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痛みのないアクティブな生活が望める
股と膝の人工関節手術

医療法人慶仁会 城山病院

(群馬県 太田市)

最終更新日:2024/10/15

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  • 保険診療
  • 関節リウマチ
  • 変形性膝関節症

加齢などに伴い関節の軟骨がすり減ってしまうことで痛みが生じるのが、変形性関節症。股関節や膝関節に生じることが多く、進行して痛みが強くなると、歩くことができなくなることもあるから注意が必要だ。その変形性関節症の治療方法の一つとして、近年数多く行われているのが、人工関節手術。悪くなってしまった関節の一部、あるいは全部を取り除き、人工の関節に入れ替えることで痛みの改善を図り、日常生活に影響なくアクティブに過ごせる状態をめざしていく。そこで、「城山病院」のおおた人工関節センターで股関節を専門とする岡本怜士(さとし)センター長と膝関節が専門の入内島崇紀(いりうちしま・たかのり)副センター長に、股関節と膝関節に対する人工関節手術について、詳しく教えてもらった。(取材日2024年8月8日)

股や膝の関節の痛みの改善を図り、日常生活や人生のさらなる充実をサポートする

Q人工股関節の手術について教えてください。

A

股関節を専門とする岡本怜士センター長

【岡本先生】変形性関節症などで股関節の軟骨がすり減ってしまい、大腿骨と骨盤の骨が直接当たるようになると強い痛みが出てくるようになります。そのようなときに、大腿骨側と骨盤側の両方の骨を金属製の人工物に入れ替えて治療するのが、人工股関節置換術です。痛みが強くて歩けなくなってしまったような場合でも、人工股関節に置き換えることで、痛みもなく普通に歩ける状態をめざします。当院の人工股関節置換術では、筋肉を切開せずに筋肉と筋肉の間からアプローチして筋肉へのダメージを最小限にするよう努めています。手術後の股関節の機能の早期回復とともに、合併症である股関節脱臼を減らすことも期待できます。

Q手術にかかる時間や手術後の注意点を教えてください。

A

診察から手術、リハビリテーションまでをスピーディーに対応

【岡本先生】手術にかかる時間は、1〜1時間半程度です。筋肉を切開しない低侵襲な手術方法で行っているので術後の痛みも少なく、翌日から歩行器を使って歩くこともできますし、早ければ1週間程度で階段の登り降りもできるようなります。手術をしてから2週間程度で傷口がふさがるため、そのタイミングで退院するケースが多いです。ご高齢の方など、手術前に痛みが強くてあまり動けていなかった場合は筋力が衰えていますので、もう少しの期間入院して、リハビリテーションを行うことが必要になることもあります。退院後の生活については、特に大きな制限はありません。普通に生活をしていただき、スポーツをしてもらっても大丈夫です。

Q膝の人工関節手術についても教えてください。

A

膝関節が専門の入内島崇紀副センター長

【入内島先生】変形性膝関節症やリウマチなどが原因で膝の関節が変形して、痛みで動けなくなった場合などに、悪くなってしまった膝の関節の一部、あるいは全体を取り除き人工の関節に入れ替えるのが、人工膝関節置換術です。当院では、膝をできるだけ元の状態に戻すことをめざしており、生体の膝に近いデザインの人工関節を採用しています。加えて、人工関節は外国製が多いのですが、日本人の膝に合ったサイズバリエーションがあることに加え、日本人には正座など膝を深く曲げる習慣があることなどから、当院では国産の人工関節を使用しています。また、膝は自分の目につくところですので、傷痕もできるだけ目立たないように配慮しています。

Q手術後の注意点はありますか?

A

各個人に合わせたリハビリテーションを実施

【入内島先生】人工関節にした後は、マラソンやジョギングなど長距離を走ることや、ラグビーやバスケットボール、相撲などのコンタクトスポーツは避けてください。それ以外のスポーツに制限はなく、実際にゴルフやテニス、卓球やバドミントンなどを楽しんでいる人もたくさんいます。正座はしても構いませんが、あまりしないほうがよいでしょう。ほかに、プールや温泉に入るなど基本的に制限はありません。また、膝の骨が原因の痛みは手術で改善が望めますが、靱帯や筋肉、皮膚は手術前と同じで、そこを上手に使えるかはリハビリテーション次第です。手術を受けて終わりではなく、半年程度はしっかりリハビリテーションに取り組むことが大切です。

Qこちらの人工関節手術の特徴はどのようなところでしょうか?

A

患者に合わせた治療をスピーディーに提供

【岡本先生】地域のニーズにお応えするため、おおた人工関節センターを新たに開設しました。私は股関節、入内島先生は膝関節が専門で、ほかに非常勤で足関節や肘・手関節を専門とする経験豊富な医師が在籍しており、大学病院と同じレベルの治療ができるよう努めています。加えて、入院から手術、退院までの期間が比較的短いことが特徴です。大学病院などでは、検査や入院、手術まで数ヵ月待つようなこともありますが、当院では必要であれば翌週に手術をするなど、フレキシブルかつスピーディーに対応できる体制を整えています。費用については、人工関節手術は健康保険が適用され、自己負担額を軽減する高額療養費制度の利用が可能です。

患者さんへのメッセージ

岡本 怜士 整形外科副部長

2011年愛知医科大学卒業。国立国際医療研究センター病院を経て昭和大学医学部整形外科に入局。昭和大学横浜市北部病院、太田西ノ内病院、東京都立荏原病院、東京都立大塚病院などの勤務を経て2023年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。専門は股関節外科。

入内島 崇紀 先生

2002年群馬大学卒業後、日本大学整形外科入局。アメリカ・ピッツバーグ大学整形外科留学、日本大学大学院修了、上牧温泉病院整形外科、ひざ治療・人工関節センターなどを経て、2023年より非常勤で城山病院に勤務。日本整形外科学会整形外科専門医。医学博士。専門は人工膝関節手術・膝前十字靱帯再建術・半月板手術など。

人工関節手術と聞くと、「あまり動けなくなってしまうのではないか」「大変で怖い手術なのではないか」と想像する人もいるかもしれません。しかし、過度な不安を抱く必要はまったくなく、それまで悩まされていた関節の痛みがない状態で、普通に歩くことをめざすのが股や膝の人工関節手術です。旅行にも悩まずに行けて、温泉にも入れて、スポーツも楽しめるなど、日常生活を明るくし、充実した人生を送るためにも有用な手術ですので、必要な方はぜひ怖がらずに受けてください。どのような手術なのかわからず不安な方、自分の関節の痛みは手術で治るのか悩んでおられる方は、詳しく丁寧に説明しますので、お気軽にご相談ください。

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