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公益財団法人 河野臨牀医学研究所 品川リハビリテーション病院

(東京都 品川区)

渡辺 寛 病院長

最終更新日:2026/04/06

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多職種が協力し、より理想的な在宅復帰を

公益財団法人河野臨牀医学研究所が持つ病院の一つである「品川リハビリテーション病院」は、回復期リハビリテーション病棟84床と医療型療養病棟46床を運用し、回復期と維持期の患者を対象に質の高い医療の提供をめざしている。法人内には、「第三北品川病院」や、同院と同じ建物に入る介護老人保健施設などがあり、近隣の医療機関や介護サービスとも密接に連携しながら、急性期から回復期、在宅療養までをサポート。地域の患者が住み慣れた場所で長く暮らせる地域づくりを進めている。回復期の先進的なリハビリのほか、パーキンソン病に対する先進的なリハビリやポストポリオ症候群への対応など、多職種が協力し幅広い医療を提供。災害時には介護に強い災害医療を発揮できるように備えている。そこで、同院のリハビリの特徴や地域医療で果たす役割、災害への取り組みなどを渡辺寛病院長に聞いた。(取材日2025年9月17日)

この病院のリハビリの特徴を教えてください。

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回復期リハビリテーション病棟では、基本的な身体機能の回復訓練に加え、退院後に必要な能力の回復や獲得にも力を入れています。例えば、キッチンやお風呂、トイレ、ベッドなどを置いた在宅生活訓練室を使って、自宅での生活に近い環境での調理や入浴の練習のほか、内外での歩行訓練も行います。また、手すりの設置など室内環境の改善で生活しやすさを高める体験もできますし、さまざまな福祉用具も試用して、自宅でどうすれば生活しやすいかをイメージして訓練を受けていただくことが可能です。療養病棟では、回復期リハビリテーション病棟では対応が難しい重症度が高い患者さんなどを受け入れています。以前と同様の暮らしに戻ることが難しい場合でも、ご家族と車いすで外出できるようになることをめざすなど、新たな生き方やご家族との絆をつなぐ視点を大切にしています。また、必要に応じて介護老人保健施設や訪問看護ステーションとも連携しています。

先進的なリハビリにも取り組んでいると伺いました。

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仮想現実(VR)やプロジェクションマッピング、ドライビングシミュレーター、磁気刺激装置などを取り入れたリハビリにも力を入れています。VRやプロジェクションマッピングは、ゲーム感覚で取り組みながら身体機能の回復がめざせます。また、パーキンソン病に対する専門的なリハビリプログラムも始めました。アメリカで開発されたパーキンソン病に対する専門的なリハビリプログラムを学んだセラピストも在籍し、2種類の専門プログラムを実施。4週間または2週間の入院と2週間の外来通院を組み合わせ、集中的な運動療法や発声練習など強度の高いリハビリを実施しています。定期的なリハビリで、低下してきた身体機能の底上げを図ることで、できるだけ長く自宅などの生活の場で不自由が少なく生活が送れるよう努めています。また、ポストポリオ症候群の患者さんへの対応も行っています。

医療と介護の連携にはどのように取り組んでいますか。

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急性期病院での治療が終わったら回復期の病院に転院し、退院後は自宅や施設での療養となりますが、患者さんの状況で利用するサービスが変わるため、前後の情報共有が非常に重要です。当院では、スムーズな在宅復帰をめざす中で、同じ建物内にある介護老人保健施設との連携に特に注力していますが、診療部とケースワーカーが互いに持つ情報を共有し有機的に話し合うことで、今まで以上にうまく連携できるようになったと感じています。患者さんを受け入れる際には、事前情報をもとに、各職種が実際の患者さんの状態を確認させていただいた上で初回カンファレンスを実施し、2〜3週間のリハビリを終えたとき、その方が将来、ここを卒業するときにどんなイメージかをご家族に報告。介護老人保健施設というオプションの紹介も含めて、患者さんにとって最もふさわしい在宅復帰への道をご家族に説明することで、ご本人にとってより理想的な方向を共有しています。

災害医療についても注力されているとそうですね。

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当院は、災害時の病院前救護所でもあります。9月には医師会の先生たちと避難所設置訓練を行いました。医師会との連携を緊密に、震災時や水害に対する備えとして、昨年から毎月訓練を実施してブラッシュアップを続けています。災害時の医療というと、救命救急センターでの救急医療のイメージがあるかもしれませんが、今後災害が起きたとき、負傷者の次に優先されるのは災害時の要配慮者、つまり高齢者や透析患者さんなど、何かの助けがないとうまく生きていけない方々です。当院では、こういった方々の災害関連死を防ぐため、発災直後への取り組みも始めています。また、1階のスペースが福祉避難所として使用できますので、リハビリ病院の強みを生かして、介護に強い避難所になれるように、独自の施策も始めています。

最後に、地域へのメッセージをお願いします。

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私たちは、医学的に質の高いリハビリの提供はもちろんホスピタリティーも大切にすることで、地域から信頼される病院になることをめざしています。大きなケガや病気は回復に時間がかかり、以前は、例えば脳が損傷を受けたらもう治らないといわれていました。しかし医学が進歩した今、少しでも良くなるためのメソッドを学問として追究できるようになりました。私たちは、リハビリ病院が患者さんを預かる場ではなく、在宅復帰のための治療を行う場となるよう、日々、先進的なリハビリを研究し実践しています。リハビリは機能が失われた状態からのスタートになり、急性期病院とは違った姿勢が必要になりますが、当院にはそういった患者さんへの対応スキルの高い職員がそろっています。リハビリ病院ってどんなところだろうと思われら、図書館を利用される際にぜひ、気軽に、1階の受付に立ち寄っていただければと思います。

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渡辺 寛 病院長

1989年日本大学医学部卒業。同大学病院脳神経外科、救命救急センター勤務などを経て、1992年より第三北品川病院に非常勤で勤務し、主に脳神経外科手術や術後管理に従事。1997年より常勤医師として、療養病棟での患者管理やリハビリを担当。2012年より現職。法人内の介護老人保健施設の施設長も兼任する。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。

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