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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立荏原病院

(東京都 大田区)

芝 祐信 院長

最終更新日:2022/07/13

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都の重点医療と地域医療、双方の充実を図る

多様な診療科を擁し、高度な医療まで提供可能な診療体制で、大田区、品川区、目黒区、世田谷区など周辺地域の医療を支える「東京都立荏原病院」。地域医療支援病院の承認、二次救急医療機関の指定を受け、多くの医療機関や救急隊と連携して、地域住民の健康を守ってきた。2020年1月以来、新型コロナウイルス感染症患者の入院受け入れを行い社会に貢献してきた同院は、2022年4月から一般診療を徐々に再開し、広く一般患者を受け入れる体制となっている。同時期に就任した芝祐信(しば・すけのぶ)院長は「今後は地域の皆さんに必要とされる一般診療を決して止めない覚悟で臨んでいます」と語る。「近隣にお住まいの方、患者さんをご紹介いただく地域の先生方、緊急の患者さんを運ぶ救急隊の皆さんから信頼され、改めて選ばれる病院をめざし、一層の努力を続けていきます」。加えて職員からも選ばれる病院をめざし、キャリア形成や働き方改革も進めたいという芝院長に、同院の特色、これからの診療体制、地域連携のあり方などを詳しく聞いた。(取材日2022年5月19日/情報更新日2022年7月1日)

この病院の特色や現在の診療状況をお聞かせください。

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当院は1898年開設以来、医療で地域に貢献する公的病院で、その位置づけは現在も変わりません。2006年に東京都から東京都保健医療公社に移管され、2009年には地域医療支援病院の承認も受けるなど「医療で地域を支える」という考えのもと、かかりつけ医の先生方と協力して地域医療を充実させてきました。2022年7月から地方独立行政法人化することで、より柔軟な病院運営、診療体制が可能となり、これまで以上に地域に必要な医療が提供できると期待しています。当院は2021年1月に東京都新型コロナウイルス感染症入院重点医療機関に指定されていますが、2022年4月から一般診療も再開し、ご紹介いただいた患者さん、救急車で運ばれてきた患者さんを受け入れています。入院重点医療機関の機能はある程度維持した上で、地域医療に幅広く貢献することが、現在の当院が果たすべき役割と考えています。

診療時に重視されているポイントは何でしょうか?

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一つは、退院は患者さんにとってゴールではなく、ご自宅や施設といった生活の場で暮らしを再開するスタートだという意識を持つことです。医療の進歩により、がんなど治療が難しいとされた病気も、完治はしなくても共存が可能になる一方で、超高齢社会では複数の慢性疾患をお持ちの患者さんも多くなりました。そうした方が最期まで住み慣れた地域で暮らせるよう、私たちは退院後の生活の質まで意識して治療を行う必要があると思っています。また、ここ数年のことでは、受診控えでがん検診を受ける方が減り、がんの早期発見が難しくなるのではないかと懸念しています。これから検診者数が元に戻るにつれ、一時的にがんの発見率が増えた場合も、当院は十分な対応ができる体制を整えています。早期がんの内視鏡治療は経験豊富な中堅医師が担当するほか、がん患者さんにはリハビリテーションで体力の維持・向上、痛みの緩和などを図っていきます。

力を入れている診療分野について教えてください。

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当院では24時間365日対応の救急医療、脳卒中など脳心血管の病気への専門的な治療、がんの集学的な治療を重視しています。救急医療は、救急車による患者さんを可能な限りお引き受けし、対応が難しい症例は適切な医療機関にスムーズに転送するなど、救急隊の信頼に応えるよう努めています。お引き受けできなかったケースは再検討し、次に生かすことを考えています。脳血管の治療は総合脳卒中センターが備える専門病床のSCUも使って、多くの診療科が緊密に連携して迅速に治療します。血栓溶解療法やカテーテルによる血栓回収療法に加えて、早期からのリハビリテーションによる回復支援、在宅復帰後の再発予防まで総合的に対応できるのが強みです。がん医療は、5大がんを中心に、手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法を適切に組み合わせる集学的治療に加え、緩和ケア提供体制も強化し、専用病棟を含めた包括的がん医療をめざしています。

さらに重要になる地域連携には、どのように取り組まれますか?

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当院には連携医登録制度があり、登録いただいた地域の先生方から患者さんのご紹介を受け、当院での治療後は先生方に診ていただく連携を図っています。そうした先生方には、当院の各診療科の強みも弱みも丁寧にお伝えするなど、当院を納得して選んでいただけるよう情報提供を行っています。さらに、ご紹介いただいた際は患者さんの病状やその後の処置を早めにご報告し、当院から別の医療機関に転院される場合のご連絡も徹底して、今まで以上に連携を深めることも必要でしょう。当院に紹介いただく窓口は患者・地域サポートセンターですが、必要な場合は当院の該当分野の医師とダイレクトに電話で話せる仕組みにして、地域の先生方が患者さんを安心して紹介いただける地域連携の実現をめざしています。また、当院の地域包括ケア病棟では、在宅療養に移行するための十分なリハビリテーションや、在宅の患者さんの一時入院などにご利用いただければと思っています。

地域にお住まいの方にメッセージをお願いします。

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当院が新型コロナウイルス感染症の治療に注力していた2年数ヵ月の間、地域の皆さんにはたいへんなご不便、ご不安をおかけしました。2022年4月からは並行して一般診療を行う体制となり、医師もスタッフも地域医療の再開に大いに期待しています。これからは、以前にも増して患者さん、地域の先生方、救急隊の皆さんに選んでいただける病院を目標に、診療体制の充実を図っていきます。さらに、当院での出産を希望されるご家族のために、痛みをなるべく抑えた分娩ができる体制も整える予定です。当院がめざすのは医療者が考える適切な診療だけでなく、患者さんの意向を大切にした「ご本人が考える“患者さん優先”の医療」です。一人ひとりの生活の質まで考慮し、この地域に住んでよかったと思っていただける病院をめざしていますので、かかりつけ医の先生方からのご紹介先として、ぜひ選んでいただければと思います。

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芝 祐信 院長

1987年東京慈恵会医科大学卒。武蔵野赤十字病院で研修後、東京都立府中病院にて東京ER・府中の立ち上げに従事。同院内科部長、東京都立多摩総合医療センター内科部長を経て2022年より現職。専門分野は包括的がん医療。「がんになったとき患者と家族が仕事も生活も自分らしく両立することを支える緩和ケア」がモットー。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本救急医学会救急科専門医。

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