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兵庫県立西宮総合医療センター

(兵庫県 西宮市)

野口 眞三郎 院長

最終更新日:2026/09/24

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先進設備を生かして地域医療の中核を担う

「兵庫県立西宮総合医療センター」は、兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院が統合・再編する形で誕生した。両病院は長年にわたり地域医療を支えてきたが、施設の老朽化や高度化する医療への対応を背景に統合再編が進められ、2026年7月、地域医療の新たな拠点としてスタートを切った。552の病床と豊富な診療科を擁する基幹病院で、救命救急センターや地域周産期母子医療センターも備え、がん診療、脳卒中や心疾患、腎疾患など幅広い診療に対応。地域の医療機関との連携を一層強化し、救急医療から専門医療、退院後の支援まで切れ目のない医療の提供をめざしている。さらに、感染症や災害医療にも対応できる機能を集約。ハイブリッドERやハイブリッドOR、ロボット支援手術など先進的な設備を導入し、デジタル技術を活用した「スマートホスピタル」として、患者へのより質の高い医療の提供と、医療従事者の業務環境の充実にも注力している。「総合医療センターの名にふさわしい病院になったと思います」と話す野口眞三郎院長に、新病院誕生の経緯や診療の特色、地域医療への思い、今後の展望などについて話を聞いた。(取材日2026年7月28日)

新病院が誕生した背景、病院の概要などを教えてください。

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兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院が統合して当院が誕生しました。両病院とも長く地域医療を支えてきた病院です。しかし、施設の老朽化が進んでおり、新しい医療への対応が難しくなってきたため、2016年から統合再編に向けての議論がスタートしました。私自身は2019年から兵庫県立西宮病院の院長として統合再編に携わっており、途中、新型コロナウイルスの感染拡大や建築資材の高騰など、さまざまな問題もありましたが、いろいろな方の協力を得て2026年7月1日に開院することができました。当院は阪急今津線の阪神国道駅からすぐの場所にあり、国道2号に面しているので、アクセスの良い立地です。延べ床面積も約5万4000平方メートルと、兵庫県立西宮病院の約2倍あり、広くてゆったりした造りになっています。35診療科を擁し、医師も増員していますので、「総合医療センター」の名前にふさわしい病院になったと考えています。

特に注力されている診療はありますか?

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とりわけ救急医療には力を入れています。困っている患者さんにすぐに治療を提供することは、非常に大切な病院の役割だと思うからです。当院は敷地内に西宮市消防局の救急ワークステーションがあり、救急隊が常駐しているので、救命救急センターの医師が救急車に乗って現場へ直行することも可能です。ステーションには若い救急救命士も多く、実践的な教育の場としても機能します。さらに、ハイブリッドERを導入している点も当院の救命救急センターの大きな特徴です。通常の施設では、重症患者さんが搬送されると、CT検査や血管内治療など、処置の種類に応じて患者さんの移動が必要です。ストレッチャーへの移し替えも大変です。ハイブリッドERならそうした処置を同じ部屋でシームレスに提供でき、移動の手間がないことはもちろん、必要な治療を提供するまでの時間を短縮でき、救うことが難しい命が救われる可能性も十分あると期待しています。

感染症や災害の対策にも注力されているそうですね。

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新病院の計画中に新型コロナウイルス感染症のパンデミックがありたいへん苦労しました。当院は感染症指定医療機関ではありませんが、当時の経験を生かし、指定医療機関に匹敵する機能を備えています。例えば、感染症患者さん専用の入り口やエレベーターがあり、動線の確保ができたり、室内の空気が外に漏れない陰圧室が随所にあり、感染症患者さんの手術、透析なども対応可能です。また、西宮は震災を経験したので、当院は災害に強い病院として整備を進めた災害拠点病院でもあります。建物は免震構造を採用しており、屋上にはヘリポートを備えているのが特徴です。これまでの水害の記録をもとに、病院は1.5メートルほどかさ上げした地面に建っています。災害時に多くの患者さんに対応できるよう、1階のエントランスや講堂をトリアージエリア・応急処置エリアとしており、壁面には酸素供給設備や医療器具を接続するための電源コンセントを設置しています。

先進的なデジタル技術を活用されていると伺いました。

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スマートホスピタルをめざして、デジタル技術を積極的に導入しています。スタッフが医療用のスマートフォンを携帯しており、電子カルテにアクセスできるだけでなく、検査データや患者さんの情報が瞬時に共有できるなど、スムーズな診療に役立つと期待しています。また、これまで電話やファクスで受けつけていた地域のクリニックからの患者紹介にウェブ予約を導入しました。入院手続きに伴うクリニックの先生方の負担を軽減でき、患者さんはご自身で入院予約の調整や確認が可能です。当院で治療を終えられた患者さんが転院される際も、受け入れ可能な病院探しにウェブを活用しています。さらに、「医療従事者も働きたくなるようなスマートホスピタル」をスローガンに、スタッフの労働環境の整備にも注力しています。育児中の職員も働きやすいように保育所を備えており、各自のスキルアップのために、研鑽・勉強の機会を積極的に提供していく予定です。

病院の今後の目標をお聞かせください。

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2つの公立病院を統合した県立の病院として、ふさわしいかたちで地域医療に引き続き貢献していきたいと考えています。例えば、兵庫県立西宮病院では8室だった手術室が現在は12室に増え、血管撮影装置と手術室を一体化したハイブリッドORを備えました。整形外科の領域では関節の手術にロボットを、脳神経外科では脳の表面手術に高精細の3次元カメラを導入するなどしており、こうした先進的な設備を活用することで、さらにレベルの高い手術を提供できる体制が整えられたと思います。ただし、単に患者さんを集めるというのではなく、地域のクリニックや病院との協力関係を大切にしていくべきです。当院の周辺には大学病院があり、大規模な基幹病院もあります。高度な専門的治療を提供している病院も多く、そうした病院と協力し合って、お互いがそれぞれの特長を生かして地域医療に貢献していきたいですね。当院の今後にご期待ください。

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野口 眞三郎 院長

1980年、大阪大学医学部卒。大阪府立成人病センター、大阪大学大学院医学系研究科乳腺内分泌外科・教授などを経て、2019年兵庫県立西宮病院・院長に就任。2026年7月より現職。専門は乳腺内分泌外科。患者の前では常に笑顔でいることを心がけ、医師の大切な姿勢として後進に伝え続ける。学ぶことが好きで大学を離れた現在も医学の進歩を知るため、できるだけさまざまな領域の最新情報に触れるようにしている。

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