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医療法人横浜未来ヘルスケアシステム 戸塚共立第1病院

(神奈川県 横浜市戸塚区)

村井 紀元 院長

最終更新日:2024/02/14

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地域の未来を見据えて必要な医療を提供

1946年の開院以来「何かあったら共立へ」と地域から親しまれてきた「戸塚共立第1病院」は、コロナ禍の中でも地域に必要な医療を提供し続けてきた。村井紀元院長は「診療控えをされていたからなのか、進行した消化器がんの方が増えたように思います」と心配する。「当院は24時間365日対応の救急医療と、消化器分野に強みを持つ地域密着の病院です。救急はなるべくお断りしないよう、幅広く対応できる医師を中心に当直として配置。消化器分野は内視鏡での検査、早期がんの治療も得意としていますから早めに検査に来ていただきたいですね」。さらに同院では腹腔鏡による外科手術を積極的に行い、鼠径ヘルニアの治療では日帰り手術にも対応するなど、患者の体に負担をかけにくい治療にも注力する。また、同院は地域の医療機関のほか、母体となる「横浜未来ヘルスケアシステム」が持つ医療機関、福祉施設とも協力し、地域の医療・福祉・介護の充実を図っている。新病院の新築移転により診療科や設備の拡充も検討している同院の現状と未来について、村井院長に詳しく聞いた。(取材日2023年10月6日)

コロナ禍を経て診療状況などはいかがでしょうか。

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当院は戸塚駅のすぐそばで、80年近く診療を続ける地域に根ざした病院です。2020年から本格化したコロナ禍では、神奈川モデル協力医療機関として、陽性者の受け入れと発熱専門の外来で必要な方にPCR検査が受けられるよう手配するなど、可能な限り対応しました。同時に従来通りの地域医療に徹し、内科、外科、整形外科のほか、消化器や脳神経などの専門分野で患者さんを診ています。特に救急の受け入れ、内視鏡による消化器がんの早期発見と治療に力を入れていますが、最近気になるのは、かなり進行した消化器がんの方が多いこと。おそらくコロナ禍の間に受診控えをされて、検診をしばらく受けておられなかったのでしょう。同様の方は多いはずですから、早めに検査に来ていただきたいですね。また、同じ医療法人の第2病院は心臓などの循環器分野やスポーツ整形分野が強く、患者さんの病状によって担当する病院を変えるなど連携して診療しています。

消化器分野ではどのような強みがありますか?

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消化器内科と消化器外科が連携した消化器センターで一体的に患者さんを診て、適した治療を行える点が強みです。消化器内科は内視鏡を用いて上部消化管および下部消化管の検査、治療を行っています。やや大きめの早期がんの切除も図れるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を積極的に行い、すい臓、胆のう、胆管のがんや胆石の検査・治療ができるERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)も実施可能です。必要な際にはセンターで緊急の内視鏡検査や外科手術にも対応。また、消化器外科では手術の多くを患者さんの体に負担の少ない腹腔鏡下手術で行い、胆のう炎、急性虫垂炎のほか、胃がんや大腸がんも腹腔鏡下での手術が可能です。ただ、近年のがん治療は手術に加え、抗がん剤を使うことも多く、当院では聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科の協力を得て、患者さんに合った抗がん剤の選択、治療開始時期の見極めができるよう尽力しています。

消化器以外の外科分野での特徴を教えてください。

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2022年から鼠径ヘルニアに特化した外来診療を強化し、腹腔鏡下の手術も行っています。腹腔鏡を使うと患者さんの体への負担が軽く、術後の経過も良好なケースが多いため、日帰り手術も可能になります。そのほか胆石による胆のう炎も腹腔鏡下の手術で対応しています。急を要する患者さんは、診療時間外でも手術を行うこともありますが、こういった緊急対応に当院のスタッフは非常に協力的。「患者さんにしっかりとした治療を提供し早く良くしたい」との思いが強いのでしょう。整形外科は転倒骨折など外傷の治療が多く、加齢による関節の痛みや違和感の治療も増えていますが、治療後のリハビリテーションを充実させて身体機能の回復を支援しています。呼吸器センターでは気胸や呼吸器がんの治療を胸腔鏡で行っていて、地域の身近な病院でこうした治療ができることは当院の強みの一つといえます。睡眠時無呼吸症候群の診断・治療も対応しています。

救急隊と協力した救急医療など地域連携はどうされていますか?

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当院は24時間365日、救急の患者さんを受け入れる二次救急医療機関で、症状によってお断りするケースを減らすため、救急医療に慣れた内科系、外科系の医師が当直し、整形外科や脳神経外科による専門当直も設けています。横浜市の救急隊とも密接に連携し、定期的に当院の救急担当の医師が勉強会を開くなど情報交換にも力を入れています。さらに消化器センターでは、登録された地域の先生方を対象に、当院の医師に直接つながるホットラインを提供。このほか、通常の患者さんのご紹介は地域医療連携課が担当します。同課のスタッフと担当看護師が協力して、近隣の医療機関や介護施設との連携を深め、スムーズな入院調整、退院後の回復支援を行う施設選びのご相談などを行います。定期的に地域の先生方を訪ねて情報交換に努めるほか、紹介いただいた患者さんの治療状況は逐一書面でお伝えするなど、信頼関係をしっかり築いてくれていると感じています。

地域医療に対するお考えや今後の展望をお聞かせください。

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私の専門が消化器外科なので、地域で増えている大腸がん、肝臓がん、すい臓がんなどの患者さんを少しでも減らしたいとの思いがあります。特に大腸がんは罹患する方も亡くなる方も多く、早期の検診と治療をもっと強化する必要があるでしょう。がんの専門病院でなくても、当院で内視鏡や腹腔鏡による治療、抗がん剤治療ができますから、もっとご利用いただければと思います。また、今後の展望としては院内がかなり手狭になり、建物自体も老朽化が進んだため、戸塚駅からさほど遠くない場所に病院を新築し、移転することを予定しています。手術室を増やして救急医療のスペースも広げるなど、医療環境の充実を図るほか、脳神経外科など診療科の拡充、手術支援ロボットの導入も検討中で、地域の医療ニーズに応えながら今後も診療を続けていきます。設計ではアメニティにもこだわり、患者さんにも職員にも居心地の良い空間づくりをめざしたいですね。

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村井 紀元 院長

1993年昭和大学医学部卒業後、同医学部外科に入局。専門は消化器外科、特に腹腔鏡手術や肝胆膵の手術を得意とする。昭和大学病院やその関連病院で経験を積み、2003年東京大学医学部附属病院の肝移植チームで研鑚。2005年より江東病院で外科部長を務め、2011年戸塚共立第1病院外科入職。2020年4月から現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。

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