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独立行政法人国立病院機構 長良医療センター

(岐阜県 岐阜市)

松久 卓 病院長

最終更新日:2022/06/07

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培った専門性を強みに患者の人生を支える

岐阜の象徴的な風景といえる、金華山と岐阜城を望む、長良川からほど近い立地に「独立行政法人国立病院機構 長良医療センター」はある。国立療養所長良病院と国立療養所岐阜病院が統合し開設された同院は、「生命を育み、未来を大切に」を理念に、岐阜市はもとより、県内外に暮らす患者の健康的な生活を支えている。前身の2つの病院の特色を色濃く継承する同院では、小児科・小児外科および呼吸器内科・外科の専門的な診療、重症心身障がい者医療などに力を注ぎ、近年は新型コロナウイルス感染症の診療にも積極的に応じている。以前は、分娩を含めた周産期医療が同院の診療の柱の一つとされていたが、産科の医療資源の集約・重点化の推進を受け2021年に分娩対応を終了。病院長である松久卓先生は「今後は高齢多死化社会を迎えた現代に求められる医療を提供したい」と語る。2022年秋には緩和ケア病棟の開設を予定するなど、新たな一歩を踏み出す準備を着々と進める同院の、歴史や強み、理念や展望について、松久病院長に話を聞いた。
(取材日2022年4月28日)

貴院のこれまでの歩みをお聞かせください。

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1927年開設の長良病院と1939年開設の岐阜病院という2つの国立病院が2005年に統合し、現体制となりました。前身から数えると、100年近い歴史を有する病院といえます。長良病院では主に、小児科・小児外科、重症心身障がい児などを診療。対して岐阜病院は肺や循環器といった胸部疾患、結核の診療が専門でした。異なる専門領域を有する2つの病院が一つとなり、現在に至るまで双方の強みを診療の柱に据え、地域医療に貢献してきました。近年は、国立病院機構の方針に則り、新型コロナウイルス感染症患者の診療にも力を注いでいます。2020年2月に起きた、大型クルーズ船での新型コロナウイルス感染拡大に際しては当院でも患者を受け入れ、治療を行いました。現在も積極的に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるほか、高齢者向け施設に当院の医師や看護師が出向き、感染予防対策やゾーニングを指導するといった取り組みも展開しています。

現在、貴院の柱となる診療について教えてください。

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呼吸器疾患、小児疾患、重症心身障がい児医療といった、前身から強みとしてきた領域を柱としてきました。これら3つの柱に加えて、妊娠期から分娩、新生児期をサポートする周産期医療にも注力し、4本柱として診療を行ってきました。呼吸器外科の診療では、京都大学医学部から3人の医師を常勤医師として招き、胸腔鏡を用いた低侵襲手術にも対応。小児科では、てんかんなどの小児神経疾患やアレルギー疾患に加え、近年相談数の多い発達障害に関する診療にも力を入れています。地域の開業医の先生方からの紹介も多く、地域からの信頼も厚いと自負しております。一方で、地域における医療資源の集約化が推し進められた影響から、2020年に分娩については受け入れを終了することに。長年、診療の柱となっていた分娩から撤退することは当院としても大きな転換点でした。そして現在、新たな診療の柱に据えるべく、高齢者医療の充実を図っているところです。

高齢者医療の充実に向けてどんな取り組みを進めているのですか?

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現在、緩和ケア病棟18床を2022年秋に開設する計画が進行しています。全室個室で、部屋の広さや設備は患者さんのニーズに十分にお応えできるようバリエーションをもたせる予定です。病気の苦しみや、死の恐怖に直面する患者さんの心身の苦痛を軽減し、本人もご家族も、残された時間をゆったりと穏やかにお過ごしいただけるような、「人生の最後を支えるための医療」を提供したいと考えています。緩和ケアに本格的に取り組み始める上で、長年当院が育んできた医療者としての経験、ノウハウが生かされてくると確信しています。というのも、当院の診療の柱の一つである重症心身障がい者・障がい児に対する医療も、「人生を支える医療」の一つと言えるからです。重症心身障がいのある方の中には、当院を暮らしの拠点とする人もいらっしゃいます。職員には、患者さんの暮らしを支える立場として培った経験を十分に発揮してもらいたいです。

病診・病病連携体制の構築も非常に重要とお見受けします。

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現在、100人以上の地域の開業医の方々が、当院の登録医となっており、紹介・逆紹介もスムーズに行える体制が整っています。登録医の中には在宅医療に対応する医師もおられるため、退院後在宅医療を希望する患者さんにも、安心していただけるかと思います。また、地域連携室では、入退院をサポートする看護師や、メディカルソーシャルワーカーが患者さんをサポートしています。近年は新型コロナウイルス感染症の医療体制を整えることが最優先となっている関係で、結核患者を受け入れられる医療機関が減少傾向にあります。当院には、結核の患者さんで高山など県北エリアから治療を受けに来られる患者さんがいらっしゃいます。病気に苦しむ人を取りこぼさないよう、地域の病院が連携しそれぞれ互いの強みを十分に発揮した医療を実現し、地域全体の医療の質を高めていけるよう力を尽くしています。

今後の目標、地域医療にかける思いをお聞かせください。

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まずは新たな柱となる高齢者医療の基盤を整えていきたいと考えています。回復期リハビリテーションなど、必要とされる高齢者医療はさまざまありますから。緩和ケアを足がかりに、より一層の充実を図っていきたいです。もちろん、これまで当院が柱としてきた、呼吸器内科・外科や小児科、重症心身障がい者医療の診療の質も高めていく考えです。3人に2人ががんになるといわれる現代において、病気への不安というのは誰しもにつきまとうものといえるでしょう。しかし、今や病気や障がいとともに自分らしく生きていくことも、かないやすくなったと感じています。病気になったから、障がいがあるからではなく、病気や障がいとともに生きる人生のサポーターとなることが、われわれの使命であり目標です。より良い医療が提供できるよう、職員一人ひとりの「輝き」を磨き上げ、笑顔で支えられるよう、今後も励んでいきたいと思っています。

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松久 卓 病院長

1985年岡山大学医学部卒業。同大学医学部脳神経外科に入局後、岡山をはじめ広島、香川、愛媛といった瀬戸内海エリアの病院で脳神経外科の専門性を磨く。1995年に地元である岐阜に戻り、岐阜大学医学部附属病院に勤務。その後、岐阜県内の複数の総合病院に勤務し、東海中央病院では副院長を務めた。2020年7月現職に就任。病院運営の傍ら、認知症や頭痛、脳卒中患者の外来診療、入院病棟での診療にあたる。

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