医療法人社団プログレス 四日市消化器病センター
(三重県 四日市市)
石原 知明 病院長
最終更新日:2026/05/22


透析、消化器内科を軸に住民の健康を守る
1987年、人工透析診療を中心に据えた有床診療所「三愛クリニック」として三重県菰野町に開院。2002年、増床により三愛病院となり、2008年に現在の院名「四日市消化器病センター」に改称。2017年、四日市市の公募事業により現在地に新築移転となった。透析と消化器内科を2本柱に、肝臓がんの手術、眼科の各種手術、整形外科疾患の保存療法、リハビリテーションなどにも対応する。石原知明病院長は、地域における同院の役割として、「地域に貢献するために、専門病院ならではの高いスキルを持つ医療スタッフをそろえること」を挙げ、人材育成も重視。セミナーや勉強会に参加を希望するスタッフのために費用を補助する体制を整えている。朗らかで笑顔の絶えない石原院長は、外来でも患者とよく話すという。「元気で長生きしてもらいたいから、薬を渡して終わりではなく、なぜこの検査や治療が必要かエビデンスに基づいて丁寧に話します」と語り、誠実さをにじませる。生活習慣病を放っておいたらどうなるか、間近でその経過を見てきただけに、地域住民の健康維持に真摯に取り組んでいるそうだ。(取材日2026年3月11日)
病院の成り立ちや特徴について教えてください。

当院は1987年、私の父が人工透析設備のある三愛クリニックを開業したのが始まりです。 当時から透析患者さんの多くが糖尿病性腎症の進行から透析導入に至り、すでに糖尿病性網膜症の状態で、視力低下に困っておられました。また副甲状腺機能亢進から骨がもろくなって骨折しやすくなるため、患者さんのニーズに応える形で、眼科、整形外科が増設されました。その後、名称変更を経て、2017年、現在地に新築移転。移転前、肝臓が専門の私が当院へ戻った頃から消化器内科専門の医師が増え現在の形になっていきました。透析の患者さんは、自院での導入以外に、近隣の病院からの紹介も多くいらっしゃいます。通院される方には、無料の送迎サービスも。入院の場合は、透析病棟の病室での透析が可能で、国内でも珍しいそうです。これは患者さんの負担も少なく、当院のスタッフにとっても移動時間の短縮や透析開始の時間調整などのメリットがあります。
眼科や整形外科、リハビリについて教えてください。

眼科では、糖尿病網膜症の治療をはじめ、網膜剥離、黄斑円孔、白内障、緑内障、眼瞼下垂などの治療、手術を行っています。日帰り、入院どちらも応じられ、特に遠方からぜひ当院で手術を受けたいとお越しいただく患者さまも多いです。担当医師は、難しい手術を得意としていて、傷は小さく、短時間で済ませることを心がけています。整形外科ではCT、MRIなどの画像検査を駆使して病状を評価、全身麻酔手術については市立・県立病院などにお任せしますが、当院では侵襲の少ない手術や保存的治療を中心に、けがや術後回復期の方、脳卒中による後遺症のある方を対象にリハビリ部門に力を入れています。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそろい、若い人やお子さんも来られ、特にお子さんには遊具を使うなどして専門スタッフが対応しています。
先生のご専門である肝臓や消化器内科についても教えてください。

以前、肝臓内科で主流であったC型肝炎、B型肝炎への抗ウイルス治療は減少傾向で、最近は検診で要注意とされた脂肪肝の方が増えている印象です。脂肪肝の一部は脂肪肝炎から肝硬変、肝がんへと進行するリスクもあり侮れません。私は予防医療にも携わっているので、生活習慣指導には時間をかけています。肝臓がんの手術は、主に三重大学からの医師が担当。カテーテル手術となる肝動脈化学塞栓療法は私の気心の知れた同級生が担当。抗がん剤治療やエコーを使ったラジオ波焼灼療法を行うのは私の後輩で、肝臓診療の世界ではよく知られている医師なんです。肝臓がんは少しでも焼き残しがあれば再発リスクが上がり、かといって焼きすぎると肝機能が落ちてしまう。その点、彼は高度な技術で高い専門性を発揮しています。胃・大腸検査や内視鏡的ポリープ切除術を担当する医師も経験豊富です。医療の質は優れた医師や看護師、スタッフで決まるのだと実感させられます。
人材の育成にも力を入れられているのですね。

当院の理念は「東京の医療を四日市で」です。地域の医療はその地域で行うのが理想だと思うんです。そのためにもスタッフの育成には非常に力を入れています。専門分野別にスタッフを構成し、例えば「肝臓チーム」は外来、病棟、オペ、周術期管理の一連を観察、肝炎コーディネーターもいます。同様に「内視鏡チーム」があり、安全性に配慮し、常に技術力の向上を意識しつつ内視鏡を行ってくれています。「眼科チーム」「透析シャント管理チーム」もあり、それぞれの手術で直接的、間接的に介助する看護師、技師を切磋琢磨しながら複数人養成。やる気のある人を応援するため、新しい知識を学ぶための費用も補助。昨年は、全国的な学術研究発表の場で「肝臓がんの周術期管理」について肝臓チームの看護師がパネルディスカッションで発表しました。会場では、たいへん好評で、スタッフのモチベーションにもつながっています。
今後の展望についてお聞かせください。

当院は専門領域を強みとしていますので、医療の進歩についていかなければ専門を語れなくなり、地域の信頼を失っていきます。そのためには、スタッフの積極的な学びを促し、有用な資格を取らなければならないという雰囲気をつくり、そのための援助をしっかり行います。一方で、その治療を必要としなくなる「予防医療」にも力を入れています。現在3人の保健師、3人の管理栄養士からなる「予防医療チーム」があり、早期発見・早期治療の重要さをアピールしています。地域のショッピングセンターや病院記念祭などさまざまなイベントを通じて啓発活動を行い、当院でも行っている検診、人間ドックの結果から受診勧奨までのフォローはこれからもっと力を入れていきたいと思います。とにかく「四日市消化器病センターに行けば元気で長生きできる」と評判になってくれるとうれしいですね。

石原 知明 病院長
1993年三重大学医学部卒業。同大病院、三重県立総合医療センターでの研修を終え、三重大学大学院修了。その後、岡波病院、四日市羽津医療センターなどでの勤務を経て当時菰野町にあった四日市消化器病センターに入職。現在地に移転後、医療法人社団プログレス理事長に就任。2023年より病院長を兼務。日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック(税込み)3万3000円〜





