急な体調不良から外傷まで
断らない小児救急
医療法人社団明芳会 板橋中央総合病院
(東京都 板橋区)
最終更新日:2024/03/22
- 保険診療
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子どもの夜間や休日の急な体調不良や外傷などで、どのように対処したら良いのかわからない。子育てをしたことのある人なら、誰でも一度は経験があるだろう。そのような場合に24時間365日体制で小児救急患者を断らずに受け入れているのが、「板橋中央総合病院」の小児科だ。同院では、発熱や嘔吐、けいれん、呼吸困難などはもちろん、夜間に対応できる医療機関が少ない子どもの外傷なども、積極的に受け入れているという。そんな同院の小児救急の取り組みについて、齋藤宏小児科主任部長に詳しく話を聞いた。(取材日2023年12月20日)
目次
嘔吐、けいれん、呼吸困難などから夜間に受け入れ先が少ない外傷まで小児救急に24時間365日体制で対応
- Q小児科の特徴や強みについて教えてください。
- A
小児科一般の診療に加え、アレルギー、腎臓、循環器、小児外科、小児心理、小児リハビリテーション、頭蓋変形等の専門診療でも、専門性の高い医療を提供。アレルギー診療では、気管支喘息やアトピー性皮膚炎の治療、食物アレルギーの経口負荷試験を実施。腎臓診療では、検尿異常精査から腎炎、腎生検、夜尿症などに対応。循環器診療では、心雑音精査や川崎病の心臓合併症のフォローアップを実施。小児外科では、各小児外科疾患の診察から手術まで対応。子どもの頭の形の外来では、先進のフォトンカウンティングCT検査や頭蓋形状誘導療法に対応し、自由診療のヘルメットの費用にも配慮しています。発達障害のリハビリにも力を入れています。
- Q小児救急にも注力されているそうですね。
- A
24時間365日体制で、基本的にどのような患者さんでも断らないことをめざしています。特に、小児の外傷や交通事故、骨折などの夜間受け入れ可能な施設は非常に限られており、救急隊が搬送先の確保に苦慮することは多々あります。当院では、そのような外傷の子どもたちも積極的に受け入れております。私たち小児科医師で初期対応を行い、緊急手術が必要な子どもは、対応できる医療機関に紹介させていただいております。たとえ小児科病床が満床であっても、他病棟を利用するなどして対応し、本当に断らない小児救急をめざしております。
- Qどのようなときに救急を受診して良いのでしょうか?
- A
多いのは、発熱や腹痛、嘔吐、けいれん、呼吸困難などですが、ご心配で受診を希望される方は、どなたでも救急受診は可能です。救急受診させる判断が難しい場合は、子ども医療電話相談(♯8000)にご連絡いただき、まずは電話でご相談いただければと思います。最近では、救急要請の逼迫(ひっぱく)で本当に必要なときに救急車が来られないといった事態も発生しています。心配で救急車を呼ぶという気持ちは理解できますが、救急車の適正利用にご協力いただきたいと思います。
- Q小児科のホットラインも設けていると伺いました。
- A
地域の連携医療機関向けに小児科のホットラインを設けており、紹介元の先生方が必要なときに、24時間いつでも当院の小児科医師と電話で直接連絡することができます。このホットラインは、緊急入院相談はもちろんのこと、それ以外の診療や検査などのご相談なども可能です。
- Q小児救急において、大切にしていることはありますか?
- A
繰り返しになりますが、救急搬送や受診希望の患者さんを断らないこと。感染症の流行時には小児科病棟が満床になることもありますが、そのような場合でも工夫をしながら受け入れるよう心がけています。安心で安全な医療の提供を最も大切にしながらも、こちらからの医療を押しつけるのではなく、ご家族のご希望やご意見を最大限取り入れることも大切にしています。
齋藤 宏 小児科主任部長
2000年日本大学医学部卒業後、同小児科学教室に入局。駿河台日本大学病院総医局長、日本大学医学部附属板橋病院小児科医局長、マサチューセッツ総合病院リサーチフェロー、ハーバード大学医学大学院講師などを経て2020年より現職。日本小児科学会小児科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医。日本大学医学部小児科臨床教授。
自由診療費用の目安
自由診療とは頭蓋形状誘導療法/27万5000円~