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埼玉県立循環器・呼吸器病センター

(埼玉県 熊谷市)

池谷 朋彦 病院長

最終更新日:2024/06/25

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地域の最後の砦として専門的な医療を展開

1954年に開所した結核療養所「埼玉県立小原療養所」が前身の「埼玉県立循環器・呼吸器病センター」では、呼吸器系疾患に加えて、心臓疾患、大血管疾患などの循環器系疾患や脳神経疾患に対する高度かつ専門的な医療に対応している。救急を含む急性期の患者を積極的に受け入れ、特に脳血管疾患や心臓血管の領域では最後の砦として多くの患者の救命に尽力するほか、循環器内科での専門性の高いカテーテル治療や、呼吸器分野における肺がん、結核、間質性肺炎などの専門的治療など、専門病院として質の高い医療を提供している。地方の病院の医師不足が懸念される中、同院では、高い手技とモチベーションを持つ医師、優しい看護師、先端の設備によって地域住民の健康に寄与。そこで、2024年に開設30周年を迎えた同院の現状と展望について、池谷朋彦病院長に話を聞いた。(取材日2024年5月13日)

専門病院としての循環器疾患の取り組みについて教えてください。

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当院では、ハイブリッド型の手術室を設置し、僧帽弁閉鎖不全症に対する高度なカテーテル治療に対応しています。症例数も増えつつあり、心臓カテーテル治療だけではなく、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)など患者さんの負担の少ない低侵襲治療を積極的に行っています。当院の循環器内科は専門の医師がそろっていることから、若い先生を受け入れエキスパートを育てることにも力を入れています。血管外科では3人の医師がステント留置術などにモチベーション高く取り組んでいるほか、心臓外科では4人という少数精鋭で、大動脈破裂など1分1秒を争う病気もできる限り受け入れ、術後管理やその他の救急疾患にも対応しています。

呼吸器疾患や脳神経の疾患についてはいかがでしょう。

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呼吸器内科では結核の治療を行うとともに、コロナ禍ではたくさんの新型コロナウイルス感染症の患者さんを診てきました。慢性疾患では特に間質性肺炎の専門的治療を得意とし、病理診断科の医師とともに質の高い診療を行っています。呼吸器外科では肺がんを中心にほとんどの症例で胸腔鏡下の低侵襲手術を実施しています。脳神経外科の分野では、埼玉医科大学からこの分野を専門とする医師に来ていただき、脳神経センターとして、脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術やコイル塞栓術、頸動脈狭窄症などへのカテーテルを用いたステント留置術をといった高度な治療を幅広く提供しています。急患もほとんどお断りせずに受けており、脳神経外科の領域におけるこの地域の最後の砦のような役割を担っています。また、がん治療に対しては、先日、新たに放射線治療装置を導入し、狙った場所にピンポイントで照射する定位放射線治療を行っています。

地域における病院の役割について、どのようにお考えですか。

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埼玉県北部地域は総合病院が少なく、当院が最後の砦の役割を担うべきであり、病院長としてはもちろんのこと熊谷の一住民としても、この病院をより高いレベルできちんと維持して存続させていきたいです。そのためには、例えば、診療科を増やして総合的な診療ができる体制を整えたりするなど、行政や地域の先生とも協力し改革を進めていくことも必要だと考えています。また、地域の先生からのご紹介患者さんをよりスムーズに受け入れられるように、デジタル技術を活用してDX化も推進していければと思います。

先生が感じているこの病院の良さはどんなところでしょうか。

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患者さんからは「看護師さんが優しい」、「すごくアットホームで良い病院」といったお褒めの言葉をたくさんいただいています。私もこの病院の看護師はどんなに忙しくてもきちんと患者さんに対して優しく対応していますし、医師も患者さんの立場に立ったわかりやすい説明をしていると感じています。そのような職員のために院長としては、職員を大切にした働きやすい環境を整えたいと考えています。ここ数年のコロナ禍では職員間の交流は控えていましたが、今後は交流する機会を増やして、普段顔を合わせない人とも顔を合わせることで、病院全体で統一された文化を醸成し、顔の見える関係性のもとでチームワーク良く働ける環境を整えていきたいです。そうすることで病院に活気が出て、患者さんに良い医療を届けることができればと思います。

最後に、地域の人へのメッセージをお願いします。

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当院は2024年に30周年を迎えました。現在、熊谷市、深谷市、東松山市、秩父市から多くの患者さんにご利用いただいています。当院の理念は「私たちは県民の健康を守り、心の支えとなる病院をめざします。私たちは誠意と熱意をもって、患者さんに接します」です。これからも、近隣地域の方の健康を支えるため、高い技術を持つ医師と先端の設備をそろえ、幅広く質の高い医療を提供してまいります。紹介制であるため敷居が高いと思われるかもしれませんが、医師も看護師も優しいので、気軽に、かかりつけの先生を通して受診していただければうれしいです。

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池谷 朋彦 病院長

1986年富山医科薬科大学医学部卒業。富山赤十字病院、富山医科薬科大学附属病院等での勤務を経て、埼玉県立循環器・呼吸器病センターへ。2024年より現職。専門は、呼吸器外科全般、胸腔鏡併用下手術。日本外科学会外科専門医、日本呼吸器外科学会呼吸器外科専門医、医学博士。

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