フォトンカウンティングCTを用いた
高精度な冠動脈CT検査
医療法人社団明芳会 板橋中央総合病院
(東京都 板橋区)
最終更新日:2025/10/22


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命に関わることも多い心臓の病気だが、心筋梗塞や狭心症は原因となる動脈硬化の有無を事前に把握し、生活習慣の見直しや適切な治療をすることが発症の予防につながるという。冠動脈CT検査は、血管造影剤を用いて血管の状態を画像化することで血管の詰まりやプラークの石灰化の状態を調べる検査で、心臓カテーテル検査と比べて検査時間が短く、患者の体への負担が少ないのがメリットだ。「板橋中央総合病院」の循環器内科では、先進のフォトンカウンティングCTを用いた冠動脈CT検査を実施。鮮明に細部まで画像化することで、小さな病変も見逃さない、精度の高い診断をめざしている。そこで、同院の副院長であり同科主任部長の太田洋先生にフォトンカウンティングCTによる冠動脈CTの特徴について聞いた。(取材日2025年8月27日)
目次
先端のフォトンカウンティングCTによる冠動脈検査で血管の状態を精密に把握し、心筋梗塞の予防につなげる
- Q冠動脈CT検査の特徴やメリット・デメリットを教えてください。
- A

「冠動脈CT検査は検査時間が短く体に負担が少ない」と太田先生
冠動脈は心臓の筋肉を栄養している血管で、詰まると心筋梗塞になってしまいます。冠動脈CT検査は造影剤を用いて血管の状態を詳しく画像化し、狭窄や動脈硬化の有無を調べる非侵襲的な検査です。心臓カテーテル検査が入院して行うのに対し、冠動脈CT検査は外来で検査が行え、検査時間も短く、体に負担が少ないのがメリットです。一方、造影剤を使用するため、少なからず副作用の心配があることや、石灰化が進み動脈硬化が強い場合は検査結果が不明になるというデメリットがあります。また、造影剤のアレルギーのある方や、緊急性の高い方、腎機能が悪いなど安全性に配慮が必要なときは、先行してカテーテル検査を行うことが多いです。
- Q冠動脈CT検査はどういった症状があるときに行いますか?
- A
朝の通勤時に歩いていると胸が苦しくなる、運動時の胸の痛みや息切れの症状があるなど狭心症が疑われる方や、冠動脈疾患のリスクが高い方のほか、不整脈の治療前や心疾患でない手術前の検査として行うこともあります。冠動脈CT検査は、健康診断や心臓の総合健診で高血圧症、糖尿病、脂質異常症を指摘された方や、喫煙習慣のある方、肥満、心臓病の家族歴など動脈硬化のリスク因子を持つ方の心筋梗塞の発症を予防するために有用な検査だとされており、これらに該当する方には特に受けていただきたい検査です。
- QフォトンカウンティングCTと従来のCTの違いは何ですか?
- A

空間分解能が優れているフォトンカウンティングCT
専門的な言葉でいうと、フォトンカウンティングCTは従来のCTより空間分解能が優れています。従来のCTよりも非常に細かく画像化できるので、見えづらかった冠動脈の石灰化の内側や、過去に留置したステントの内部までよりクリアにシャープに見え、診断能力の向上につながっています。CTを含めた画像診断で問題になる被ばくの線量も軽減され、使用する造影剤の量が少ないことも特徴です。かなり精密に血管を映し出すことができるので、石灰化がどれくらい進んでいるかが明確にわかるほか、別の検査を追加すれば、狭窄が治療の必要な状態かどうかまで判断することができ、早期に適切な治療につなげることができます。
- Qこちらの病院での検査方法や検査の流れも知りたいです。
- A

循環器内科のスペシャリストが対応する
採血を行う際に使う静脈に点滴で造影剤を注入しながらCT撮影をしていきます。ここでは息をしっかり止めていただく必要があります。心配や緊張で胸がドキドキして脈が早くなってしまう方には、脈拍数を下げるための薬を使うこともあります。検査の準備から検査が終わるまでは15分〜20分程度で、CTを撮影している時間は数秒です。検査結果は、検査後そのままお待ちいただければ、当日外来で結果をお話しすることも可能です。当院では先端のフォトンカウンティングCTを積極的に使用しており、画像診断専門の医師が常駐し検査を行っていますので、安心して受けていただけたらと思います。

太田 洋 副院長
1988年金沢医科大学卒業。板橋中央総合病院には2006年に赴任し、長年にわたって地域医療をけん引してきた。専門分野は冠動脈疾患、冠動脈インターベンション、下肢血管内治療、循環器一般、末梢動脈疾患に対するカテーテル治療。日本循環器学会循環器専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは心臓の総合健診/3万3000円(税込み)





