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社会医療法人社団健友会 中野共立病院

(東京都 中野区)

山本 英司 病院長

最終更新日:2024/07/11

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誰もが平等に医療を受けられる世の中に

中野駅北口から徒歩約7分。にぎやかな地域を抜けたところにあるのが、「中野共立病院」だ。前身となる診療所を1949年に開設以来、無差別平等の医療を掲げながら地域の人々の健康を支えてきた同院。現在は、東京都指定二次救急医療機関として24時間365日体制で救急医療に対応する他、地域包括ケア病棟の運用や人工透析、訪問診療やリハビリテーションに力を入れるなど、地域の医療ニーズに応えることをめざしている。「病院や医師が何をしたいのかではなくて、地域にどのような医療が必要なのかということに、常にアンテナを高くしておかなくてはいけないと考えています」と話す山本英司病院長に、同院の特徴や取り組みについて詳しく話を聞いた。(取材日2024年1月16日)

最初に病院を紹介していただけますか?

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当院は、誰もが平等に医療を受けられるようにという理念のもとに診療を行っており、無料低額診療も行っているほか、入院時の保証金や差額ベッド代が不要な料金システムを取っています。また、当院は東京都指定二次救急医療機関としての救急医療と入院での診療、リハビリテーションなどを提供し、外来診療は、近くにある系列の中野共立診療所が担当しています。以前は手術も頑張っていましたが、現在は周辺の医療供給体制とのバランスを取りながら、地域に必要な医療を提供していくことが重要だと考えています。実際に、近隣には基幹病院がいくつかありますが、例えば、腰椎圧迫骨折など手術が必要ではない疾患の患者さんは、基幹病院に入院するのが難しいようです。一方、人工呼吸器管理などで医療介護度が高い患者さんは介護施設には入れません。そのような患者さんを受け入れるのも当院の役割だと考えています。

こちらの病院の特徴について教えてください。

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中野区には数少ない地域包括ケア病棟を運用していることが挙げられます。近隣の新宿には大学病院や基幹病院が複数あり、高度急性期の医療を展開しています。ですが、そうした病院では、他の病気の治療や退院後のリハビリテーション、在宅療養の調整まで手が回らないこともあるかと思いますので、当院がそのような患者さんの受け皿になりたいと考えています。また、在宅療養中の患者さんが検査や治療で入院が必要になったときのサポート、自宅で家族を介護している人が休養したいときに一時的に患者さんをお預かりするレスパイト入院にも対応。また、当院では訪問診療にも24時間体制で取り組んでいますが、必要に応じて速やかに入院ができるようバックアップベッドも備えています。これは、在宅の患者さんの安心材料になっていると思います。その他、地域の開業医の先生から入院の要請があった場合にもできる限り対応しています。

力を入れている診療について伺います。

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リハビリテーションです。回復期リハビリテーション病棟では、大腿骨頸部骨折や脳卒中後などの患者さんを対象にリハビリテーションを提供し、365日体制で術後の機能回復をサポートしています。外来の他、訪問リハビリテーションも対応し、回復期リハビリテーション病棟の医師やスタッフと互いに連携しながら、病院から在宅まで、切れ目のないリハビリテーションが行えるよう努めています。また、入院されていた患者さんが退院する際は、事前に担当のリハビリテーションスタッフとケアマネジャーがご自宅に訪問。玄関や浴室、トイレなどに手すりをつけたほうが良いとか、家具のレイアウトをこう変えたほうが良いなど、実際の在宅療養生活を念頭に置いたアドバイスをしています。法人内の訪問看護ステーションや訪問介護ステーション、居宅介護支援事業所と連携し、在宅療養中の患者さんやそのご家族を多角的にサポートする体制を整えているのも特徴です。

透析治療にも対応していますね。

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人工透析にも力を入れており、通院透析の患者さんには自宅との無料送迎も行っています。また、入院による人工透析にも対応しています。人工透析を受けている患者さんが圧迫骨折をしたり、糖尿病が悪化したり、肺炎になったりした場合、必要に応じて入院していただき、人工透析を受けながらそれらの病気の治療を受けることができます。その他、HIV患者さんの人工透析にも対応していることも特徴の一つです。透析施設の中には、HIV陽性の患者さんの受け入れが難しいところもあるようですが、感染症の管理がちゃんとできれば、HIVの患者さんを特別扱いする必要はないんです。ですので、当院ではHIV陽性の患者さんの治療にも対応しています。また、旅行などで地方から来ている患者さんへの短期間の透析も可能です。

最後に、今後の抱負をお願いします。

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近隣に複数の基幹病院がある中で、当院がそれらの病院と同じ機能を有しても意味がありません。高度急性期医療は、それを得意とする基幹病院にお任せして、当院では、地域にどのような医療が必要なのかということに、常にアンテナを高くしておかないといけないと考えています。そういう意味では、新型コロナウイルス感染症にも、感染拡大当初から入院受け入れも含めて取り組んできましたが、その根底にある無差別平等と地域医療への貢献の精神は大切にしていきたいと考えています。そのような中、医師の働き方改革などもあり、24時間354日体制の救急医療の継続について検討を重ねましたが、当院では引き続きこの体制を継続していく考えです。われわれの先輩方が培ってきた信用を継続して、スタッフの働く環境、近隣の病院との関係を保つこと、経営の維持も含めて、さらに次の世代に引き継いでいけるように頑張っていきたいですね。

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山本 英司 病院長

1988年東京医科大学卒業。東京健生病院に在籍中、かねてより「無差別平等の医療」の理念に共感を抱いていた中野共立病院で外科が存続危機の状態にあることを知り、「外科の火を消してはいけない」と同院に出向。その後、同院副院長を務め、2017年に病院長に就任。東日本大震災の際には、被害の大きかった地元の岩手県田老地区にて応援診療を行い初期医療に貢献。日本外科学会外科専門医、東京医科大学地域医療指導教授。

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