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独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院

(千葉県 船橋市)

郷地 英二 院長

最終更新日:2025/06/04

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地域の今と将来を見据えて必要な医療を提供

1949年の設立以来、地域医療を支えてきた「船橋中央病院」は、2014年に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)へと運営組織が移行。しかし、「正しい医療、良い医療、優しい医療」の基本理念は変わらず、患者に必要な医療、満足できる医療の提供に尽力している。2023年からは紹介受診重点医療機関となり、地域連携室を通して地域の医療機関との連携をさらに強化していくことをめざす。2025年に就任した郷地英二院長は、「日々の診療でも医療の質から医療安全まで常に向上を図り、紹介の際にも地域の皆さんから信頼されて選ばれる病院をめざしています」と話す。同院では周産期医療、消化器分野、救急医療、整形外科、血液内科を5つの柱とし、地域特性や高齢化によるニーズに応えて専門性の高い医療を展開。加えて形成外科では連日の診療を再開し、泌尿器科は男性不妊の専門医療を開始するなど、新たな取り組みにも積極的だ。20年後、30年後の医療を支える新病院も構想中と話す郷地院長に、各分野での同院の特徴や強みについて詳しく聞いた。(取材日2025年2月28日/情報更新日2025年5月27日)

この病院の特徴や地域での役割を教えてください。

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診療面では周産期医療、消化器分野、救急医療、整形外科、血液内科を5つの柱としています。さらに2024年から診療を再開した形成外科も備え、総合病院として豊富な診療科で地域の医療ニーズに広く応えています。また36床の地域包括ケア病棟は、自宅療養中の方で容体が急変した場合の緊急受け入れ、より高次の医療を担う病院で治療を終えた患者さんの機能回復に努めるリハビリテーションに対応しています。この病棟では自宅療養を支えるご家族の予定に合わせて一時的に患者さんをお預かりするレスパイト入院も利用可能です。さらに2023年から当院は紹介受診重点医療機関となり、地域の医療機関からご紹介の患者さんに重点を置いた診療が中心となっています。軽症の場合は地域の先生方に診ていただき、当院は専門性に特化した医療に集中するという地域連携による役割分担によって、患者さんごとに適した医療の提供をめざしています。

周産期医療や救急医療はどのような受け入れ体制ですか?

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当院は2003年に千葉県から地域周産期母子医療センターの認定を受け、出産時のリスクが高い妊産婦や超低出生体重児を20年以上も受け入れてきた実績のもと、現在では年間の受け入れ数が県内でも特に多くなっていますね。千葉県の人口約620万人のうち、当院がある東葛南部地域と隣接する東葛北部地域に約320万人が住み、当院はそれらの地域からの救急搬送に24時間365日対応する体制を整えています。同センターはNICU(新生児集中治療室)15床、GCU(新生児回復室)25床を備え、産科および新生児科が密接に連携して診療にあたります。一般の救急医療では日中は日本救急医学会救急科専門医が対応し、夜間休日は船橋市内の救急医療機関ネットワークの当番日に依頼のあった救急車の全件受け入れをめざしています。また、当番日以外でも他院で受け入れが難しい場合には対応に尽力するなど、地域全体で救急医療の充実を図っています。

消化器分野や整形外科、血液内科についてお聞かせください。

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消化器分野では内視鏡治療や腹腔鏡手術、抗がん剤治療などが発達し、内科と外科のスムーズな連携がより重要になりました。そこで消化器内科と消化器外科の一体的な診療体制とし、両科が協力して患者さんに適した治療を迅速に提供しています。消化器がんに対して内科で早期から内視鏡での治療を行い、その後の治療を行う外科には腹腔鏡手術に精通したスタッフも多く在籍しています。大きめの早期がんも切除可能なESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、胆道や膵臓の検査・治療に用いるERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)なども積極的に行っており、抗がん剤治療、放射線治療も当院で受けられます。整形外科は骨折などの外傷に加え、股・膝関節分野では人工関節手術なども多く実施し、脊椎脊髄分野を専門とする医師による診療も特徴の一つです。血液内科では、悪性腫瘍の治療を中心に、一人でも多くの患者を完全寛解できるように取り組んでいます。

形成外科をはじめ各診療科の取り組みを教えてください。

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2024年から形成外科の医師が常に在籍して外来診療や手術にあたっています。外傷や皮膚疾患、眼瞼下垂症の治療を中心に、全身麻酔が必要な大きな手術にも対応しています。また、泌尿器科では日本生殖医学会生殖医療専門医の医師が2025年4月から常勤となり、妊孕性の改善が期待できる精索静脈瘤手術など、手術を伴う男性不妊の専門診療を開始しました。妊娠・出産に関わる周産期母子医療センターとも連携し、不妊に悩む方に広く知っていただければと思います。一方で高齢者医療の予防や早期治療にも努め、骨粗しょう症部門では骨粗しょう症での骨折予防を目的に、薬物治療だけでなく、栄養部や看護師によるNST(栄養サポートチーム)からの栄養評価と指導、理学療法士の運動指導などで対応。高齢化による摂食嚥下障害には歯科口腔外科を中心に多職種が連携し、内視鏡や造影による嚥下機能の詳細な検査、その改善に向けたトレーニングも実施します。

最後に今後の展望や地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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今後も地域の医療ニーズに応え、周産期医療や高齢者医療などを重視し、がん診療では内視鏡および腹腔鏡による低侵襲な治療に注力します。また高齢者向けに骨折予防の知識を公開講座などで広く伝え、泌尿器科では前立腺疾患の治療、眼科では白内障手術も行い、健康寿命の延伸をサポートしていきたいですね。さらに今後20年、30年の医療を支える新病院も必要になります。資材の高騰などで着手にやや時間がかかっていますが、設備の充実はもちろん、患者さんにも当院の職員にも快適な病院になるよう構想中です。東葛南部地域では三次救急も担う船橋市立医療センターを中心に、当院や近隣の医療機関が協力して地域医療をカバーしています。その中でも「船橋中央病院に紹介すれば治療も次への紹介も大丈夫」と信頼されるよう、医療の質から医療安全まで常に向上を図る姿勢を大切に診療しますので、安心してご紹介または受診していただければと思います。

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郷地 英二 院長

1986年千葉大学医学部を卒業し、同大学臓器制御外科学教室に入局。埼玉県や千葉県の基幹病院、千葉大学医学部附属病院を経て、米国・UCLAシーダーズサイナイ病院移植外科に留学。帰国後、現在の聖隷横浜病院で消化器の腹腔鏡手術や乳がんの診療に尽力する。2021年に船橋中央病院副院長に就任し、医療安全、新病院の建設計画、病院経営などを担当。2025年4月から現職。日本外科学会外科専門医。

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