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エコー、CT、内視鏡を駆使
検査からわかる消化器疾患

医療法人楠和会 公文病院

(兵庫県 神戸市長田区)

最終更新日:2024/01/22

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  • 保険診療
  • 胃がん
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  • 肺がん

腹痛や腹部の違和感・不快感などは誰にでも起こる症状だ。ただ、腹部には胃や腸をはじめ肝臓・胆道・膵臓など多くの臓器があり、適切な治療に向けて原因を明らかにする必要がある。そこで、消化器疾患の診断に欠かせないのが各種の検査だ。長田区で地域医療を支える「公文病院」では超音波検査(エコー)、CT、上部内視鏡検査を導入し、日常診療で活用。小回りの効く診療体制があり、エコーやCTは必要に応じて受診当日の検査も行うという。検査自体が苦手な人も多いが、大宮英寿院長は「早めの検査が早期発見につながり、治療の負担も減らせます」と呼びかけ、苦痛の少ない検査を心がける。今回は同院で受けられる消化器関連の検査について、各検査の特徴やどのような病気がわかるのか解説してもらった。(取材日2023年4月27日)

複数の検査から患者の状況に応じた検査方法を選択

Qこちらでは消化器症状に対してどのような検査が受けられますか?

A

CTは広範囲の検査に適している

当院では超音波検査(エコー)、CT、上部内視鏡検査(胃カメラ)を行っています。エコーは端子を調べたい臓器の近くにあてて、超音波で臓器の形や状態を描き出します。当院では腹部エコーのほか、頸動脈や心臓のエコーも実施できます。CTは横になった患者さんが筒状の装置を通過する間に、エックス線撮影を高速で繰り返し、体を輪切りにした画像を多数撮像できます。CTでは広範囲にわたってクリアな画像が得られ、エコーはピンポイントでの検査に適しています。胃カメラは、口や鼻から細い管を通し、胃や十二指腸の内部を直接観察できる検査です。胃の粘膜の細かな変化を調べ、異常がある場合は、該当箇所を少し切除することもできます。

QエコーやCTは、どのような場合に使用するのですか?

A

明らかな胃の症状があれば胃カメラを検討しますが、そうではない腹痛や、背中に近い部分の痛み、おなかの張りなどがある場合、また症状はなくても肝臓や膵臓の検査値に異常があれば、エコーやCTでの検査を考えます。腹部エコーは肝臓や腎臓、膵臓の病気が考えられる際にまず使うことが多く、特に胆管などでの結石が疑われる場合にはよく使用します。特別な準備が不要で患者さんの負担が非常に軽く、すぐに検査しやすい点も特徴ですね。CTは体の奥まで画像が得られますし、撮影範囲が広いので、動脈の石灰化や肺がんなどが偶然に見つけられることもあります。検査前には絶食が基本ですが、急ぐ状況では受診当日に検査をすることもあります。

QエコーやCTで確認できる病気と治療について教えてください。

A

CTやエコーでは、脂肪肝が見つかりやすいです。外来患者さんでは基本は食事や運動など生活習慣の改善で経過を観察し、場合によっては投薬治療に進みます。胆石症や胆のう炎も比較的多いですね。当院では薬物治療を行うことになりますが、より重症であれば外科的な治療が行える病院へご紹介します。また、CTでは心血管の石灰化や無症状で進行している腫瘍を見つけられることもあります。がんが疑われる場合には、短い間隔で再検査を行って変化を調べたり、適切な治療が受けられる病院へご紹介します。

Q胃カメラについて、詳しく教えてください。

A

胃や十二指腸の内部を直接観察できる内視鏡検査

エコーやCTと違い、胃カメラは個人差はあるものの患者さんに負担感がありますので、明らかな症状がある場合に実施します。当院ではご高齢患者さんが多く、また救急対応が難しいこともあり、鎮静剤は使用せず喉の局所麻酔だけを使って、患者さんに意識がある状態で検査を行います。これまでは口から入れる胃カメラのみでしたが、2022年6月からは鼻から入れられる細いカメラも導入し、嘔吐反射の強い方でも検査を受けやすくなったのではないかと思います。検査自体は20〜30分程度です。胃炎や十二指腸潰瘍を確認したり、胃がんを発見することも。ピロリ菌がある場合には、その治療にも役立ちます。

Q エコー、CT、胃カメラと複数の検査ができるメリットは?

A

エコーやCTは必要に応じて受診当日の検査が可能

検査の選択肢が広いと、状況に応じて必要な検査をすぐに実施できます。例えば以前に受けた検診の結果をご説明しているときに、単純エックス線の画像や検査値に気になる異常があり、「これはCTを撮って詳しく調べてみたほうがよいですよ」と当日そのまま検査をすることもできます。また3つの検査は、被ばくがなくその場ですぐに受けられるエコー、わずかに被ばくはあるけれど痛みなどははぼないCT、そして胃カメラの順で、患者さんの苦痛が大きくなると思います。もちろん症状や検査値異常の程度にもよりますが、基本的には患者さんの苦痛が少ない検査からお勧めしますし、同時に検査の回数がなるべく少なくて済むように配慮しています。

患者さんへのメッセージ

大宮 英寿 院長

愛知医科大学卒業。1985年に神戸大学第一外科へ入局し、関連病院の消化器外科やケアミックス病院での診療経験を積んだ後、2012年より公文病院へ入職。2016年からは院長として同院のリニューアルに取り組み、地域医療機関との連携を深めてきた。外来診療とともに病棟にも目を配り、穏やかな笑顔と優しい口調で患者や家族と接する。「患者さまやそのご家族の想いを大切にする医療」という同院の理念を自ら実践する。

当院では複数の検査方法を導入しており、消化器疾患の初期診療で必要な検査は一通り提供できる体制があります。またこぢんまりとした病院ですので、受診した当日に検査ができることもありますし、CTや胃カメラのように絶食が必要で後日改めて検査を行う場合にも、比較的早めに検査予約をお取りできます。大規模病院のような待ち時間もありません。内科では2023年の春から午後診察を開始し、より受診していただきやすくなりました。検査結果に応じて、高度急性期病院への紹介も積極的に行っています。早期発見、早期治療が大切ですので、気がかりな症状があったり、「長いこと検査を受けていないな」という方は、ぜひ気軽にご相談ください。

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