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公益財団法人 河野臨牀医学研究所 附属 品川リハビリテーション病院

(東京都 品川区)

渡辺 寛 院長

最終更新日:2023/01/04

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リハビリテーションを軸に医療・介護を連携

JR山手線・大崎駅が最寄りの「品川リハビリテーション病院」は、同院を持つ公益財団法人が開設した介護老人保健施設「ソピア御殿山」、および品川区立大崎図書館と同じ建物の中にある。この複合施設は「品川リハビリテーションパーク」と総称され、構想から携わった渡辺寛院長は「病気の方、健康な方を問わず、さまざまな人が集う公園のような場をめざしています」と話す。同院の診療スペースと関連スペースは1階、5〜8階にあり、回復期リハビリテーション病棟、医療型療養病棟を開設。急性期の治療を終えた患者を在宅での生活へとつなぐリハビリテーション、在宅療養中の患者を必要に応じて受け入れる入院療養などで、地域の医療・介護の充実を図る。渡辺院長は「ソピア御殿山」の施設長も務め、「当法人内での医療・介護の連携を深めるのはもちろん、今後は地域の医療・介護サービスとさらにシームレスに連携し、例えば高齢でも体と脳の機能を維持するといった健康づくりにも取り組みたいですね」と話す。同院のリハビリテーションの特徴や地域医療に対する思いなどを、渡辺院長に聞いた。(取材日2022年10月11日)

病院の成り立ちや地域での役割をご紹介ください。

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当院は公益財団法人河野臨牀医学研究所が持つ医療・介護施設の一つで、回復期リハビリテーション病棟84床、医療型療養病棟46床を設け、回復期と療養期の患者さんを対象に、質の高い医療の提供をめざしています。ほかに急性期を担う「第三北品川病院」、当院と同じ建物に入る介護老人保健施設「ソピア御殿山」などがあり、近隣の医療施設・介護サービスとも密接に連携しながら、急性期から回復期、長期療養までを完結させ、住み慣れた場所で長く暮らせる地域づくりを進めたいと考えています。もともと当院は北品川で診療していましたが、品川区と締結した協定に基づき、2018年に現在の品川区立大崎図書館を含む複合施設「品川リハビリテーションパーク」内に新築移転しました。施設全体は病気や障害のある方、健康な方など、さまざまな人が集う「インクルーシブな交流の場」として、施設運営や建築デザインの面からも評価されています。

どのようなリハビリテーションをめざしていますか?

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病院名にもなっているリハビリテーションは、ラテン語の「再び人間らしく生きる」という言葉が語源とされます。私たちも生活機能の回復および維持を通じて、患者さんとご家族がより良く生きるためのお手伝いをしたいと考えています。そのために、当院ではリハビリテーション専門の医師、看護師、高い専門性を持つ各セラピスト、管理栄養士、ソーシャルワーカー、薬剤師などによるチーム医療で、各自がプロとして患者さんとご家族に寄り添う意識で対応します。さらにスタッフをフロアごとの担当として連携を強化し、より質の高い医療の提供をめざしています。このほか、脳卒中後のリハビリテーションについては大学との共同研究で先端技術を用いるなど、治療の選択肢を広げる試みにも積極的です。また、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションにより、退院後や在宅療養中の患者さんの機能回復・維持についてもフォローし、地域全体に貢献していきます。

こちらのリハビリテーションの特徴を教えてください。

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回復期病棟も療養病棟も、患者さんが退院された後の生活を考えたリハビリテーションをご提供しています。回復期では基本的な身体機能の回復訓練に加え、退院後に必要な能力の回復・獲得にも力を入れています。例えば、キッチンやお風呂、トイレ、ベッドなどを置いた在宅生活訓練室を使って、自宅での生活に近い環境で調理や入浴の練習のほか、内外での歩行訓練も行います。手すりの設置など室内環境の改善で生活しやすさを高める体験もできますし、さまざまな福祉用具も試用して、ご自宅でどうすれば生活しやすいかをイメージしていただきます。療養病棟では、回復期リハビリテーション病棟では対応が難しい症状、重症度が高い患者さんなども受け入れます。以前と同様の暮らしに戻ることが難しい場合でも、ご家族と車いすで外出できるよう回復を支援するなど、新たな生き方やご家族との絆を“つなぐ”視点を大切にしたリハビリテーションをご提供しています。

医療と介護の地域連携への取り組みをお聞かせください。

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現在の医療・介護体制は、急性期の病院から回復期の病棟へ、退院後は在宅医療や在宅介護のサービスへと、患者さんの病状によって利用いただく仕組みが変わり、前後の情報共有が非常に重要になっています。当院では入院時は、同法人の第三北品川病院をはじめ急性期の病院と定期的に連絡をとるなど密接に連携しており、受け入れは非常にスムーズです。退院時は地域包括室を中心に患者さんやご家族からの相談に幅広く応じるほか、受け入れ先とも十分に情報を共有しています。しかも私は同じ建物に入る「ソピア御殿山」の施設長も務めているため、当院とのシームレスな連携が期待できます。一方、ご自宅に戻られる患者さんには、必要に応じて訪問リハビリテーションもご提供しています。退院後の一定期間は入院時に対応したスタッフが訪問リハビリテーションを継続担当するなど、院内との連携で、安定した療養生活を早く送っていただけるよう配慮しています。

最後に地域の方々にメッセージをお願いします。

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私自身は脳神経外科の医師として、救命救急センターも含む急性期医療でキャリアを積んだ後、当法人では、手術後の機能回復・維持を目的としたリハビリテーションで、ご自宅での生活に戻られるまでのお手伝いをしています。今後は地域との連携、医療・介護の連携を強め、図書館では地域の皆さんの興味や年齢に応じた健康関連情報の書籍を置いたり、高齢でも体と脳の機能を維持するための指導をしたりと、地域の健康づくりにも取り組みたいですね。さらに、患者さんが当院と地域での生活をシームレスに行き来できるような体制にも力を入れていきます。当院に入院される患者さんは、急性期の治療後の転院先として来られる方や、地域のかかりつけの先生に入院を勧められて来られる方がほとんどです。そうしたタイミングで当院をお選びいただくことで、より多くの方に回復期・療養期の充実したリハビリテーションをご提供できればと思っています。

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渡辺 寛 院長

1989年日本大学医学部卒業。同大学病院の脳神経外科や救命救急センターで研鑽を積み、1992年に第三北品川病院に非常勤で入職。主に脳神経外科手術や術後管理に従事。1997年より常勤となり、療養病棟で患者管理やリハビリテーションにも携わる。2012年より現職。現在は同法人の介護老人保健施設の施設長も務める。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。

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