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医療法人弘仁会 板倉病院

(千葉県 船橋市)

梶原 崇弘 理事長

最終更新日:2022/04/22

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医療や人が交流する、地域に開かれた病院

JR中央・総武線の船橋駅から徒歩7分の所に立つ「板倉病院」。1940年に開設して以来、80年以上にわたって地域住民に親しまれている。2012年に祖父の代から続く病院を引き継ぎ、3代目院長に就任。2019年からは、理事長として建物のリニューアルや診療体制拡充などの改革を実現しているのが梶原崇弘先生だ。「病院が地域をつくり、地域が病院をつくる」というビジョンを掲げて、院内だけでなく地域と一体となった病院づくりにまい進。救急医療、予防医療、在宅医療を診療の大きな柱に据えて、病診連携にも力を入れている。「病院としては違和感があるかもしれませんが、また来てね、また来るよ、とお互い笑顔で言える、そんな病院で在りたいですね」と話す梶原理事長。地域を愛し、地域の病院や医療の新しい在り方を提示している梶原理事長に話を聞いた。(取材日2022年3月24日)

こちらは80年以上の歴史がある病院だと伺いました。

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当院は私の祖父が1940年に開設して以来、代々この地で医療貢献してきました。私もそんな両親を見て育ち、2012年から院長を務め、2019年からは理事長を務めています。古くからある病院ですので、地域の皆さんには親しまれていますが、医療や病院は時代の要請によって常に変わっていかなくてはなりません。この2年の間に医療の領域だけでなく、日常の在り方も大きく変わり、今後しばらくは元に戻らないのではないでしょうか。そんな状況に対して病院としていかに対応していくかが重要な課題と考えています。現在、当院では救急医療、予防医療、在宅医療を3つの大きな柱に据えて、当法人が運営する老健施設や訪問看護、地域包括支援センター、さらに地域の医療機関と連携して究極の地域密着型病院を進化させるべく努めています。「地域が病院をつくり、病院が地域をつくる」をビジョンに掲げ、地域と一体化した病院をめざしています。

例えばどのような取り組みをなさっているのですか?

Cs2

普通、病院は体調が悪くなってから来る場所で、それが病院との関わりのスタートです。ですが、健康な時から来ていただいて病院のことをよく知ってもらえば、不調を感じた時にも受診しやすいですし、病院の忙しい様子も見慣れた風景としてご理解いただけるのではないでしょうか。そんな思いから地域の方々との関わりを深める活動を行っています。例えば子ども食堂やお子さんを対象にした職業体験など定期的に行っています。変わったところでは、健康に関心がない方にも来ていただきたいと考え、以前、利き酒大会を開いたことがあります。背徳感を味わいながらも、食事の仕方や健診の重要性などを学んでいただけました。最近では地域の方々に当院のサポーターになっていただく取り組みを行っています。病院から受診を勧めても限界がありますので、サポーターの方から当院や検診についてさりげなくPRしてもらい、検診受診につながればと考えています。

医療面についてはいかがでしょうか。

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医療に対する地域の方々の期待にどのように応えていくかが地域の病院の最大の使命と考えています。地域医療を支えるために必要不可欠なのが救急医療です。当院では救急診療部を設け、救急専門の医師を配置することでスムーズな受け入れ体制を整えており、年間数多くの救急を受け入れています。船橋市立医療センターや千葉西総合病院など三次救急医療機関との連携も強化しています。診療面では高次医療機関と地域とを結ぶハブ空港的な役割を担っています。特に、リウマチや腎臓疾患については高次医療機関と連携しています。腎臓内科については船橋市内に専門的に診る医療機関が少ないので、当院でしっかり診ています。がんについてもがん専門病院と連携し、治療前後の支援や緩和治療などを行っています。この2年間受診控えをしていた影響で、がんが見つかるケースが増えています。検診を受けていない方は、ぜひ早急に受けていただきたいですね。

地域内の医療連携についても積極的だそうですね。

Cs5

地域のクリニックとの連携は非常に重要と考え、さまざまな取り組みを行っています。その一つが当院のMRIやCTで検査をして、画像診断報告書と検査画像をクリニックで見られる画像連携システムです。画像のダブルチェックができるのが一つの利点で、疾患の早期発見につなげています。また当院では、震度6弱以上の地震が起きた際に、二次救急病院の前に救護所を設置して地域の医療従事者とともに対応する災害医療体制を整えています。病院前救護所には、地域の医師や看護師、歯科医師、薬剤師らが集まってトリアージや軽症者に対応し、中等症以上の人は病院で専門治療を行うという体制です。これこそが真の病診連携ではないでしょうか。このような事態が起きないのが一番ですが、万が一の時に機能できるよう訓練を重ねています。

今後の展望についてお聞きします。

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質の高い思いやりのある医療を提供するためには、職員が安心して働ける環境が重要です。当院では職員を人財と考え、その家族まで守ることを大切にしています。マスク不足の際には、病院のストックを使いきってもいいという気持ちで職員とその家族にマスクを配ったこともありました。幸い、当院には良い人財がそろっていて仕事へのモチベーションも高いと感じます。地域の方々のためにも「職員がワクワク、イキイキ、ニコニコできる」環境をさらにつくっていきたいですね。この2年間、オンラインでの会議ばかりでしたが、やはり対面での会話も大切なので、時期を見てリアルなミーティングも開きたいです。今後も引き続き究極の地域密着型病院をめざして、医療面だけでなく地域に開かれたコミュニティーの場を提供していこうと思います。違和感があるかもしれませんが、何か楽しいからまた来るね、また来てね、とお互い笑顔で言えるような病院で在りたいですね。

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梶原 崇弘 理事長

2000年日本大学医学部医学科卒。同年同大学医学部消化器外科入局、国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科、日本大学医学部消化器外科などを経て2012年医療法人弘仁会板倉病院院長、2019年から同法人理事長を兼任、日本大学医学部消化器外科臨床准教授。医学博士、日本外科学会外科専門医、日本在宅療養支援病院連携協議会理事、日本病院会病院経営管理士。

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