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医療法人社団三喜会 鶴巻温泉病院

(神奈川県 秦野市)

鈴木 龍太 理事長

最終更新日:2024/02/20

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患者と家族の「人生の満足度」を高めたい

「自分の母親が長期療養できるような理想の病院を建てたい」との創設者・荒井喜八郎の思いから、1979年に創設された「鶴巻温泉病院」。創設当初から入院患者へのリハビリテーションに力を入れ、入院患者のスムーズな在宅復帰を支援する回復期リハビリテーション病棟、在宅介護の強い味方である地域包括ケア病棟、介護医療院など、慢性期多機能病院として地域に根差している。200人近いリハビリテーションスタッフや、さまざまな専門性をもつ看護師、数多くの介護職など医師はもちろんスタッフ陣の充実ぶりも特徴。幅広く地域が必要とするような医療を提供する「鶴巻温泉病院」を独創的な発想とリーダーシップで率いる鈴木龍太理事長に話を聞いた。(取材日2020年3月2日/再取材日2023年12月15日)

地域に根差した慢性期多機能病院として幅広く対応されてますね。

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当院は設立当初から入院患者さんへのリハビリに力を入れていますが、2000年に回復期リハビリテーション病棟、2018年に地域包括ケア病棟、2019年に介護医療院を開設し、常に医療ニーズに合わせた進化を続けています。他にもがん患者さんの緩和ケアと緩和リハビリテーション病棟や、主に神経難病の患者さんに対するリハビリテーションを提供する病棟も開設し、急性期医療を除き地域が必要とするさまざまな幅広い医療を提供する多機能病院として地域に貢献すべく尽力しています。例えば急性期の治療を終えた患者さんは、まだ体力の回復が十分ではなく、日常生活に必要な動作もうまくできないことがほとんど。そうした方を他の病院から当院に受け入れ、多様な医療専門職が協力して患者さんに合ったリハビリを実施することにより、入院前に暮らしていたご自宅や施設にお戻りいただけるように機能回復をお手伝いすることも重要な役割のひとつです。

在宅療養後方支援病院や高齢者救急の役割も果たされています。

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当院は在宅療養後方支援病院として届け出ていますので、近隣で在宅療養を行うクリニックの医師と患者さんが同意し登録していただければ、在宅療養の患者さんの体調や容体が急に悪化したときに24時間いつでも当院の地域包括ケア病棟や難病病棟が受け入れる体制を整え、日中には登録外の方も受け入れています。昨年には救急病院としての認定を受けました。できるだけ搬送前の生活にお戻しすることが目標ですが、そのためには入院当初から復帰を意識した医療やリハビリテーションの提供が必要不可欠。当院にはそのための人材やノウハウがあり、お役に立てると考えています。このほか地域の患者さんへの訪問診療、看取りも考慮した療養入院、在宅療養で筋力や日常生活の機能が落ちるのを防ぐために一定期間入院して行うリハビリテーション、在宅で介護されているご家族が一時的に休めるよう患者さんに入院していただくレスパイト入院までカバーしています。

「鶴巻温泉病院」ならではの役割があるのですね。

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急性期の医療を担う病院に救急搬送された場合、その場ですぐに生死にかかわる事態でなければ、ご家族による介護ではむつかしい場合でも入院措置にならないことがあります。また緊急措置としての処置により数日寝たままの処置が続くと、その結果立ち歩くことができなくなり、自宅復帰が困難になることもあります。それは急性期病院の役割として当然ですが、当院のような慢性期を担う病院ですと搬送前の生活にお戻しするのが大前提ですから、当初の処置から違ってくるのです。手術は行いませんが、ほとんどの患者さんは点滴、酸素や痰の吸引、リハビリテーションを行い、数日または数週間で自宅へ退院されることが多いです。地域連携室には、患者さんの入院から退院後の暮らしまでを支援するメディカルソーシャルワーカーがおり、患者さんやご家族からの相談を受けていますのでご活用ください。

「生活の質」を越えて「人生の満足度」を考えておられるとか。

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毎年、CS(患者満足度)、ES(働くスタッフの満足度)、地域の三本柱に対して各部署で目標を定めて取り組んでいます。患者さんとご家族の生活の質(QOL)を高める取り組みは、患者さんの病状やご希望をもとに、医師、看護師、各医療専門職がチームとなり「生活の質」というより「人生の満足度」と捉え、ある局面では積極的な治療を選ばず、残りの人生を穏やかに過ごしていただくなど、その方とご家族が満足できる暮らしを念頭に置いています。当院のスタッフに対しては、毎月発信している院長通信などで良い取り組みや行動をとりあげ評価するなどモチベーションアップに取り組んでいます。地域に対しては在宅療養後方支援病院として、患者さんも介護者の方も地域の先生方も「鶴巻温泉病院があるから大丈夫」と思っていただき安心してくらしていただけるよう精進してまいる所存です。

地域の方々や先生方へのメッセージをお願いします。

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当院には多くの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が在籍し、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟、在宅からの短期入院、緩和ケアや長期の医療療養で入院された患者さん、介護医療院で暮らす方など、あらゆる方に適切なリハビリテーションをご用意できる点も特色の一つです。慢性期多機能病院として、患者さんの状況に合わせて、リハビリテーション内容はもちろん、入院先の病棟のご提案も可能ですので頼りにしていただければと思います。人生の最期は誰しも考えるもの。私は講演などで人生会議や事前指示書、また、延命措置についても詳しくお話ししています。当院でもご本人の意思をできる限り確認し、ご家族の意思にも沿えるよう尽力しています。簡便で分かりやすい事前指示書を用意し、鶴巻温泉病院のホームページからダウンロードできるようにしました。一度手に取って、ご家族やご友人と一緒にあなたらしい人生の最期を考えてみてください。

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鈴木 龍太 理事長

1977年東京医科歯科大学医学部卒業後、同大学医学部脳神経外科に入局、大学病院や関連病院で診療。1980年から米国National Institutes of Health客員研究員。2009年鶴巻温泉病院副院長就任、2009年から院長。2015年から三喜会理事長兼務。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医。2018年から日本介護医療院協会会長。

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