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食道、胃、大腸の早期がんに対する
精密な内視鏡検査・治療

地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立荏原病院

(東京都 大田区)

最終更新日:2023/04/06

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  • 保険診療
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  • 大腸がん

胃や食道、大腸のがんや大腸ポリープを早期に見つけるための検査や早期がんの治療に用いられる内視鏡。検査時の苦痛に対して不安を抱える人も多いため、各医療機関は鎮静剤や鎮痛剤の使用、先進的な設備の導入、快適な受診環境を整えるなど工夫を凝らすことで、受診者の不安の解消に努めている。地域密着の病院である「東京都立荏原病院」では、2022年6月に内視鏡室をリニューアル。内視鏡ユニットはすべて個室で、リカバリールームや陰圧室も併設された内視鏡センターで、精密な検査・診断とともに早期がんの内視鏡治療や、夜間の緊急内視鏡まで幅広く対応している。そこで、水谷勝消化器内科部長と吉利賢治外科部長に、同院の内視鏡センターでの取り組みや新しい内視鏡室の特徴について聞いた。(取材日2023年2月6日)

先進機器や快適な受診環境の整備とともに、消化器内科と外科の協力で専門性の高い内視鏡検査・治療が実現

Qこちらでは内視鏡室をリニューアルされたそうですね。

A

明るい雰囲気のリカバリールーム

【水谷消化器内科部長】当院では2022年6月に内視鏡室をリニューアルしました。これまでは内視鏡ブースが2室しかなかった上、カーテンで仕切られているだけで患者さんのプライバシーを保つのが困難でした。また、苦痛を軽減できるように鎮静剤や鎮痛剤を使って検査をすることが多いのですが、以前の内視鏡室は検査後に安静にしていただくリカバリールームが同じフロアにはありませんでした。そういった不便を解消することでより多くの方に受診していただきたいという思いでリニューアルしました。ベッド数が増えブースはすべて個室で新しい内視鏡機器を導入し、リカバリールームを設置、先進の内視鏡検査・治療ができる環境が整いました。

Q内視鏡を使って検査や治療を行うのですか。

A

消化器内科部長の水谷勝先生

【水谷消化器内科部長】検査では、いわゆる胃カメラや大腸カメラによる、早期の食道がん、胃がん、大腸がんや大腸ポリープなどの早期発見に努めています。これら一般的な胃や大腸のカメラの検査に加えて、先進的な治療としては、胃と食道の早期がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や、大腸ポリープに対するEMR(内視鏡的粘膜切除術)という治療を行っています。
【吉利外科部長】夜間の下血や吐血といった消化管出血の緊急内視鏡にも対応しています。消化器内科と外科が協力をして緊急内視鏡を当番制で担当し、オンコールも含めて24時間365日患者さんを可能な限り受け入れることを目標に、力を入れて取り組んでいます。

Q消化器内科と外科が協力して検査や治療を行うのですね。

A

外科部長の吉利賢治先生

【水谷消化器内科部長】消化器内科の手がいっぱいのときは外科の先生に助けていただいています。内視鏡治療では難しい症例の場合は、外科の先生に相談し、患者さんに最適な医療を提供できているよう、お互いに協力して私たちの持つ医療技術を最大限に活用できるように頑張っています。
【吉利外科部長】早期がんには必要に応じてESDを行い、もし完全にがんを取りきれない場合は外科での低侵襲手術を検討し、スムーズに治療が移行できるようにします。内視鏡検査や治療は消化器内科の先生が中心になりますが、外科にも日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が4人在籍し、手術が重なっていないときは内視鏡検査にも柔軟に対応しています。

Q病院で内視鏡検査や治療を受けるメリットは何でしょうか。

A

内視鏡の検査や治療で使用する先進の機器

【吉利外科部長】病院のメリットは入院できることです。いろいろな診療科がそろっているので、合併症をお持ちの方や高齢の人はさまざまな合併症の可能性を考えて病院で検査を受けていただきたいと思います。特に血液をサラサラにするための薬を飲んでいる患者さんへの内視鏡治療は、ある程度高度な技術や出血時の対応が必要になることもあるため、病院の受診を検討していただきたいと思います。
【水谷消化器内科部長】例えば車いすでの移動が必要な患者さんのようにADL(日常生活動作)に制限のある人の場合、より安全な状況で検査を行うためにも、幅広い診療科のそろった病院での受診をお勧めします。

Q貴院の内視鏡センターの特徴を教えてください。

A

天井に陰圧装置が設置された検査室

【吉利外科部長】胃ろうを作る必要のある方に対し、内視鏡による胃ろうの造設や交換を行っているほか、幅広く消化管に関連する検査や治療を行っています。
【水谷消化器内科部長】感染症対策も徹底して行っており、内視鏡室が新しくなる前から内視鏡の機材は逐一消毒して使用し、内視鏡を介して感染が起こることがないように取り組んでいます。また、リニューアルに伴い、新型コロナウイルスをはじめ感染症に罹患した患者さんの緊急内視鏡にも対応できるように陰圧室を併設しました。部屋の中の圧力を陰圧にして外にウイルスが漏れないようにすることで、すべての患者さんに安心して検査を受けていただけるように対応しています。

患者さんへのメッセージ

水谷 勝 消化器内科部長

1994年熊本大学医学部卒業。2003年より現職。専門は消化器内科、消化管の診断学・治療。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。医学博士。

吉利 賢治 外科部長

1991年東海大学医学部卒業。2006年より現職。専門は、消化器外科全般の診断・治療。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。医学博士。

【水谷消化器内科部長】内視鏡に限らず診療の際には、礼節を持って患者さんに接することが医師の使命の1つだと思っています。緊張感している人には鎮静剤を使用するほか、丁寧にお声かけするようにしています。何かお困りのことがあるときはご相談ください。地域の皆さんに少しでもお役に立てる病院となるよう努力してまいります。
【吉利外科部長】苦痛の少ない内視鏡検査・治療はもちろん、手術も腹腔鏡手術など低侵襲治療を選択するなど、患者さんに優しい医療を追求しています。同時に、地域密着の病院の良さであるゆったりとした雰囲気、わかりやすく丁寧な説明、患者さんに優しい医療をめざしていますので、お気軽に受診してください。

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