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独立行政法人国立病院機構 神戸医療センター

(兵庫県 神戸市須磨区)

味木 徹夫 院長

最終更新日:2023/07/04

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急性期医療を軸に、地域医療に幅広く貢献

須磨区・垂水区エリアを中心に急性期医療を担う「独立行政法人国立病院機構 神戸医療センター」。1918年にその前身となる神戸屯田療養所が開設されて以来、地域に根差す中核病院として質の高い医療を追求してきた。同院がめざすのは「すべての人の立場に立った医療サービスの提供」。独立行政法人国立病院機構の一員として公益性を保ちながら、地域医療支援病院として病診連携を進め、患者に安心してもらえるような医療体制づくりに尽力している。また、総合的ながん治療に対応するほか、地域の周産期医療を担い、整形外科の脊椎疾患治療では難症例の患者を全国から受け入れている。「患者さんの幅広いニーズに応えるために、今後はさらに地域連携に注力し、職員一丸となって医療貢献していきたい」と熱く展望を語る味木徹夫院長に、同病院の特徴や注力する取り組みなどについて話を聞いた。(取材日2021年10月26日/情報更新日2023年6月12日)

病院の成り立ちと地域における位置づけについてお話しください。

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当病院は1918年に神戸屯田療養所として開設され、そもそもは国立の結核療養のための施設として機能していたことに端を発します。以前は今ある場所より南にあり、名谷の町開きをきっかけに移転して1981年に国立神戸病院となり、2004年から独立行政法人化し、国立病院機構神戸医療センターとなりました。100年以上の歴史がある当病院において、公共性・公益性を基本として地域住民の健康を支えるという理念には変わりがありません。主に須磨区、垂水区、西区の住民を支え、地域医療支援病院として地域の病院やクリニックとの連携を図るとともに、304床の病床と30の診療科を有し幅広い疾患に対応しています。1987年からは二次救急の受け入れも行い、救急科外来患者数や時間外救急車搬入件数は新型コロナウイルス流行時を除き年々増加傾向となっています。医師のほとんどが常勤医師であり、夜間診療や緊急手術にも積極的に対応しています。

貴院の診療の特色と特に力を入れている診療分野は何でしょうか?

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当院ではさまざまながん治療に注力し、手術・放射線治療・抗がん剤治療とバランスの取れたがん治療を提供しています。消化器外科では、インフォームドコンセントを徹底し、患者さんごとに過不足のない技術の提供に努めるとともに、内科やコメディカルとの連携を高めた術前術後のケアを行っています。また、整形外科では脊椎治療の先駆け的存在として長年貢献してきました。特に側湾症など脊柱変形疾患では全国から患者さんを受け入れています。前院長の宇野耕吉先生に引き続きご指導をいただきながら、脊髄モニタリング、自己血回収、ナビゲーションシステムを用いた専門性の高い治療を提供するほか、神戸大学医学部附属病院や兵庫県立こども病院と連携して手術提供を行っています。また、外傷、骨折、股や膝の人工関節手術、リウマチ治療も積極的に実施し、急性から慢性疾患のQOL向上まで地域医療に力を注いでいます。

周産期医療や乳腺外科にも注力されていますね。

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少子化により小児科や産科を撤退する病院が増えてきています。ですが、地域に貢献することこそがわれわれの役割。当院では須磨区・垂水区エリアの周産期医療を担い、常勤医師が小児科の診療を実施しています。クリニックで担うことが困難な夜間診療やハイリスク出産に対応し、産科・小児科医療の「最後の砦」として尽力しています。また、今後は新たに麻酔科と連携した無痛分娩の提供のスタートも考えています。乳腺外科においても、女性患者さんが受診しやすい環境を整えており、女性医師を配置しています。乳がんの抗がん剤治療や放射線治療にも積極的に取り組んでいます。乳がんのみならず乳腺炎の治療も当院の特長の一つです。治療時に起こるさまざまな不安に対して、看護師、ケースワーカー、心理カウンセラーなどと連携して治療にあたっています。

地域における連携では、どのような取り組みを行っていますか?

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年1回の地域医療連携協議会の開催や、地域医師会と協力した連携制度や紹介・逆紹介システムを行い、患者さんが安心して医療を受けられるよう努めています。クリニックの先生方の要望では、いざという時の医療充実を求める声が大きいことから、当病院でもMRI、CT、RI検査器、放射線治療装置、内視鏡など先進の機器や装置を備えています。2021年には高画質の血管造影装置を導入し、CT装置を2台体制にするなど、より良い医療体制づくりに尽力しています。今後は勉強会や診療情報の共有も徐々に再開していく予定です。また、循環器内科では、多職種が協力してハートチームとして質の高い医療の提供をめざしており、内科でも、バルーンによる動脈拡張や金属ステントの留置など、外科的要素を含む治療を積極的に実施しています。地域完結型医療の実現をめざし、さらなる医療支援と連携強化に取り組んでいきたいと考えています。

今後の展望と地域住民の方へメッセージをお願いします。

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私がこちらに赴任した際の第一印象は、職員の地域住民の健康に寄与したいという意識の高さと、その意識に見合う高い目標をめざしているところでした。当院では中規模病院の特徴を生かして小回りが利く医療を展開しています。医師が通常使う部屋はあえて診療科ごとに用意せずフリースペース制を設けており、さまざまな診療科の医師が同じ部屋にいることでコミュニケーションが取りやすく、普段の診療にも生かされていると感じます。日頃から接遇や親身な術前術後のケアなどにも力を注いでいますが、さらに患者さんの満足度を高めるには、職員の満足度を高めることも重要です。今後は働き方改革や組織改善を実施し、患者さんにより良い医療として還元できるよう努めていきたいと思っています。また、近く広報誌をリニューアル予定です。これからも地域の方々の身近な存在として、柔軟にニーズに対応しながら、この地で変わらぬ医療を提供していきたいと思います。

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味木 徹夫 院長

1988年神戸大学卒業後、同大学医学部附属病院で勤務。1995年には神戸医療センター勤務。その後、再び神戸大学医学部附属病院にて勤務した後、2017年神戸大学国際がん医療・研究センター・センター長就任。2023年4月より現職。専門は消化器外科の肝胆膵がん。「医療は人助け」をモットーに、患者にとって最善な治療をめざし、長年にわたり医療安全管理にも携わる。日本消化器外科学会消化器外科専門医。

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