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複数の選択肢の中から自分に合った方法を
子宮筋腫との付き合い方

明理会東京大和病院

(東京都 板橋区)

最終更新日:2022/11/01

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  • 保険診療
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 不妊症

女性ホルモンは女性の体にさまざまな変化や症状をもたらすが、その1つであり多くの女性に発症しているといわれているのが子宮筋腫だ。できた場所や大きさによっては無症状で健康に害がなく、閉経による女性ホルモンの減少とともに小さくなり無症状となることがある一方で、過多月経や不正出血、不妊症などの原因となり、日常生活に支障を来すこともある。治療をするかしないか、どんな治療をするのかなど選択肢が多すぎることがネックになっている子宮筋腫こそ、専門の医師がそろう医療機関へ相談したいものだ。そこで、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患をはじめ女性医学をベースにした婦人科医療を展開する「明理会東京大和病院」の明樂重夫病院長に、子宮筋腫についての詳細を聞いた。(取材日2022年8月31日)

経過観察から手術まで、診療のバリエーションがそろう。年齢や生活環境に合わせて適切な方法を選択

Q子宮筋腫とはどんな病気ですか?

A

患者の症状に合わせた治療を提案し、信頼関係の構築をめざす

子宮筋腫は子宮を構成している平滑筋に発症する良性の腫瘍で、月経が始まって以降、何かが引き金となり筋腫の種となる細胞が増殖していきます。卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンによって大きくなっていくため、閉経後は小さくなります。1個の筋腫に対して1個の起源があり、それぞれの筋腫がバラバラに起源を持って大きくなっていくため、多発性の人もいれば単体で発生する人もいます。子宮筋腫は発生した部位によって、子宮の内側にできる粘膜下筋腫、子宮の筋肉の中にできる筋層内筋腫、子宮の外側にできる漿膜下(しょうまくか)筋腫の3つに分類されます。

Q子宮筋腫ができるとどんな症状が起こりますか?

A

待合室スペースの水槽。些細な異変の相談も受けつけている

筋腫ができた場所によって症状はまったく変わってきますが、最もわかりやすいのは月経に関することです。粘膜下筋腫の場合、何度もナプキンを変えなくてはいけないくらい月経量が増える過多月経になり、鉄欠乏性貧血を起こす可能性もあります。一方、筋層内筋腫や漿膜下筋腫は子宮の外側で大きくなるため、巨大にならないと気づかない場合があります。筋腫が巨大になるとおなかが張って硬くなり臓器が圧迫されることで、頻尿や便秘、尿意があるにもかかわらず排尿できない尿閉の原因になるほか、足の血管に血栓症ができることもあります。月経量が明らかに増えてきたりおなかが張ってきたと感じたら子宮筋腫を疑ってみる必要があるでしょう。

Q治療しなくてはいけないのはどんなときですか?

A

症状だけでなく、患者の状況に合わせた治療法の提案を心がける

基本的に筋腫は良性なので症状がなければ放っておいても問題はありませんが、不妊症の原因や不正出血、月経困難症の原因にもなるため、症状があるときは治療することをお勧めします。子宮筋腫の治療が難しいのは、治療をしたほうがよい場合としなくてもよい場合があることです。がんはステージごとに治療方針が決まっていますが、子宮筋腫や子宮内膜症は命に別状がない分、患者さんも治療をすべきかどうかを迷われることが多い傾向にあります。当院では、筋腫の大きさ、症状、年齢、子どもの有無、家庭環境はもちろんのこと、卵巣と子宮、閉経後の生活のパターンも含めた上で、ベストな選択ができるようにさまざまなご提案をしています。

Q治療にはどのような方法がありますか?

A

今後ロボットでの手術も導入を予定している

治療は薬物療法、手術療法、対症療法の3つになります。筋腫を小さくするための方法に、薬で女性ホルモンの分泌を抑え閉経に近い状態を図る偽閉経療法がありますが、これは半年間の限定的な治療であるため、閉経間近の40代後半〜50代の限られた人に適した治療です。月経の量を減らし症状の軽減を図るという意味では低用量ピルも有用な場合が多く、女性ホルモンを抑えることで筋腫の発育を止めることができるのではないかといわれています。また、対症療法として止血剤によって月経の量を減らす方法もありますが、いずれの方法を選択しても最後は手術になることもあるため、閉経までの年月を逆算し、適した治療を選んでいくことになります。

Q手術する場合、腹腔鏡手術と開腹手術どちらが良いのでしょうか?

A

前提として腹腔鏡手術は低侵襲で傷が小さいことが大きなメリットですが、子宮筋腫の手術ではメリットばかりではありません。筋腫ができた場所や大きさ、数によっては出血量が増えたりリスクが高まることがあり、特に子宮全摘ではなく筋腫だけを切除し子宮の機能を温存する筋腫核出術の場合は、術中に直接子宮に触れることができる開腹手術のほうが小さな筋腫も核出できる上に創部の修復も可能なため、筋腫の取り残しが少なく安全性に配慮した手術になるとされています。腸閉塞など術後の合併症がなく、妊娠・出産に耐えられる子宮を再建することが良い手術だと考えています。当院ではそういった観点から適した術式を選択するようにしています。

Q開腹手術をすると傷が目立つのではないかと心配です。

A

開腹手術と腹腔鏡手術の入院期間の違いは数日ほど

開腹手術で傷が残ることに抵抗のある人もいると思います。しかし、子宮筋腫の手術後の出産は帝王切開になるため、腹腔鏡手術の傷に加えて新たな傷ができることになります。結果的に帝王切開で傷が残るのであれば、開腹手術で癒着を防止し妊娠に耐えられる子宮の再建をめざしたほうが良いという考え方もあるのではないでしょうか。また当院では、いわゆる「溶ける糸」を使って形成外科的な処置をしているため、抜糸の必要もなく、腹腔鏡手術の入院期間と数日しか変わりません。子宮全摘か筋腫を核出するのか、開腹手術か腹腔鏡手術か、あらゆる組み合わせの中で患者さんの希望と医師の提案をもとに無理のない方法で治療をすることが大切ですね。

患者さんへのメッセージ

明樂 重夫 病院長

1983年日本医科大学卒業、1987年同大学大学院修了。東部地域病院婦人科医長、日本医科大学付属病院産婦人科病棟医長を経て、2011年より日本医科大学産婦人科教授。2022年4月より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。生物学的な視点で医学を考えたいと産婦人科医師に。女性医療、女性ヘルスケア領域の確立に尽力。

治療をするかしないか、治療の方法もとにかく多い上、閉経によって症状が消失するという時限的な側面もあるのが子宮筋腫の複雑なところです。だからこそ、1つの術式にこだわらず納得のいく説明をしてくれる医療機関を探してほしいと思います。主治医と話し合い、必要であればセカンドオピニオン、サードオピニオンまでしっかりと聞いてみるとよいでしょう。当院では、女性医学、内視鏡手術の専門家が経過観察、薬物療法、開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術など安全性の高さやベストな結果が期待できる術式を複数用意しています。患者さんとの信頼関係を構築した上で一緒に最適な方法を選んでいける、そんな病院でありたいと思います。

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