた趣味やスポーツが楽しめなくなることもある。患者の多くは多忙な世代で、治療に対する不安もあるのか「かなり強い痛みでも、受診を後回しにしてひそかに我慢している方がおられます」と、人工関節センター長の中川滋先生は話す。開設1周年を迎えた同センターでは人工関節手術に力を入れ、ナビゲーションシステムなど先進の診療技術を駆使して、長く安全に使い続けられる人工関節の実現を追求する。また保存療法やリハビリテーションも取り入れ、専門性に基づいた診断と幅広い治療選択肢から、患者がめざすゴールに適した治療の提供を心がけている。今回は同センターが行う人工関節手術の特徴について中川先生に聞いた。(取材日2023年6月2日)

ナビゲーションシステムを活用した精密なインプラント設置で、30年使い続けられる人工関節をめざす

Q人工関節手術とはどのような手術ですか?

A

模型を用いて説明する中川滋先生

加齢や病気ですり減り、痛みの原因になっている関節の骨や軟骨を取り除いて、人工関節として骨の形をした金属製のインプラントや軟骨の代わりになるポリエチレンに置き換える手術です。失った歯を補うために用いる歯科のインプラントを想像してもらうと、わかりやすいかもしれません。人工関節にすることで痛みの改善や関節の動きやすさ、安定性も健康であった頃の状態に近づけることが望めます。手術は片方の膝であれば1時間から1時間半程度で、出血を防ぐための薬を使いますので輸血することはほぼありません。また当院では全身麻酔を行い、術後もチューブを留置して硬膜外麻酔を続け、内服薬も組み合わせて極力痛みの少ない手術を行います。

Qどのような病気や症状のある方が、手術の対象になりますか。

A

エックス線検査をはじめ、各種検査に対応

膝であれば、年齢とともに軟骨や半月板が傷んで痛みが生じる変形性膝関節症が多く、慢性的な関節炎に悩まされる関節リウマチや、太腿の骨に起こりやすい骨壊死などでも手術を考えます。一方股関節では、大腿骨を受け止める骨盤部分の形状が生まれつき浅く、軟骨に過度の負荷がかかり続ける臼蓋形成不全や、難病である特発性大腿骨頭壊死症などで、手術になることが多いですね。当院では、関節の痛みがある場合、まずエックス線検査などで関節の状態を確認して、それほど進行していなければ、症状に応じて運動指導や鎮痛薬処方、ヒアルロン酸ナトリウムを用いた保存療法を行います。でも症状が進んでいて痛みも強ければ、手術をお勧めします。

Q先進の環境で、手術が受けられるそうですね。

A

現在の手術室。豊富な経験と知識を持つ医師たちが集まる

はい。病院自体が開院から1年と新しく、手術室も先進の衛生環境が整っていることが特徴です。また人工関節手術に関して言えば、インプラントの設置位置が適切かどうかがその後の使用期間や合併症の有無を大きく左右しますが、当センターでは先進のナビゲーションシステムを導入。あらかじめ測定した患部のデータを利用するため、目標とする角度や向きどおりの位置へインプラントを設置できるようになっています。来年には施術自体を機械で行うロボット支援手術も導入する予定で、一層安全性に配慮した精密な手術が提供できるようになると期待しています。

Q手術後の経過やリハビリについて教えてください。

A

開放的なリハビリ室

当院は脳卒中などの脳神経外科領域に強みを持つという歴史があり、リハビリには以前から非常に力を入れています。このため人工関節手術後の患者さんにも質の高いリハビリの提供が可能で、問題がなければ手術翌日にベッドを離れて車いすへ移動、2日目には立つ練習、3日目には歩行練習を開始します。ただ、急いで進めているわけではなく、2~3週間をかけてつえを使った歩行や階段の練習なども順次行い、ご自宅で日常の生活動作が問題なく行える状態になってから退院していただきます。退院後は外出時だけ2ヵ月ぐらいはつえを使っていただきますが、自動車や自転車は、基本的に退院後から利用していただけます。

Q人工関節は、どのぐらい使い続けられるのでしょうか。

A

医師と多職種スタッフが連携を取り、患者に寄り添う医療を提供

当センターでは30年使い続けられる人工関節をめざしています。かつては確かに10~15年程度しか持たなかった時代があり、それを考慮して「手術の時期はなるべく遅らせよう」という考え方もありました。しかし多くの治療経験や研究から、インプラントの設置位置が適切であれば、人工関節を長く使えることが望めると明らかになってきています。また、人工関節の素材やデザイン、さらにナビケーションシステムなど手術の方法も格段に進歩し、非常に精密な手術が実現しています。50~60代の若い患者さんでも、強い痛みで不自由な毎日を過ごすのであれば、人工関節を積極的に考えられる時代になっていると思います。

患者さんへのメッセージ

中川 滋 人工関節センター長

1996年大阪市立大学卒業。同大学医学部附属病院整形外科へ入局し関連病院に勤務。1998年には同大学大学院医学研究科外科系専攻へ進み、2001年には英国王立ロンドン病院関節外科へ留学。2009年大阪労災病院整形外科、2013年同病院整形外科・関節外科部長、人工関節センター長。2022年4月より阪和住吉総合病院整形外科、同年6月から現職。関節外科や人工関節が専門で、インプラントの開発にも携わる。

新築移転した当院の先進的な診療環境で、新しい機器を活用した人工関節の手術を実施しています。東住吉区や住吉区では人口に比して人工関節手術を行う医療機関が少ないので、今後はぜひ近隣の方に、ご自宅から近い当センターで手術とリハビリを行って、安心できる状態で日常生活へ戻ってもらいたいと考えています。また、当センターは受診イコール手術というわけではなく、正しく診断をつけた上でさまざまな治療選択肢も視野に入れ、患者さんの年齢や生活、さらに「痛みを取りたい」「スポーツに復帰したい」など目的に応じた治療方法をご提案しています。関節でお困りのことがあれば、まずは気軽にご相談ください。

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