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昭和大学歯科病院

(東京都 大田区)

槇 宏太郎 病院長

最終更新日:2024/07/11

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高度かつ先進の医療で地域の歯科医療に貢献

理念として「至誠一貫」を掲げる昭和大学の付属歯科病院として、真心を尽くして困っている患者を全力で治療することをモットーにする「昭和大学歯科病院」。日本の歯科医療をけん引すべく歯科の広い分野で常に先端の医療を切り開いてきた同院では、高齢化が進む中、口腔内の治療を行うだけではなく、昭和大学病院をはじめとする医科との連携による周術期の口腔管理や、全身の病気の予防など、ますますその役割を広げている。2023年4月に2度目の就任となった槇宏太郎病院長は、矯正歯科を専門とし、中でもマウスピース型装置による矯正に精通。これまでの治療経験と専門知識を生かしてトラブルをなくすための啓発活動や治療技術向上のための勉強会を開催し後進の育成に努める。また、近隣地域の歯科医師会との連携にも注力。院内の職員同士はもとより、医科、地域とのさまざまな形の協力体制を築くことでより良い医療を患者に届けていく。歯科衛生士の教育などさまざまな角度から同院の発展をめざす槇病院長に、同院の取り組みについて聞いた。(取材日2023年7月11日)

貴院が力を入れていることについて教えてください。

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1つは、大学病院として先進的な医療を取り入れることです。今は歯科治療もデジタル化が進んでいますが、早くからデジタル化を推進し、歯科用CTの開発やより実践的な臨床教育のための歯科患者ロボットの利用、CAD/CAMシステムによる補綴物の製作や、私の専門である矯正分野ではマウスピース型装置を用いた矯正も導入してきました。インプラント治療では難症例も多く扱っているほか、歯科口腔外科にはナビゲーションシステムも設置し、より精緻な外科手術を行っています。このように先進的な技術をどんどん取り入れていますが、一方で、先進的な医療のすべてが良いものとは限りません。患者さんにとって有益な治療を提供できるよう、一つ一つ欠点を克服しながら、少しずつ取り入れていくことが大切だと考えています。

医科との連携について、どのように取り組んでいますか?

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当院が今、最も力を入れているのが昭和大学医学部との連携です。例えば、心臓の病気があって手術をするとします。そこで重要になってくるのが口腔内の状態です。口腔内が健康に保たれていないと菌が全身に回りやすくなり、予後に影響する恐れがあるといわれていることから、昭和大学では口腔管理が重要と捉え、本院をはじめすべての付属病院で手術をする患者さんの口腔ケアを歯学部が担うという試みを始めており、各病院に当院から歯科医師を派遣する体制を整えているところです。今後日本ではこういった連携が、呼吸器、消化器、循環器、脳神経外科の疾患、認知症やフレイルの予防など幅広い分野で必要になってくると思います。歯科が独立して歯科治療を行う時代はもう終わり、歯科が何に役に立っているかにフォーカスして、必要とされるところで尽力するというのが今の時代の歯科の在り方でしょう。

後進の育成のために先生が取り組まれていることはありますか?

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マウスピース型装置による矯正のトラブルが後を断ちません。正しい情報を外部に発信していくことも専門家としての役割だと考え、マウスピース型装置による矯正の留意点を日本歯科医師会雑誌に寄稿したところ反響が大きく、以来、講演会などで啓発をしています。また、7、8年前から矯正に悩む先生を当院に集めて、過去の事例をもとに指導をするという勉強会を開催しています。日々の矯正の中で難しい症例はたくさんあるのですが、世の中に発表されるものは良い面のみで、それは非常におかしなことです。学生の教育の基本は失敗学であり、これをやると失敗するよ、これ以上はリカバリーできないよということを教えるのが教育の最低ラインです。医療安全の面からもインシデントや起きてしまったアクシデントをもとに、なぜそういったことが起こったかを分析する学問を取り入れていければと思います。

地域連携はどのように行っていますか?

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当院の歯科医師と紹介元の地域の先生との2人主治医制を推奨し、専門的な治療の依頼を受けた後は必ず患者さんを地域にお戻しし、相互にフォローをしていくようにしています。協力歯科医院はかなり増えていて、2023年4月にお声かけをしてから、逆紹介先の先生がこれまでの件数の約3倍になりました。近隣地域にある、荏原歯科医師会、蒲田歯科医師会、大森歯科医師会、品川歯科医師会、目黒区歯科医師会、世田谷区歯科医師会、玉川歯科医師会の7つの歯科医師会と密接に連携していきたいですね。実は2013年の最初の病院長就任時には、玉川歯科医師会の会長と協力して、歯科医師会の先生が病気で倒れたときには病院から歯科医師を派遣していました。とても喜んでいただいて成功だったので、そういった連携体制も復活させていく予定です。

病院長としての抱負や地域の方へのメッセージをお願いします。

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今、職員全員と面談中ですが、若い職員が夢や希望を持って仕事をしてくれているようで安心しました。同時に現場が抱えている課題もわかったので、改善できることから取り組んでいければと思います。その1つとして、今後診療時間を2交代制とする予定です。8時半から15時半までと12時半から19時までの2チームにすることで、患者さんが一定の時間に集中することもなく、学校や仕事でこれまで診療時間に間に合わなかった人も受診できるようにします。歯科はあまり行きたくない場所だという人もいると思いますが、今は変わってきています。全身の健康に役立つ治療がたくさんあり、痛みから解き放たれ、食べられなかったものが食べられるようになり、口腔内もきれいになり、さまざまな面で良い方向に向かうといったことが期待できます。嫌がらず、躊躇せずに受診してください。フレンドリーな歯科病院ですので怖がらずに来ていただきたいです。

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槇 宏太郎 病院長

1984年昭和大学歯学部卒業、1989年同大学大学院修了。1998年UCSF留学。2005年より昭和大学歯科病院副院長。バーゼル大学客員教授。早稲田大学理工学術院客員教授、昭和大学歯科病院病院長を歴任。2019年より昭和大学の歯学部長、矯正学講座教授、昭和大学歯科病院の矯正歯科診療科長に就任。2023年4月より現職。

自由診療費用の目安

自由診療とは

マウスピース型装置を用いた矯正/80万円〜、インプラント治療/45万円~

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