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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立広尾病院

(東京都 渋谷区)

田尻 康人 院長

最終更新日:2023/02/14

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安心、安全、良質な医療の提供をめざす

広尾駅から徒歩約7分。たくさんの車や人が行き交う天現寺橋交差点からすぐのところにあるのが「東京都立広尾病院」だ。1895年、コレラ流行に対応するために開設されたという同院は現在、救急医療と災害医療、島しょ医療、心臓病医療、脳血管疾患医療、外国人医療を重点に幅広い分野で安全で安心、良質な医療を提供することをめざしている。そんな同院の田尻康人院長は、同院で20年近くに わたり整形外科の医師として末梢神経の専門的な治療に携わってきたほか、東京都の災害時医療に関するさまざまな活動にも尽力している。「当院を魅力があって、人を引きつけるマグネットホスピタルにしていきたいですね」と話す田尻院⻑に、同院のことや抱負について話を聞いた。(取材日2022年9月12日)

こちらの病院の役割を教えていただけますか?

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当院の一番の特徴は、東京都の基幹災害拠点病院であり、区西南部の地域災害医療コーディネーターを擁して災害時医療の中心的役割を果たす病院になっていることです。救命救急センターやDMATチームなど災害時に対応するスタッフや設備を整えているほか、災害拠点病院などへの教育やアドバイスをする役割を担っています。減災対策支援センターを中心に、災害時の体制に関する当院の考え方をお示ししたり、災害時における備えとして「減災カレンダーHDMG」のような職員教育のための減災教育ツールを作ったり、各医療圏の災害医療コーディネーターと一緒に災害訓練のお手伝いをしています。病院は、災害に対応するための計画を作る必要がありますが、教わる機会はほとんどありません。ですから、当院の災害時体制についての考え方を伝えつつ、それぞれの病院に合わせた体制づくりをサポートしています。

どのような医療を特徴としているのでしょうか?

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一つは、救急医療です。当院の東京ER・広尾では、救命救急センターと内科系・外科系・小児系の各ERで、一次から三次までの救急患者さんを24時間365日体制で受け入れています。ER・救命救急センターと各診療科との垣根が低いのが特徴で、夜中に運ばれてきた緊急手術や処置が必要な患者さんにも、各診療科の医師がすぐ対応します。次の特徴に、島しょ医療があります。伊豆諸島と小笠原諸島をカバーしており、緊急性が高い患者さんは屋上にあるヘリポートで直接受け入れています。加えて、画像電送システムを活用した画像診断やコンサルテーションなどの診療支援、島しょでの診療に対応できる総合診療を専門とする医師の育成にも注力しています。さらには、外国人医療です。当院の周辺には大使館が多く、外国人の住民も比較的多くいることもあり、外国人対応マニュアルを作成し、外国人向け医療コーディネーターや英語、中国語の通訳をそろえています。

力を入れていることは何ですか?

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まずは、循環器医療です。循環器科と心臓血管外科が連携して、不整脈から虚血性心疾患まで循環器疾患全般に対応しています。不整脈のアブレーション治療に力を入れているほか、心不全には先進の補助循環用ポンプカテーテルを導入しており、重症の患者さんでも治療ができます。急性心筋梗塞についても、緊急のカテーテル検査や手術を行うことができます。また、脳血管疾患では急性期の脳梗塞に対する血栓回収療法や大動脈瘤に対するステント留置術など、治療が難しい疾患にも対応できる体制を整えています。私が専門とする整形外科では、手外科専門の医師が4人在籍し、上肢外科、特に末梢神経損傷の治療を行っています。オートバイ事故などで頸部から手につながる神経が引き抜けてしまったような腕神経叢引き抜き損傷に対して、ほかの神経をつなぎ変えて機能を戻すための神経移行術など、ほかの施設ではあまり行っていないような高度な機能再建手術も行えます。

病院の運営や診療の際に心がけていることを教えてください。

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私がめざしているのは、職員がぜひこの病院で働きたいと思ってもらえる病院にしたいということです。これは、前院⻑が掲げていた、「マグネットホスピタル」にするという目標を引き継いだものです。マグネットとは、「引きつける」ということで、患者さんにとってはここにかかりたい、開業の先生はここに紹介したい、職員についてはここで働きたいと思ってもらえるような、すべての人にとって魅力のある病院ということです。このことは常に意識していますし、新しく入った職員にも必ず話しています。都立病院では毎年、職員満足度調査を行っていて、以前は評価がいまひとつのところがありましたが、ようやく改善してきました。これからも引き続き取り組んでいきたいと考えています。私自身が診療の際に心がけていることは、自分の親族を診るのと同じような気持ちで診ることです。これが基本だと思いますし、大切にしなければならないことだと思っています。

今後の抱負とメッセージをお願いします。

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完成予定は10年後と先のことになりますが、病院建て替えの計画が進んでいます。新しい病院も災害時の対策を強化したものになる予定です。ですが、新しい病院が計画されていても、その完成まで座して待つのではなく、建物は現状のままでも中身は今の時代に合った機能に変えていく必要がありますから、来年には病棟を改装して、HCUを12床と心臓血管リハビリテーション部門を作る予定をしています。また、都立病院が独立行政法人化されましたので、そのメリットを生かした病院運営をしていきたいと考えています。そして、当院はERや救命救急センターなどで24時間365日救急患者さんに対応することや、災害訓練や公開講座などの啓発活動を行うことで、近隣にお住まいの方々や都⺠の皆さま、そして周辺の医療機関からの期待にも応えられるよう務めてまいります。お困りの時には最後の砦としてぜひ当院を頼りにしていただきたいと思います。

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田尻 康人 院長

1986年東京大学卒業後、同大学医学部附属病院整形外科に入局。助手などを経て2003年、東京都立広尾病院入職。整形外科医長、同科部長を経て2016年より同院副院長。2020年4月より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。日本末梢神経学会評議員。2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体(コンソーシアム)委員などでも活動する。医学博士。

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