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順天堂大学医学部附属浦安病院 

救急医療、周産期医療、高齢者医療への積極的な取り組みで、東葛南部地域の医療を担う

地域がん診療連携拠点病院、地域災害拠点病院

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吉田 幸洋院長
Koyo Yoshida

プロフィール1978年順天堂大学医学部卒業。同大学医学部助教授を経て、2003年より順天堂大学医学部附属浦安病院教授、2011年に院長就任。専門は産婦人科で、特に周産期医療を中心とする。ハイリスク妊婦や出生後早期に外科的治療が必要になる症例に対応するほか、合併症のないローリスクの出産にも尽力。産後の心身ケアや育児指導を目的とした産後ケア施設も開設し、多様なニーズに応えている。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。

幅広い診療体制で地域を支える

JR京葉線新浦安駅から歩いて8分ほど、境川を渡ると見えてくるのが「順天堂大学医学部附属浦安病院」だ。1984年、東京の御茶ノ水、静岡県伊豆にある医学部の付属病院に次いで250床で開院した同院は、浦安市の発展とともに大きくなり、2017年の3号館完成で計785床となった。開院以来、「地域の人たちが安心して住むことができる医療環境を提供する」という基本方針のもと、高度かつきめ細かな医療で地域住民の健康を支えてきた。千葉県の救命救急センターの機能を有し、浦安市民だけでなく、東葛南部・北部の人口約300万人の医療ニーズをカバーする。3号棟の増築によって内視鏡部門が一カ所に集約され、設備を一新したことで、より専門性高く治療を進められるようになった。また、医師や看護師を現場に派遣するラピッドカーや患者を搬送する救急車を整備し、地域災害拠点病院としても機能。進化を続ける同院の歩みについて、吉田幸洋院長に話を聞いた。
(取材日2019年5月20日)

病院の成り立ちと理念について教えてください。
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1984年、現在6つある順天堂大学の付属病院のうち、3番目に開院しました。開院当時約8万人だった浦安市の人口は今や16万人あまり。これに近隣にある1日平均10万人のテーマパークの来園者に、東葛南部・北部の人口約300万人を合わせると、県全体の人口約600万人のうち半分以上が千葉市より西に集中していることになります。高度医療の提供を求められていることはもちろん、千葉県の救命救急センター・地域災害拠点病院の機能を有する地域の基幹病院、急性期病院としても重要な位置づけにあると感じています。開院以来の理念として、順天堂の「人ありて我あり。他を思いやり、いつくしむ心」という「仁」の精神に則った患者さん中心の医療を実践すること、地域の医療機関と連携して大学病院として高度な医療を提供することを掲げてきました。地域に貢献できる優秀な人材の育成にも努めています。

特に力を入れている医療分野を教えてください。
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大学病院として、がんや脳血管障害、心臓病といった重篤な疾患に高度な医療を提供することを第一の使命と考えています。そのため外来化学療法から緩和ケアまで幅広いがんケアを提供するがん治療部門、循環器内科と心臓血管外科を総合的に扱う部門、脳卒中診療の拠点病院としての役割も担う脳神経・脳卒中部門など、専門の部門を設立して対応しているのが特徴です。診療科の壁を取り払うことによって、多角的な視点から迅速に治療にあたることができるようになりました。また、急性期病院としての本来の機能を果たすべく、患者数が増加している救命救急センターに救急プライマリケア部門を設け、救急搬送されてきた人にも自ら受診した人にも適切な救急医療を提供できるようにしています。災害拠点病院としての体制強化と高齢者の搬送増加を見据えて、医療器材を持った医師・看護師が現場に駆けつけるラピッドカーに加え、救急車そのものも配置しました。

周産期医療でも力を発揮されています。
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市川・浦安地域の地域周産期母子医療センターとして、ハイリスク分娩にも対応する当院では、妊婦の合併症から新生児医療までトータルで診療できるのが強みです。センターには先端の診断・治療機器を導入し、母体胎児集中治療室(MFICU)3床、新生児集中治療室(NICU)9床、新生児回復治療室(GCU)15床が稼働しています。かかりつけ医の紹介や、緊急時に受け入れ先を探す母体搬送コーディネーターの手配のおかげで、県内各地や東京からも患者さんがいらっしゃいます。高度不妊治療を専門とするリプロダクション施設では、研究や新しい治療法の提供に力を入れています。無精子症の患者さんを対象にしたマイクロテセと呼ばれる顕微鏡下精巣内精子採取術や、卵子を凍結保存して将来の出産に備える試みがその一例です。当初は若い世代を想定していましたが、実際に稼働してみるとさまざまな理由で幅広い年代の方が来院されています。

産後ケアにも力を入れていらっしゃるそうですね。
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子育て世代の核家族率が高い浦安市では、近くに頼れる人がおらず、仕事と育児の両立に悩むご両親が少なくありません。そこで当院では産後ケアにも取り組んでいます。出産された市民だけでなく出産された方の親御さんの住民票が市内にあって里帰り出産をしたケースでも受け入れていますので、ご相談ください。最近では出産後の入院期間が短くなっており、自宅に帰った後に体調不良や産後うつを発症してしまう方が増えています。子育てに不安を感じる方も多いので、入院ケアでしっかり体と心を休めることが大切ですね。当院ではお母さんたちが落ち着いて育児ができるように、助産師によるきめ細かなサポートを行っています。当院で出産していなくても1週間まで入院での産後ケアを受けられますし、生後3ヵ月以降の病児・病後児の看護を担う院内保育室「みつばち うらやす」もあり、子育て家庭を一貫して支える体制を整えています。

最後に今後の展望をお聞かせください。
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増築した3号館に続いて、既存棟の改修も順次行っていく予定です。すでに内視鏡部門を一ヵ所にまとめてスムーズに治療を受けられるようにしたほか、2020年にはより多くの疾患に対応できるように手術室を12室から15室に増やす計画も進んでいます。地域の方が安心して暮らしていくための医療環境を提供できるよう、災害時の対策も含めた機能の改善と充実を図っていきたいですね。また、大学病院である当院には、「診療」のほかに「研究」「教育」という使命も課せられています。研究については当院に併設している大学院の環境医学研究所が担い、教育については多くの臨床研修医を迎え入れて、各専門分野の医師のもとで研鑽を積んでもらっています。将来にわたって安全で高度な医療の提供に努めていくためには、若い人材の育成は欠かせません。当院を受診される患者さんには、未来を担う若い人材の成長を温かい目で見守っていただけたらと思います。

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