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独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院

(愛知県 名古屋市南区)

加田 賢治 院長

最終更新日:2026/10/23

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地域に根差しながら、より高度な医療を

1947年の開設以来、名古屋市南部の基幹病院として高度急性期医療を担う「中京病院」。多くの診療科を有し、幅広い診療を実践しながら、腎移植や小児の心臓手術、重症熱傷治療など、高い専門性を誇る医療を提供している。2026年1月には、救急の外来や救命病棟、集中治療室(ICU)、手術室などの急性期診療機能を集約した東棟が完成。さらに同年6月には患者支援センターを開設し、既存施設の整備も進めるなど、救急医療、がん診療、高度先進医療、地域医療、災害医療を支える病院全体の機能強化を進めている。「新棟は、副院長時代に建築プロジェクトの責任者として携わってきた非常に思い入れのある施設です。完成を迎え、感慨深いものがあります」と語るのは、2026年4月に院長へ就任した加田賢治院長。新棟の充実した設備を最大限に生かし、「断らない救急」の実現や質の高い先進医療、安心して療養できる環境づくりを推進している。「中京病院の理念のもと、地域の住民の方々や医療関係者の皆さまから信頼される病院であり続けたい」と語る加田院長に、新棟の特徴や思い、今後の展望について詳しく話を聞いた。(取材日2026年6月23日)

御院の成り立ちや特徴をお聞かせください。

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当院は、戦後間もない1947年に社会保険庁の医療施設として開設されました。それ以来、名古屋市南部の基幹病院として、地域の皆さまに幅広い高度急性期医療を提供する中核病院へと発展を遂げてまいりました。現在は病床数580床を備え、救命救急センターや地域医療支援病院、地域災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院などの指定を受ける地域の中核拠点病院としての役割を担っています。当院の大きな強みは、地域に根差しながらも、先進的な医療実績を有している点です。特に重症熱傷治療や腎移植、小児の心臓手術などは、全国的にも先進的な診療体制を築いてきました。また、脳神経外科では、国の指定難病である「もやもや病」の診療体制も着実に整いつつあります。多彩な診療科がそれぞれ強みを発揮し、例えば眼科では多くの手術症例を重ね、腎臓内科では地域の医療機関と強い連携体制を築くなど、各科が専門性を生かして日々の診療にあたっています。

2026年に新棟が完成しましたが、こだわりを教えてください。

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新棟で最も重視したのは、高度救急医療をより迅速かつ安全に提供できる環境づくりです。救急の外来には5つの初療室を設け、その隣にはCTやMRIを配置し、搬送後すぐに検査を行える体制を整えました。また、救急の外来からICU、手術室へとつながる動線も大幅に見直しています。専用エレベーターを中心に患者さんの移動距離を最小限に抑える構造は、迅速な診断・治療だけでなく、医療安全の向上やスタッフの負担軽減にもつながる大きな強みです。併せてICUの増床や手術室機能の強化、ハイブリッド手術室の新設を行い、高度医療に対応できる体制を充実させました。さらに、南海トラフ地震による津波を想定し、救急の外来を2階に配置するとともに、スロープを通って救急車が直接乗り入れられる災害時を見据えた設計も取り入れています。現在は既存棟の改修も実施しており、がん診療や災害医療を支える病院全体の機能強化を進めているところです。

強化された救急医療の体制についてもお聞かせください。

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当院は「断らない救急」を基本方針に掲げ、私が2026年4月に院長に就任後、さらなる体制強化を進めています。受け入れは名古屋市南部や知多半島を中心に行っており、重症熱傷治療では、三重県や岐阜県など県外からもドクターヘリで患者さんが搬送されるなど、広域の高度救急医療を担っています。その背景には、これまで培ってきた診療実績に加え、約10人の救急科の医師が常勤で在籍し、重症外傷にも対応できる充実した診療体制が整ったことがあります。また、運用面も見直しました。以前は専門の医師が手術中であることなどを理由に受け入れを見送るケースもありましたが、まずは患者さんを受け入れて診断し、最適な治療につなげる体制へと転換。当院での対応が難しい場合も、近隣の医療機関と連携し適切な医療につなぐことで、患者さんや救急隊の不安や負担を少しでも減らし、誰もが安心して救急医療を受けられる環境づくりに取り組んでいます。

新設した「患者支援センター」の役割も教えてください。

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2026年6月に開設した患者支援センターは、入院前から退院後まで切れ目なく患者さんを支える窓口です。従来は分散していた入院前支援や患者相談、地域連携の機能を1ヵ所に集約し、よりわかりやすく利用しやすい体制へと整えました。相談室も増設し、プライバシーに配慮した環境で、待ち時間を少なくしながら安心してご相談いただけます。入院前には既往歴や服薬状況などを確認し、入院後の診療をスムーズに進めるとともに、患者さんの入院生活への不安軽減にもつなげています。今後は薬剤師も配置して、支援体制をさらに充実させる予定です。センターには看護師や医療ソーシャルワーカーが在籍し、多職種が連携して患者さんを支えています。退院後の生活についても、回復期病院への転院や在宅医療、訪問看護など、お一人お一人の状況に応じた選択肢を一緒に考え、患者さんとご家族が安心して療養生活を送れるよう包括的に支援できればと思います。

今後、さらにどのようなことに注力していきたいとお考えですか?

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当院の理念「患者さんの心に寄り添い、安全で質の高い医療を提供する」を、より高い次元で実現していきたいと考えます。そのために、まずは働きやすい職場環境の整備が重要です。職員が笑顔で働くことができてこそ、質の高い医療を提供できます。業務運用の最適化を進め、多職種が互いを尊重し、自由に意見を交わせる全員参加型のチーム医療を発展させていければと思います。また、当院の強みである重症熱傷治療に加え、専門医療のさらなる充実にも取り組みます。その一つが「成人先天性心疾患(ACHD)の移行医療」です。成人を迎えた先天性心疾患の患者さんが適切な医療を継続して受けられるよう、これを専門に扱う外来の充実を図り、広域からのニーズにも応えられる体制を整えていきます。今後、地域医療構想が進む中、地域の医療機関とこれまで以上に深く連携し、地域の住民の皆さまに最適な医療を提供できる体制の実現に向けて努めてまいります。

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加田 賢治 院長

1988年名古屋大学医学部卒業。中京病院で臨床研修を受けた後、循環器内科の医師として研鑽を積む。大学での研究や他病院での勤務を経て2002年に中京病院へ再赴任。2005年より循環器内科部長としてカテーテル治療や循環器病センターの開設を推進した。2017年副院長就任。医療連携や病院経営に携わり、2026年より現職。

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