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早めの診断・治療で、QOL向上を
腰部脊柱管狭窄症の手術

国家公務員共済組合連合会 九段坂病院

(東京都 千代田区)

最終更新日:2022/05/23

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  • 保険診療

加齢による椎間板や骨の変形、靱帯の緩み、生まれつき脊柱管が狭いことなどが原因となる腰部脊柱管狭窄症。腰椎の脊柱管が狭くなり、内部にある神経が圧迫されるため、下肢に痛みやしびれなどを引き起こす病気だ。それほど痛くないからと放置していると、手術のタイミングを逃してしまい、元の生活に戻れなくなることも。一方、早めに治療に取りかかれば、手術を回避できる可能性も高いとか。腰部脊柱管狭窄症の症状や手術の重要性などについて、「九段坂病院」で整形外科疾患の診療にあたる中井修整形外科顧問に詳しく聞いた。(取材日2021年3月24日)

検査・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q腰部脊柱管狭窄症にはどのような症状がありますか?
A

腰椎の脊柱管が狭くなり、内部にある神経が圧迫されることで間欠性跛行(かんけつせいはこう)という特徴的な症状が現れます。これは一定の距離を歩くと足の痛みやしびれ、つっぱり感が出て歩行が難しくなりますが、しばらく腰を曲げた前かがみの姿勢で休んでいると症状が緩和し、また歩けるようになるということを繰り返す症状です。神経の圧迫が進んでいくと、休まずに歩ける距離がだんだん短くなっていきます。さらに、症状が悪化すると、安静にしていても痛みやしびれが出ることも。会陰部に違和感が生じたり、排尿や排便がしづらくなったりするケースもあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

Q他の疾患とは、どのように識別されるのでしょうか?
A

末梢動脈疾患も同様に、間欠性跛行を生じることがあります。また、加齢による骨や靱帯などの変形の他、すべり症や椎間板ヘルニアなどの病気に続いて、腰部脊柱管狭窄症を発症することも珍しくありません。そのため、正確な診断が予後を左右する病気だといえるでしょう。なお、診察においては、病歴の問診をはじめ、筋力と腱反射などの身体所見、エックス線検査やMRI検査による画像などを診た上で、総合的に診断を行います。必要に応じて、神経根ブロック、造影検査などの検査を行う場合もあります。

Q手術になるケースについて教えてください。
A

手術に踏み切る場合には、タイミングが大切だといえます。発症から時間が経過すると、神経がダメージを受けてしまい、手術しても元に戻らなくなることがあるからです。患者さんが求めるQOLのレベルにもよりますが、保存的治療で半年ほど様子を見て、改善が見られなければ手術となります。しかし、腰部脊柱管狭窄症は症状が出てすぐに治療に取りかかれば、手術を回避できる可能性も高い病気です。痛みやしびれを感じたら、なるべく早めに受診するようにしましょう。

検査・治療START!ステップで紹介します

1問診・身体所見により、症状や発症時期を確認

症状の出方や出ている部位、その強さ、日常動作との関連、痛くなるまでに歩ける距離や時間、腰を反らすと症状が悪化するかどうか、病歴などを問診で確認。その後、腰椎の可動性、筋力低下や知覚障害の有無、腱反射などの身体所見をチェック。

2エックス線検査、MRI検査の実施

エックス線検査で椎間板変形の程度、すべりといわれる背骨のずれや側弯など不安定性の有無を確認。MRI検査で実際の脊柱管狭窄の部位と程度が評価される。エックス線検査では脊柱管と脊髄の詳しい状態はわからないため、確定診断にはMRI検査が有用となる。

3診断および治療計画の提案、症状に適した治療を開始

問診とMRI検査で脊柱管狭窄に椎間板ヘルニアが関与しているかどうか医師が判断。関与があれば1年以内に自然治癒する可能性が高いため、無理に手術を勧めないという。消炎鎮痛剤などの内服、ブロック注射、適度な運動などの保存的治療を開始。

4改善が見られない場合手術の実施へ

保存的治療を行っても改善が見られなければ、治療開始から半年を目安に手術が検討される。神経の圧迫部位や不安定性の程度により、除圧術か固定術のどちらかの手術を受ける。なお、いずれの手術でも入院が必要となる。

5リハビリテーションと術後の経過観察

術後、翌日から状態に合わせてベッドサイドでリハビリテーションを開始。退院前には、トイレや入浴など日常生活で注意する動作や姿勢の指導も行われる。退院後もしばらくは定期的に通院し、経過観察を受ける。

患者さんへのメッセージ

中井 修 整形外科顧問

1975年東京医科歯科大学医学部卒業。専門分野は脊椎・脊髄。同大学整形外科にて研修後、脊椎疾患の診療・研究に従事。1983年から九段坂病院に勤務。2年間の諏訪中央病院勤務後、1991年に九段坂病院に復帰。2006年から16年間病院長を務め2022年4月より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。東京医科歯科大学医学部整形外科臨床教授。

手術で症状の改善は見込めますが、手術のタイミングを逃してしまうと元の状態に戻らないケースがあることや、原因を見極めることができれば、保存的治療だけで済むケースも多いことは意外に知られていません。MRI検査は脊柱管狭窄症の診断に有用な検査のため、当院では2台のMRIを駆使し、基本的に初診日にMRI検査が可能です。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

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