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痛みの緩和を図り母子の負担を軽減する
「無痛分娩」とは

医療法人社団明芳会 板橋中央総合病院

(東京都 板橋区)

最終更新日:2025/04/08

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  • 保険診療

東京都が2025年10月からの費用助成を決めたことでも注目を集める「無痛分娩」。出産に伴う痛みの緩和を図ることで母体の身体的・精神的ストレスを軽減し、母子ともに負担の少ない状態で経腟分娩に臨むことをめざす方法だ。板橋中央総合病院では、合併症を有する場合などに実施していた無痛分娩の対象を数年前から拡大。長年の経験で蓄積された知見と、合併症に備えた総合病院ならではの連携を生かし、安全に配慮した無痛分娩を広く提供している。無痛分娩のメリットや注意点、同院ならではの工夫などについて、石田友彦産科・婦人科主任部長に聞いた。(取材日2024年12月26日)

痛みをやわらげつつ「生む」感覚を残すために硬膜外麻酔を使用。胎児の吸引分娩を避けることにも注力

Q無痛分娩には、どのような特徴がありますか。

A

無痛分娩の特徴について話す、石田主任部長

最大のメリットは、痛みのコントロールが図れることです。個人差はありますが、一般的に陣痛や分娩の痛みは非常に強く、それによって出産に対する不安が増大したり、痛みに耐えることで分娩前に疲れてしまったりすることが少なくありません。痛みが長時間におよぶと、お母さんはもちろん赤ちゃんにも負担がかかりますし、お母さんの産後の回復に影響が出ることもあります。無痛分娩であれば、必要なときにだけいきむことで体力を温存でき、産後の回復も早まることが期待できます。何らかの事情で緊急帝王切開になった場合でも、麻酔を使用しているため、すぐに切り替えられる点もメリットの一つです。

Q無痛分娩における硬膜外麻酔とは、どんな麻酔なのでしょう。

A

意識がありしっかりいきみながら分娩を進める硬膜外麻酔法で行う

無痛分娩と一口にいっても、心理的に働きかけるもの、薬を使用するものなどさまざまな方法があり、硬膜外麻酔法は後者で使われる麻酔の一つです。脊髄を覆う硬膜の外側に細いチューブで麻酔薬を注入することによって、腰から下の神経の働きを一時的に鈍らせ痛みの緩和を図ることができますが、完全に痛みがなくなるわけではありません。また、全身麻酔ではないので、分娩中も意識があり、しっかりいきみながら分娩を進めていきます。赤ちゃんが降りてくる実感もありますし、生まれた赤ちゃんと落ち着いて対面することも可能ですよ。無痛分娩が普及している諸外国で一般的に行われている方法で、分娩以外にもさまざまな手術で使われています。

Q副作用や合併症はないのでしょうか。

A

麻酔科の医師や助産師、他の診療科とも連携し万一の場合に備える

非常にまれですが、医療行為である以上、リスクはゼロではありません。例えば、麻酔が硬膜の外側よりもさらに奥に入ってしまい、麻酔が想定以上に効きすぎてしまうことがあります。当院では、経験豊富な医師と麻酔科の医師、助産師が連携してこうした合併症がおこらないよう細心の注意を払っているほか、万が一の場合に備えて脳神経外科、集中治療部門などと緊密に連携して徹底したバックアップ体制を構築しています。

Q無痛分娩について、貴院ならではの工夫があれば教えてください。

A

吸引による赤ちゃんの頭への負荷を体感している様子

分娩日を決め、陣痛促進剤で分娩を誘発して麻酔をする計画麻酔分娩を行っている医療機関もありますが、当院は原則として陣痛が来てから麻酔をする方法を選択しています。計画麻酔分娩は、ほぼ痛みを感じずに済む一方、感覚が失われて適切なタイミングでいきめず、分娩が長引くことがあるからです。分娩が長引くと、赤ちゃんの頭に吸盤のような器具をつけて引っ張る吸引分娩の可能性が高まります。吸引の圧は非常に強い力なんですよ。吸引分娩で血腫などの後遺症が出る場合もありますから、お母さんが自分でいきめるよう、あくまでも「痛みを減らすための」無痛分娩を実施しています。

Q費用面にも配慮されているそうですね。

A

子どもがほしいという思いに応えるためさまざまな面からサポート

出産、育児には当然ながらお金がかかります。費用を理由に妊娠・出産をためらう人も多いでしょう。当院では、なるべく多くの方の「子どもがほしい」という思いに応えるため、総合病院だからこそできる安心で安全に配慮したお産、痛みを軽減した負担の少ないお産を費用をできる限り抑えて提供することにこだわってきました。「自宅に近く安心できる施設で生みたいが、費用が気になる」「2人目、3人目であまり費用をかけたくない」という方は、ぜひ当院の無痛分娩をご検討ください。アメニティも完備していますので、手ぶらで入院・出産が可能です。

患者さんへのメッセージ

石田 友彦 産科・婦人科主任部長

1990年福島県立医科大学卒業。大学、および関連病院で25年以上にわたって婦人科・産科・新生児医療に従事した後、板橋中央総合病院へ。ART(生殖補助医療)の経験もある。2017年4月より、産科・婦人科主任部長と副院長を兼任。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。専門は周産期医学、不妊症、婦人科腹腔鏡。

無痛分娩は、痛みのコントロールを図ることで疲労や恐怖を和らげ、リラックスしてお産に臨めるようにする方法です。当院では、硬膜外麻酔を用い、母子ともに負担が軽減できるような無痛分娩を実施しています。「お産の痛みの話を聞いて、出産が怖い」「1人目の陣痛が重く、2人目の出産に不安がある」といった方は、ぜひお問い合わせください。

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