母親学級や産後の相談体制が充実
妊娠初期から育児までをサポート
医療法人財団 仁寿会 荘病院
(東京都 板橋区)
最終更新日:2023/04/03
- 保険診療
快適な入院環境のもと、良質な医療と真心で、妊産婦と家族を支える「荘病院」。一人ひとりに寄り添う伝統の医療は看護部にも息づく。妊娠中から分娩、さらには退院後まで、母親と赤ちゃん、そして家族の幸せな生活までを念頭に置いた、心のこもったケアを実践していることが特徴だ。また、妊婦同士が交流できる「母親学級」を開催し、同時期に出産したママたちが親しくなれるような食事を用意するなど、出産と育児を楽しめるような工夫も光る。妊娠初期から出産、家庭での育児まで、切れ目なく続く同院の看護ケアと育児支援について聞いた。(取材日2022年7月5日)
目次
一人ひとりに寄り添う温かい看護と育児支援で、母子と家族に幸せを届ける
- Q出産や育児について学べる「母親学級」を開いているのですね。
- A
当院では、「妊娠25週まで」、「26週から30週まで」「31週以降」の3回に分けて母親学級を開催しています。1回目は栄養指導や妊娠中の過ごし方、2回目は分娩の進み方や入院中の生活、赤ちゃん用品の説明などを行い、3回目は院内見学を中心に実施します。1回目はテーマを決めてグループワーク形式で意見交換し、最後に参加者全員で情報共有します。また、帝王切開で出産する人、帝王切開に興味がある人向けの教室も始めました。手術への理解が深まるだけでなく、妊婦さん同士が励まし合うことで、手術への不安や悩みを少しでも和らげることができればと思います。
- Q産後の子育てに不安があるのですが。
- A
そうですね。産後にさまざまな問題に直面し、戸惑いや悩みからメンタルが不安定になってしまう方も少なくありません。そこで当院では、産後2週間頃に助産師が赤ちゃんの成長具合と母親のメンタルを確認して、心のケアを行う「にこにこ相談」を実施しています。対象者は初産婦全員と、入院中に気になる様子があった人ですが、助産師が「赤ちゃんの体重が増えているね」「母乳でちゃんと育っているよ」と声をかけることで、表情が和らぐ人もいます。育児の不安や悩みを、一人で抱え込まないことが大事です。助産師に何でも相談してアドバイスをもらってください。それが育児への自信につながります。
- Q入院する部屋や環境について、教えてください。
- A
妊婦さんのご希望や出産状況に合わせて、個室、4人部屋、6人部屋からお好きな部屋を選んでいただけます。中でも新米ママ同士が交流しやすい4人部屋が人気です。おしゃべりするのも、入院生活の楽しみの一つですから。食事も同時期に出産した人同士で取り、洋食・和食から選べる祝い膳を入院中に1回ご用意します。一方、広くてシックな雰囲気の個室は、出産後にゆっくり過ごしたい人にお勧めです。ご家族が大勢来られても、周りを気にせず過ごせます。また、当院では原則として母子別室ですが、授乳室で友達ができることもあります。子育ての良き相談相手が見つかるかもしれません。
- Q母乳の悩みの相談にも、乗ってもらえるのでしょうか。
- A
母乳のことで悩む方は多いですね。当院では、新米ママたちが赤ちゃんと楽しく暮らしていけるように、毎週金曜・土曜に予約制で「母乳相談」を実施しています。「赤ちゃんに母乳をうまく吸わせられない」、「きちんと飲んでいるかわからない」、「こんなときはどうすればいいの?」などの悩みに、専門の助産師が一人あたり約30分から1時間かけて相談に応じます。個別に悩みを聞いてお答えしたり、実際に授乳方法を指導したりしますので、初めての出産でも安心してください。これからも気軽に相談できる時間と空間を提供していきます。
- Q退院してからの育児支援について知りたいのですが。
- A
家に帰ってからも安心して育児ができるように、当院は退院後のケアに関して、行政との連携に力を入れています。妊娠中の保健指導や、産後の「にこにこ相談」、乳幼児健診などで赤ちゃんの状態を確認し、親身になって母親の心をケアしますが、その際には母親の生活や育児協力者の有無などにも気を配り、必要に応じて早い段階で介入し、適切なアドバイスや支援を行います。例えば、板橋区の育児支援ヘルパーを紹介したり、保健師の新生児訪問などの行政が行っている支援の活用法をご説明したり、切れ目のない育児支援を続けています。