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社会医療法人協和会 加納総合病院

(大阪府 大阪市北区)

加納 繁照 理事長

最終更新日:2020/11/25

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急性期から慢性期まで地域住民を支える病院

1953年に前身の「加納病院」が開院してから60年以上にわたり、大阪市北区の二次救急医療機関として地域に貢献し続ける「加納総合病院」。24時間365日対応の医療体制を整え、入院や手術が必要な患者の受け入れも積極的に行うほか、急性期から慢性期まで患者の状態にあわせてオールラウンドに治療を行うケアミックス型の病院として、患者のさまざまなニーズに応え続けてきた。わが国が抱える医療問題や医療のあるべき姿にも目を向け、地域に密着した医療を追求し続ける加納繁照理事長に話を聞いた。
(取材日2019年10月1日)

まずは、貴院の特徴についてお聞かせください。

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当院はケアミックス型の総合病院として、急性期医療から回復期のリハビリテーション、慢性期の療養型医療まで、病期に応じた医療を提供している点が大きな特徴です。300病床のうち、急性期・回復期・慢性期の割合は、およそ「3:2:1」で、この数字はケアミックス型の民間病院において、地域の需要に対し適切な医療が供給できるバランスの取れた割合であると感じています。機能別に分担したほうが効率的だという意見もありますが、患者さんにしてみたら一度入院したら同じ病院で、ご自宅に戻れるようになるまで診てもらいたいですよね。また、当院には理学療法士などリハビリテーションを担当するスタッフが100人近く在籍し、急性期を脱した後も、シームレスにリハビリを受けていただけます。そのような一貫した医療が、病気の予後に良い影響を与えるだけでなく、患者さんの大きな安心にもつながっていると感じています。

二次救急医療機関として、同院が担う役割をお聞かせください。

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今後ますます民間病院に求められるのが二次救急医療の充実、中でも高齢者の救急です。当院は24時間365日の救急医療体制を整え、多くの救急患者を受け入れており、高齢化に伴って増加している脳卒中や骨折への対応には特に力を入れています。超急性期の脳卒中では専門医師を常駐させて、発症から4時間半以内に投与することで後遺症の軽減をめざすt-PA療法(血栓溶解療法)やカテーテルを用いた血管内治療など、迅速かつ専門性の高い治療に取り組んでいます。高齢者に多い転倒や転落による骨折に対する整形外科の緊急手術や、消化管出血に対する内視鏡治療にも常時即応できるよう医療体制を整え、「町の中の救急病院」として、どんな形でも対応できるようにしています。専門性の高い医療を提供しつつ、民間病院ならではの小回りの良さを生かし、迅速に地域のニーズに対応できることが、大規模病院にはない強みだと思っています。

地域医療連携においても、中心的な役割を果たしておられますね。

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超高齢社会となり、今後さらに在宅医療の必要性が高まってきます。退院してご自宅に戻られた後も、患者さんが安心して療養生活が送られるように、地域の病院やクリニック、医師会の先生方と連携を密にして、地域包括ケアシステムの構築に努めてきました。院内に設けられた地域連携室には医療相談担当者が常駐し、患者さんとその家族の悩みや不安に耳を傾け、必要に応じた医療が受けられるようにアドバイスや支援をしています。また効率よく医療を提供できるようにするため、患者さんのデータを地域の医療機関と共有できる仕組みを整え、ネットワーク型の医療連携を推進しています。在宅医療は1人の先生が高い志を持って頑張っても、実現するのが難しいものです。当院が中心となって後方支援を行うことで、地域の先生が安心して在宅医療に専念できる環境にしていきたいと考えています。

理事長は幅広く活動されていらっしゃるそうですね。

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日本の医療機関は公的病院が約2割、医療法人と呼ばれる民間の医療機関が約8割を占めています。実はこうした民間中心の医療体制は世界でも珍しく、日本が効率的な医療サービスを提供できるようになれたのも、医療法人が地域医療を支えてきた結果と言えます。現在は、日本医療法人協会をはじめ、さまざまな活動を行っています。医療制度のあり方、税制や法整備の要望・改善などを行政に訴え続け、また災害時医療を充実させるなど、地域の病院やクリニックがより良い医療を安心して提供できるようにしていくことが私の役目だと考えています。病院以外の活動で私が忙しくしていることは、スタッフみんなが理解してくれており、全国の医療機関の模範となるように全員が頑張ってくれています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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「人生100年時代」と言われるように、多くの人が長生きできる時代になりました。ですが85歳以上になると、入退院を繰り返すケースはどうしても増えてきます。発病、治療、リハビリテーションを経て、社会復帰を果たし、また具合が悪くなり治療が必要となれば、手厚い医療を受けて、ご自宅にお帰りになる。これを私は“輪廻転「床」”と呼んでいるのですが、そのような繰り返しの中で患者さんがお亡くなりになるその時まで、いかに幸せに生きて、天寿をまっとうしていただくことが、われわれの義務だと考えています。今後しばらくは高齢者の増加、医療費削減という問題をいかに乗り越えるかが大きな課題となりますが、その先は人口減少とともに医療需要は2030年を境に減っていくことが予想されます。そうした時代の変化を見据えながら、常に地域の患者さんが求める医療を良い形で実践していきたいと考えています。

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加納 繁照 理事長

1980年順天堂大学卒業後、京都大学医学部附属病院消化器外科に入局。神戸海星病院、大阪赤十字病院で研鑽を積み、大阪大学医学部附属病院のがん研究施設にて研究に従事。1999年に特定医療法人協和会(現・社会医療法人協和会)、社会福祉法人大協会の理事長にそれぞれ就任。日本医療法人協会会長、全日本病院協会常任理事などを務め、医療法人制度の構造改革や災害時の医療支援チーム発足にも尽力。

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