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医療法人財団厚生会 古川橋病院

(東京都 港区)

鈴木 幸雄 院長

最終更新日:2020/11/25

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患者の声と地域のニーズに応える医療と介護

白金高輪駅から6分ほど。南麻布の町で1924年から地域に根差した診療を続けているのが、「古川橋病院」だ。病院に併設する介護老人保健施設、健診センター、介護予防訓練施設などとあわせて、医療と福祉を一体化した生活支援、健康支援を提供する。「高齢化で独居の方も多い今、病気を診るだけでなく生活をまるごとサポートできる環境が求められていると感じます」と鈴木幸雄院長。就任以来、地域ニーズに合わせて柔軟に体制を整え、現在の形に行き着いたと話す。大病院がひしめく港区だが、地域の人の日常的な症状や生活の不安に寄り添える中小規模の病院は少ない。それだけに、ちょっとした不調でも気軽に外来を受診でき、年齢とともに必要になるさまざまな支援についても相談できる同院の存在は、地元の人にとって非常に心強いものだ。「私たちを信頼してくれる患者さんと、ともに働くスタッフのために、質の高い医療と介護サービスを提供できるより良い病院をめざしていきたい」と話す鈴木院長に、病院の特徴や展望について聞いた。
(取材日2020年9月30日)

南麻布で90年以上の歴史がある病院だと伺いました。

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1924年、私の祖父にあたる初代院長が、麻布区新堀町に開院した「古川橋医院」が当院の前身です。その後、入院設備と診療科目を拡大し、1951年に医療法人財団厚生会を設立しました。建て替えの際に何度か移転していますが、場所は常に南麻布で、地域に根差した診療を続けてきました。祖父はもともと駿河台の病院に勤めていましたが、1923年9月1日に起きた関東大震災で病院が焼失。人手を求めていた近くの病院で、大やけどを負った地元の人たちをたくさん診たそうです。外科医長として皮膚移植を行いながら、「次はもっと地域に近いところで、身近な人を守る医療を提供したい」と考えて開院したと聞きました。私もその意思を受け継ぎ、経営理念の一つに「地域の皆さまに信頼される真心のこもった医療、介護を行います」と掲げています。今後も、周辺にお住まいの方の健康意識や、ニーズの変化に応じて診療体制を整えていきたいですね。

さまざまな施設が併設されているのですね。

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介護老人保健施設「ルネサンス麻布」、予防医療を目的に健康診断を専門に行う施設、要介護になる人を減らすための介護予防訓練施設「EXE(エクゼ)麻布」を併設しています。EXE麻布は、身の回りに手助けが必要な要支援1または2に認定された方を対象に、運動機能の維持・向上をサポートする施設。楽しみながら通っていただけるよう、見晴らしの良い最上階を選びました。内科や整形外科などに通院しながら、定期的な健診と適度な運動で機能を維持し、自宅での生活が難しくなれば在宅復帰に向けたリハビリを提供するというように、住み慣れた地域で暮らし続けるための総合的な支援を医療・福祉の両面から提供できるのが強みですね。急性期後の生活に不安がある際も、ルネサンス麻布への一時入所が可能です。当院の患者さんの多くは高齢で、独居の方も少なくありません。単に病気を診るだけでなく、生活をまるごとサポートする環境が必要だと考えています。

訪問診療も行っておられると伺いました。

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始まりは14年前、近所に住む1人のお年寄りからの「足腰が弱って、今までのように通院できなくなった」という相談がきっかけでした。私と看護師長の2人が訪問診療というかたちでご自宅へお伺いして様子を見るようにしたんです。その後、少しずつ対象の患者さんが増え、今では170名ほどの方のご自宅を私と常勤ドクター3名、ほか4名のスタッフの計8名がチームを組んで、麻布近辺から品川区、大田区のほうまで回っています。経営には経営の面白さがありますが、やはり現場に出て、患者さんが良くなっていく様子や喜ぶ顔を間近で見られるのはこの上ないやりがいですね。これからさらに高齢化が進めば、訪問診療のニーズもさらに高まっていくでしょうから、機能強化型在宅療養支援病院として地域の病院や診療所などと協力しながら、周辺地域を広くカバーしていきたいと思っています。

患者と距離が近く、信頼関係がしっかり構築されている印象です。

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この地で長く診療を続けてきましたから、親子3世代で通ってくださっている患者さんもたくさんいらっしゃいます。町中でお会いすることも多いので、ほとんどの方が顔見知りなんですよ。病院としても、お祭りに参加したり、町内会の活動に協力したりと、積極的に地元の皆さんと関わってきました。先ほどお話しした訪問診療のことも、そうした関係性が土台にあったからこそ患者さんから相談してくれたのではないでしょうか。同時に、どんなに小さくても患者さんの声を聞き逃さないようにする、スタッフの献身的な姿勢と思いやりあふれる接遇の効果も大きいと思っています。常に患者さんの様子に気を配り、話しやすい雰囲気をつくってくれるスタッフには、いつも助けられています。患者さんだけでなく、スタッフにも満足してもらえる病院で在り続けたいですね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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港区は大きな病院が多く、全国から患者さんが訪れますが、その一方で地元の人のちょっとした不安や悩みに応えられる中小規模の病院はどんどん減ってきています。私たちを頼りにしてくださる患者さんのために、何でも相談できる身近なかかりつけ医として、真心のこもった医療と介護を提供していきたいですね。具体的には、訪問診療の件数をさらに増やし、病院に行きたくても行けない方の不安を一つでも多く解消していきたいと思っています。また、区の健康診断の胃の検査ではバリウムか内視鏡かを選ぶことができ、内視鏡検査を希望される方が増えていることから、内視鏡室を増強して対応の幅を広げいく予定です。今後も、「古川橋病院に行って良かった」と言ってもらえる病院をめざしてまいります。

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鈴木 幸雄 院長

1979年、東京慈恵会医科大学卒業。卒業後、大学病院の循環器内科で診療していた際に父親の急病を受け、同院の3代目院長を受け継いだ。院長として多忙な日々を送る傍ら、今も週に1度はオンコールに対応し、スタッフとともに訪問診療も担当する。「患者さんが良くなっていくのを見るのが何より幸せ」と話す、愛あるドクターだ。

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