社会福祉法人仁生社 江戸川メディケア病院
(東京都 江戸川区)
最終更新日:2024/07/02
患者に寄り添った医療で、在宅復帰をめざす
2017年に開院した「江戸川メディケア病院」は、同じ法人に属する「江戸川病院」の後方支援の役割を担う。内科と整形外科を中心に、地域のかかりつけ病院として外来診療に注力するとともに、機能の異なる5つの病棟を備えることで、さまざまな患者の入院加療やリハビリテーションに対応している。また、地域に対応する医療機関が少ないという入院患者への人工透析や、幅広いメニューを用意する健康診査・人間ドックにも注力し、地域住民の健康維持に貢献している。「当院を選んで良かったと思っていただけるような病院をめざしていきたい」と語る古市基彦院長に話を聞いた。(取材日2024年1月11日/情報更新日2024年5月21日)
病院の成り立ちや特徴を教えてください。
当院は、70年以上にわたり地域とともに歩んできた「片山病院」を引き継ぎ、2017年に開院しました。一般病棟のほかに、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、結核病棟を擁しており、急性期の治療が終わった後、引き続き入院加療やリハビリテーションを行うことができます。また、健康診査や人間ドック、人工透析などに取り組むことで、地域の人々の在宅療養や健康維持に貢献することをめざしています。かかりつけ病院として外来診療に積極的に取り組み、内科一般に加え、循環器、呼吸器、整形外科、眼科、婦人科、脳神経外科など専門的な診療にも対応します。CTやMRI、胃と大腸の内視鏡などを導入し、必要な検査がすぐに行えるような体制を整備しています。骨粗しょう症の治療にも力を入れており、DEXA法による骨密度測定を導入しています。脳神経外科を専門とする医師による頭痛に特化した外来診療も特徴です。
機能の異なる5種類の病棟を備えているのですね。
一般病棟、療養病棟をはじめ、5つの病棟で幅広いニーズに応えております。例えば「地域包括ケア病棟」は、急性期治療の後、すぐ自宅へ帰ることに不安のある患者さんに入院療養を継続するほか、在宅療養中に入院による検査や治療が必要になった患者さんを受け入れています。多職種が連携してサポートすることで自宅や介護施設への復帰をめざします。また、「回復期リハビリテーション病棟」では、急性期病院での脳血管障害や骨折の手術などの治療を終え、病態が比較的安定した患者さんに対応しています。短期間で集中的にリハビリテーションを行うことで、失われた身体機能の回復や日常生活に必要な動作の改善をめざします。そのほか、「結核病棟」は東京都東部では数少ない病棟で、長期的な療養が必要な慢性期の患者さんに、快適な環境で心のこもった看護を提供することにこだわっています。
健康診査にも力を入れていると伺いました。
健診センターでは、日帰りの人間ドックや脳ドック、生活習慣病予防検診、がん検診などに力を注いでいます。専門の常勤医師らが検査結果のほぼすべてにダブルチェックを行い、異常の見落としの防止を図っているのが大きな特徴といえるでしょう。設備では、細径でありながら、ハイビジョン画像で検査ができる先進の内視鏡システムを導入し、精度の高い検査に役立てているほか、鎮静剤を使用した検査にも対応して患者さんの苦痛軽減も図っています。これ以外にもロコモティブ症候群検診や、MRIとPSA検査を組み合わせた前立腺のセット検査、女性向けの検査、アレルギーのセット検査などさまざまなメニューを用意し、地域の多彩なニーズに応えています。検査は「受けて終わり」ではなく、検査結果によって自分の体のことを知り、健康維持に生かすことが大切です。ぜひ積極的に活用してください。
こちらで行っている人工透析について教えてください。
当院の特徴の一つでもある透析医療を行う透析センターでは、透析を専門とする医師や看護師がチームを組み、血液透析を提供しています。外来での通院透析だけでなく、当院の各病棟に入院している患者さんの透析にも対応しており、入院して透析を続けながら、別の病気の治療やリハビリテーションが行える体制を整えています。テレビや無線LANも利用できる快適な環境のもと、ほぼすべての症例にオンラインHDD(血液濾過透析)を実施して、かゆみや足のムズムズ、血圧低下といった透析に伴う不快な症状の軽減を図っています。また、透析中の食事や水分摂取に関する指導、運動指導にも力を注ぎ、横になったままできるストレッチや有酸素運動を実施。筋力低下によるフレイルやサルコペニアの予防、心機能や睡眠の質の改善につなげたいと考えています。
地域の人へのメッセージをお願いします。
当院は、社会福祉法人 仁生社の「みんなのしあわせとおもいやり」というモットーのとおり、すべての人が幸せであってほしいと願っています。病のある人、介護を必要としている人が幸せで健やかな日々を過ごされるためのお手伝いをしたいのです。その思いを実現するため、慈しみの心を持ち、すべての人たちと手をつないで、ともに生きていく仲間として社会に貢献していきます。法人名の「仁生社」にもそんな気持ちが込められています。先ほども申し上げたとおり、当院は目的別に5つの病棟を設けているほか、訪問看護、透析、健康診査にも注力しており、院内はもちろん、法人内の各施設とも連携しながら、皆さんが安心して医療を受け、在宅療養ができるような診療体制を整えています。これからも、当院を選んで良かったと思っていただけるような病院をめざしていきたいと考えています。
東京都江戸川区にある「江戸川メディケア病院」は、長年地域の医療を担ってきた「片山病院」を引き継ぎ、2017年に開院した。一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、結核病棟と機能の異なる5つの病棟を擁し、急性期治療後に、入院加療やリハビリテーションが必要な患者を中心に受け入れる。地域の人々の在宅療養や健康維持に貢献するなど、超高齢社会において必要な医療の提供をめざしている。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万7300円~、脳ドック/7万4800円~、前立腺のセット検査/3万8500円~、女性向けの検査:乳がん検診/5500円・子宮がん検診/3850円、アレルギーのセット検査/1万9800円~、ロコモティブ症候群検診/1万1000円~