病院長メッセージ(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 QST病院) | 病院・総合病院・大学病院を探すならホスピタルズ・ファイル

病院・総合病院・大学病院8096件掲載中(2021年04月22日現在)

病院・クリニック・医者検索

ドクターズ・ファイル

求人・転職・仕事情報を探す

ドクターズ・ファイル ジョブズ
1

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構QST病院

重粒子線を用いたがん治療に特化し、前立腺がんや頭頸部がんなどの治療や研究に取り組む病院

Main
辻 比呂志病院長
Tsuji Hiroshi

プロフィール1982年北海道大学卒業。筑波大学臨床医学系講師、独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院の医長、同研究所クラスタ重粒子線治療研究部長、同副クラスタ長などを経て2019年より現職。医学博士。専門は前立腺がん、眼球悪性黒色腫、涙腺がん。

重粒子線を用いたがん治療や研究に特化

重粒子線を用いたがん治療に専門的に取り組んでいるのが、「QST病院」だ。重粒子線など放射線の医療利用と、被ばく医療を研究する医療機関として1961年に放射線医学総合研究所病院として設立された同院。2019年には組織としても研究所から病院が独立、名称も現在のQST病院として新たなスタートを切った。重粒子線を用いたがん治療の研究を推し進め、2016年から順次保険適用となった限局性の骨・軟部腫瘍、頭頸部腫瘍、前立腺がんに加えて先進医療で多くの患者に治療を提供しながら、さらなる治療成績の向上、保険適応拡大に向けた研究を続けている。同院の病院長で「あまり遠い存在という先入観を持たずに、ご自身でもご家族でも、ご友人のことでも、遠慮なく相談いただきたいと思っています」と話す辻比呂志先生に、同院のことについて話を聞いた。(取材日2020年11月26日)

貴院を紹介していただけますか?
1

当院は専ら放射線医療に取り組む、ほぼ放射線科単科の病院で、その中でも重粒子線と呼ばれる放射線を用いたがん治療を中心に行っています。当院では国の機関としてこの治療の初期開発の段階から現在に至るまで研究を続けております。現在は重粒子線治療の一部が保険適応になっているので、診療も行いながら研究を行うというのが基本的なコンセプトです。重粒子線によるがん治療は、将来性の高いがんの治療方法だと考えています。そして当院はそれを開発し、実績を上げながら、保険適用となるがんの種類を増やす取り組みを続けているのです。重粒子線治療はがん治療における選択肢のうちの1つなので、主に紹介元の病院でがんと診断された後、治療法を選択する段階で候補に挙がり、患者さんのご希望がある場合に当院で治療を行うという経過となることが多いです。重粒子線治療を行える施設は現在日本で6ヵ所ですから、患者さんは全国各地からいらっしゃいます。

重粒子線治療について、もう少し詳しく教えてください。
2

がん治療の1つに放射線治療がありますが、その中でもピンポイントに患部に集中して照射させるものに、重粒子線や陽子線を用いた粒子線治療があります。通常使用されることの多いエックス線を用いたIMRT(強度変調放射線治療)が複数方向から患部へ照射していくのに対し、陽子線治療や重粒子線治療といった粒子線の治療は1つの方向からでも集中した照射が可能です。病巣に放射線を照射する際に、エックス線の場合はその通り道になる病巣を挟んだ前後の組織にも放射線が照射されますが、粒子線の場合は、線量のピークを病巣に合わせて集中して照射できる特徴があります。そのため放射線が健康な臓器などの余計な部分に当たる量を減らし、副作用のリスクを軽減させることが可能になります。患部に対しては集中的に照射しますので、より強い作用が期待され、治療回数も減らせると期待されています。

どの臓器のがんが、治療の対象になりますか?
3

現在、健康保険が適応となっているのは、限局性及び局所進行性前立腺がんと、手術による根治的な治療法が困難である限局性の骨・軟部腫瘍、頭頸部腫瘍の3つです。先進医療では、現在、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、婦人科腫瘍といった体のさまざまな部位に対して重粒子線治療を行うことが可能となっています。その中でも注目されているのが、膵臓がんです。膵臓がんは、見つかったときにはすでに進行していて手術ができない場合が少なくありません。その場合、一般的には抗がん剤と放射線による治療を行っていくのですが、先進医療として、放射線を従来のエックス線ではなく重粒子線に替えた治療を行っています。そのほかにも、術後に骨盤内に限定して再発した直腸がんについても先進医療での重粒子線治療を行っています。

病院を運営するにあたって心がけていることは何ですか?
20210401 4

がんの治療を行っている病院ですから、患者さんが安心して、苦痛なく治療を受けられるようにしていくことが何よりも大切です。そのためには、働いている医師や看護師、診療放射線技師を含め皆が、患者さん第一で考えることができる心の余裕が必要で、そういう環境をつくるのが、病院長の仕事であると思っています。幸にしてスタッフにはたいへん恵まれていて、患者さんたちからの評判も総じて良好だと認識していますし、がん患者さんの気持ち、心のケアについても、スタッフの心の持ちようも含めて、これからも注意していかないといけないと思っています。また、当院は特殊な放射線科単科の病院ですので、周辺の病院との連携がとても重要で、当院だけでは対応できないような病状の変化などに、周辺の病院の協力が欠かせません。ですから、周辺の病院の先生方とスムーズな連携のためのコミュニケーションを取ることも大切にしています。

今後の展望とメッセージをお願いします。
5

まずは、保険適応の拡大です。現在、先進医療として行っている疾患について、保険適応に変えていけるよう取り組んでいます。いつ、どのような形でそれが実現するか断定はできませんが、われわれとしてはすべてを保険適応にしたいですし、なるべきだと考えています。そして、重粒子線治療は世の中にまだ十分に知られておらず、高額でハードルの高い治療だというイメージを持つ人もいると思います。しかし、4年前に骨・軟部腫瘍が保険適応になってから徐々に保険適応が拡大し、少しずつ一般的な医療として認めてもらえる状況にあります。当院は研究を主な業務とする病院ですが、診療としてのがん治療もしっかり行い、患者さんが安心して治療を受けられるような体制を構築し、提供することに一生懸命取り組んでいますので、あまり遠い存在という先入観を持たずに、ご自身でもご家族でも、ご友人のことでも、遠慮なくご相談いただきたいと思っています。

access.png

病院・総合病院・大学病院を探すならホスピタルズ・ファイル

ホスピタルズ・ファイルは、全国の病院・総合病院・大学病院の総合情報サイト!沿線・行政区、住所、診療科目、対象疾患名や検査・治療内容などから、あなたがお探しの病院・総合病院・大学病院情報を探すことができます。病院・総合病院・大学病院の基本情報だけではなく、責任者メッセージ、各診療科目の詳細、特徴を、独自に取材して紹介しています。

情報掲載について

掲載している各種情報は、 ティーペック株式会社 および 株式会社ギミック が調査した情報をもとにしています。 出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。 当サービスによって生じた損害について、 ティーペック株式会社 および 株式会社ギミック ではその賠償の責任を一切負わないものとします。 情報に誤りがある場合には、お手数ですがホスピタルズ・ファイル編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

↑TOPへ戻る