変形性膝関節症からスポーツ障害まで
膝関節の痛みの解消をめざす
独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター
(東京都 新宿区)
最終更新日:2026/09/14


- 保険診療
- 半月板損傷
- 変形性膝関節症
年齢を重ね歩くと膝が痛むようになった、スポーツで膝をけがしたなど、多くの人が経験したことのある膝の痛み。放置して痛みが悪化してくると、歩行できる距離や時間が短くなり、生活範囲が狭くなってしまうことも。特に高齢者は、自宅に引きこもりがちになることで認知症やうつ病のリスクが高まる可能性もあるため、適切なタイミングでの治療を受けることが望ましいとされている。「東京山手メディカルセンター」の整形外科では、膝のさまざまなトラブルに対して、生活習慣の見直しから薬物療法、手術まで幅広く対応。膝の疾患を専門にする医師が、年齢や生活背景も考慮しながら一人ひとりの患者に適切な治療を提供している。膝関節の疾患を専門にする田代俊之部長に、膝関節の治療について詳しく聞いた。(取材日2026年6月30日)
目次
悪化すると生活の質を大きく下げる可能性も。保存療法から手術まで適切なタイミングで状態に合った治療を
- Q膝が痛むとき、どのような疾患が考えられますか?
- A

症状が出始めたら早めに受診することが大切だという
一つは変形性膝関節症です。老化に伴い、関節の骨の表面を覆っているクッションである軟骨が擦り減り、痛みなどの症状が進行する病気で、女性に多く、若い頃の外傷や肥満が関係することもあります。症状は、歩く時や階段を上り下りする時の痛みが特徴的で、さらに膝の動きが悪くなったり、水がたまったりすることもあります。最終的には痛みのため、歩行できる距離や時間が短くなり、その結果、買い物や旅行に行くことができなくなるなど生活範囲が狭くなってしまいます。ほかに、主にスポーツ障害である膝前十字靱帯損傷や半月板損傷などがあります。当院では、膝の痛みやけがには、ほぼ全般的に対応しています。
- Q変形性膝関節症の治療について教えてください。
- A

定期的に中高齢者に向けた膝痛教室を開催している
症状の軽い方は、筋力訓練や減量などの生活指導で、中等度の方には、ヒアルロン酸注射や内服薬などの薬物療法や装具治療などで症状の改善を図ります。それでも痛みが強いときは、相談の上、手術を行います。手術には人工関節全置換術や人工関節単置換術、高位脛骨骨切り術があり、年齢や変形の進行具合、患者さんの希望などにより方法を決めていきます。膝の痛みがひどくなると、それまでできていたことが徐々にできなくなってしまいます。完全に歩けなくなってからだと元の状態に戻るのは難しくなるため、これからも自分の足で歩きたい、旅行など趣味を楽しみたいという人は、適切なタイミングで手術を受けることが非常に重要です。
- Q半月板損傷と膝前十字靱帯損傷の治療についても教えてください。
- A

経験豊富な医師が手術を行う
半月板損傷は、以前は損傷した部分を切除することがほとんどでしたが、そうすると変形性膝関節症になるリスクが高くなるなどデメリットがあることから、現在は、特に若い世代の患者さんには縫合することで修復を図り、温存するようにしています。膝前十字靱帯損傷については、特にスポーツ復帰を考えた場合には手術が必要になるため、現在は、膝周囲の自分の組織を採取して新しい靱帯として作り直していく再建術を主に実施しています。当院では、これらの手術を低侵襲で行うことをめざしているほか、私ともう一人の医師はアスリートの診療経験が豊富で、スポーツ障害も専門としています。
- Q御院における膝の疾患の手術の特徴はありますか?
- A

メリットとデメリットを十分説明した上で治療を進める
変形性膝関節症の手術では、人工関節置換術と高位脛骨骨切り術の両方に対応していることです。人工関節置換術の後は、跳ねたり、走ったりすると関節が緩んでしまうことがあるので、基本的に激しい運動はできません。高位脛骨骨切り術なら運動もできるようになることが期待できる一方で、人工関節置換術に比べて回復に時間が必要となる、変形が進んでいるとできないなど、それぞれにメリットやデメリットがあります。当院では、50〜60代など、まだ元気だけど膝が痛み運動ができないという方には高位脛骨骨切り術、70〜80代で日常生活に支障なく歩けるようになりたいという方には人工関節置換術と、適切な手術方法を提案しています。
- Q先生が力を入れている膝痛教室について教えてください。
- A

膝痛教室の様子
当院では、膝痛で悩んでいる人を対象に月に1回「中高齢者膝痛教室」を開催しています。ここでは、膝の痛みはまだ強くないけど、これからひどくならないように予防をしたい方や、膝の痛みに対し適切な治療を受けたい方、すでに治療をしていて手術などを勧められているけど悩んでいる方などを対象に、スライドや模型、筋力訓練の実演などを通して、膝の仕組みや病気、特に変形性膝関節症について自分でできる予防方法、治療方法、手術などについてお話ししています。参加費不要で約1時間、当院の患者さん以外でも予約なしで参加ができます。膝痛は「年齢のせい」と諦めずに、気軽に参加していただきたいと思います。





