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医療法人社団仁明会 秋山脳神経外科病院

(神奈川県 横浜市港南区)

秋山 武和 病院長

最終更新日:2021/04/22

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脳神経外科の専門医療を、地域に迅速に提供

脳神経外科の専門病院として30年以上も診療を続ける「秋山脳神経外科病院」は、脳卒中、脳腫瘍、脳動脈瘤、顔面けいれん、三叉神経痛などを主な診療対象とする。同院の秋山武和病院長は、その中でも脳卒中の超急性期治療に注力していると話す。「脳卒中は患者さんの生命を左右し、体の麻痺や言語障害などが残ることも多い病気。しかし、発症後すぐに適切な治療とリハビリテーションを行えば、発症前と遜色ないレベルまでの回復が望めるようになってきました」。このため同院では24時間365日の救急医療に対応し、救急車の到着から迅速に治療が始められるよう院内の設備や受け入れ体制を整備。また頭部外傷、脳腫瘍などの専門家も在籍し、頭痛や認知症、整形外科などの外来診療も行う。さらに慢性期病院などとの地域連携も整え、頭や神経に関する日常的な診療から、専門治療、リハビリまで広く対応できるようになった。「フットワークの良さと脳神経外科領域の専門性を生かし、頭のことならば、軽症でも重症でも対応できる、地域の皆さんに頼りにしていただける病院をめざしたい」と語る秋山病院長に同院の特色や今後の展開などを聞いた。(取材日2020年11月6日)

この病院の特色や成り立ちなどを教えてください。

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当院は脳神経外科の高度専門医療を身近な場所でご提供する脳神経外科専門病院です。祖父が開設した内科のクリニックを、父が受け継ぐ際に脳神経外科専門病院としたのが始まりで、すでに30年以上の診療実績を持っています。以前は港南中央で診療を行っていましたが、2017年9月に現在の上永谷駅近くに新築移転。高解像の3.0テスラMRIなど先進的な設備を導入し、脳神経外科の高度医療を迅速に提供できる体制と、患者さんの早期回復に必要な急性期リハビリテーションを充実させた病院に生まれ変わりました。脳神経外科の救急医療は時間との勝負ともいわれ、数十分の遅れが患者さんの治療・回復に大きく影響します。このため当院では1階に救急の外来、CT検査室、MRI検査室を、3階に手術室、カテーテル治療室を設け、迅速な検査・診断・治療ができる環境を整えました。救急車で到着した脳梗塞の患者さんは、早ければ20分で治療を始められます。

どのような診療を行っていますか?

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脳梗塞・脳出血・くも膜下出血を含む脳卒中、脳腫瘍、脳動脈瘤、頭部外傷のほか、顔面けいれん、三叉神経痛などを主に診ています。また、脳卒中を中心に24時間365日の救急医療にも対応し、脳卒中専用の集中治療室SCUも6床設けました。脳卒中は発症早期の適切な治療、早期からのリハビリテーションが患者さんの回復度を大きく左右するため、当院では医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフという多職種によるチームが協力して対応にあたっています。脳の血管が目詰まりして起こる脳梗塞は、発症から4.5時間以内なら薬剤で血管を再開通させる目的のtPA静注療法を、薬剤での対応が難しいケースにはカテーテルでの血栓回収を行います。また、体の麻痺や言語障害などが残る可能性も高い脳卒中は、理学療法士・作業療法士、言語聴覚士の協力が欠かせません。当院には言語聴覚士が3人在籍し、早期から言語障害を防止・軽減するための指導を行います。

カテーテル治療のメリットはなんでしょうか?

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患者さんの頭をメスで開くことなく、脳血管の病気を治療できる可能性があることです。カテーテルは足の付け根から挿入して脳血管まで到達させ、エックス線で頭部の状況を確認しながら、血管の内側から脳梗塞や脳動脈瘤を治療していくものです。脳梗塞ではステントやバルーンと呼ばれる器具で血栓を回収し、詰まった血管を広げていきます。脳動脈瘤は「脳動脈瘤コイル塞栓術」にも対応しています。脳ドックで未破裂動脈瘤が見つかった方も、どうぞご相談ください。だだ、従来の開頭による手術が適しているケースもあるため、当院では患者さんにとって適切な治療法を選んでご提供しています。また慶應義塾大学病院と密接に連携しており、脳腫瘍をはじめ高度な治療が必要な患者さんについてはご紹介しています。加えて慶應義塾大学病院から派遣された専門の医師が手術に加わり、頭部の最深部にある頭蓋底腫瘍に対する内視鏡治療なども行っています。

顔面けいれん、三叉神経痛の治療について教えてください。

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顔面けいれんは片側の上下のまぶた、頬、口角にピクピクとけいれんが起こり、進行すると頬の引きつれ、片目が開けられないなどの症状が現れます。また、三叉神経痛は冷たい空気に触れる、歯を磨く、食事をするなどをきっかけに、片側の顔面、口の中、歯茎などに激しい痛みが起こる病気です。これらは顔の運動に関わる顔面神経、顔の感覚に関わる三叉神経が血管に圧迫されるのが主な原因。当院ではけいれんや痛みを和らげるための薬物療法に加え、圧迫している血管を移動させて神経への影響を低減する目的の手術を得意としています。手術は耳の後ろを500円玉ほどの大きさに切開して行いますが、患者さんを横向きに寝かせる術式が一般的なのに対し、当院では仰向けの自然な体勢で行う術式が特徴です。こうすると脳や脳神経への負担がかかりにくく、手術後の神経障害も出にくいといったメリットもあり、副院長の矢崎貴仁先生は特にこの術式に習熟しています。

今後の展望についてお聞かせください。

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横浜市南部の脳神経外科医療の中核病院として脳神経外科領域の高度専門医療と、治療後の社会復帰まで見据えた積極的なリハビリテーションで、地域に貢献したいと考えています。特に脳卒中の患者さんは退院後の慢性期治療、在宅医療までの計画的・系統的なフォローが必要なため、当院では脳の病気とその予後に関する専門知識を持つリハビリスタッフが多数在籍し、早期からリハビリテーションを行います。加えて以前から近隣のリハビリテーション病院や開業医の先生方、療養型施設などとの連携体制の強化を図り、地域の中で継続的にリハビリテーションをご提供する体制を整えてきました。また、外来診療では脳神経外科、内科、整形外科などを設けており、頭痛や認知症、めまいなどを主訴とする患者さんが多く来院されています。今後も精密検査が必要な場合は、できるだけその日のうちにMRIによる画像診断を行い、迅速な診断と治療に努めてまいります。

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秋山 武和 病院長

2001年慶應義塾大学医学部卒業後、同学部外科学教室研修医を経て、脳神経外科に入局。慶應義塾大学病院、関連病院、脳神経外科専門病院での診療後、2011年秋山脳神経外科病院副院長に就任。2017年から現職。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医。専門は脳神経外科全般、脳血管内治療、神経内視鏡、脳卒中救急医療。「患者を思いやる気持ちを大切にする」がモットー。

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