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大阪医科薬科大学病院

(大阪府 高槻市)

勝間田 敬弘 病院長

最終更新日:2024/07/10

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先進的な医療と地域医療の両翼を担う病院 

高度かつ先進的な医療を担う特定機能病院であると同時に、大阪府北部の地域医療を支える要としての役割を持つ「大阪医科薬科大学病院」。2027年に旧大阪医科大学の創立から数えて100周年を迎える同院では、記念事業の一環として2022年に新本館A棟を開設。2025年にはB棟が完成する予定だ。A棟には、地域の三次救急医療機関として救命救急センターを含む中央診療部門が設けられ、開設から多くの患者を受け入れてきた。標準のがん治療だけでなく、がんゲノム診療やがん患者の療養生活への支援に取り組むがん医療総合センター、病棟には専属のリハビリテーション室も設置。B棟には、病院開設以来初となるユニット制の外来が敷かれ、患者は一つのユニットで、さまざまな科の受診ができるようになるという。病院内のDXにも注力し近未来型の病院へと進化する同院だが、その根底にあるのは「温かい病院」だと話す勝間田敬弘病院長。2024年4月の病院長就任以来、「スーパースマートホスピタル」と「温かい病院」の融合をめざし尽力する勝間田病院長に、同院のめざす医療について話を聞いた。(取材日2024年6月3日)

現在注力されているのはどの診療分野ですか?

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三次救急医療機関として救急医療に力を入れています。2022年7月に開設された救命救急センターでは、「断らない救急」を一番のモットーとし、社会問題にもなっている病院のたらい回しの事例などを鑑み、断らない救急をめざして、開設当初から患者さんの積極的な受け入れに取り組んできました。これが実現できているのは、2016年に新しい設備を導入した中央手術棟の存在があります。開設当初からいつでも手術に対応できる手術室をめざして稼働しており、そのインフラが整備された上で、満を持して救命救急センターを開設しました。そのため当院は、特に緊急手術、あるいは緊急的な治療に応需する体制が整っています。救命救急センターには手術室と先進の診断機器、集中治療室などを設けていることも当院の救急医療を支える大きな特徴です。

中央手術棟についてお聞かせください。

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中央手術棟は全20室の手術室を備えており、そのうち2室はロボット手術室、2室はハイブリッド手術室です。ハイブリッド手術室には、手術台に画像診断装置が併設され、例えばCTを撮りながら手術を進めたり、血管造影あるいはカテーテル検査の際のエックス線透視装置を併用したりしながら手術が行えます。先進的な治療や手術が常に行える環境が整備されており、1年間あたりの手術件数は着実に伸びています。また「24時間体制で断らない手術室」を実施しており、救急医療、緊急の手術に対応しています。先進的な治療への取り組みや治療機器の開発にも取り組んでいます。

新本館の機能についてはいかがでしょう。

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新本館のA棟は12階建てで、そこには先ほどお話しした救命救急センターやがん医療総合センターがあります。今はがん遺伝子パネル検査を実践して、個々の患者さんに最適ながん治療を選択する時代です。当院は、そのような医療への取り組みを積極的に行うがんゲノム医療連携病院に指定されており、がんゲノム医療管理室の機能を有しています。また、抗がん剤の調剤ロボットが導入されている他、患者さんとご家族のQOLを維持するため、身体的な苦痛、精神的な苦痛、経済的な負担、自宅でのケア方法などの相談を一手に引き受けるがん相談支援センターも設置しています。A棟内の脳神経外科と循環器内科の病棟には、リハビリテーション室が設置されていることも大きな特徴です。理学療法士が早期から入院患者さんのリハビリテーションにあたる他、病院全体で休日のリハビリテーションに注力し、途絶えることのないリハビリテーション環境を整えています。

2025年にはB棟の開院が控えていますね。

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B棟の大きな特徴は、外来部門に当院初の取り組みであるユニット制を敷くことです。臓器別あるいは疾患別でユニットを立ち上げ、複数の診療科の医師が協働しやすい環境が整備されます。B棟開設を機に病院全体のDXを推し進め、患者さんが病院内のどこにおられても受診までの待ち時間、何番目の状態かを確認することができるスマート外来案内システムの導入、リアルタイムで病床の利用状況が確認できる病床管理システム、手術室や検査室の空きを管理するシステムも稼働します。また、検体の取り違えを防ぐ検体情報統括管理システム、タブレット端末を用いた医療者間の通信システムなど、DXを進めることで、医療者間の情報共有や患者さんと医療者、患者さんと医療情報との距離が近づき、利便性や安全性を高めることをめざしています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当院は2020年から「スーパースマートホスピタル」をめざして、さまざまなハードとソフトを整備してきました。また、新型感染症の時代から脱却し、2024年の4月からはもう一度医療者間の距離、患者さんと医療者の距離を縮めたいという思いから「温かい病院」をコンセプトに据えました。当院がめざす「スーパースマートホスピタル」で、かつ「温かい病院」は、一見、両立しないように感じられるかもしれませんが、DXを進めていくことで、情報やサービス、人と人との距離も近づき、結果として温かい空気が醸成されるというふうに考えています。その理解のもと、接遇の改善を含め、病床回帰という考え方による医療者の意識改革や物の改革と刷新を進めています。医療の質は医療者の質です。職員全員が医療安全の意識を強く持ち、医師が主導しながら、病院全体として安全性の確保に取り組んでいきたいと思います。

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勝間田 敬弘 病院長

1988年金沢大学医学部卒業。東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所の循環器小児外科、同研究所循環器外科、英国ジョン・ラドクリフ病院心臓外科を経て、京都桂病院心臓血管センター外科部長、大阪医科大学外科学講座胸部外科学教室教授、大阪医科大学附属病院副院長などを歴任。2024年4月より現職。心臓血管外科の専門家として数多くの心臓血管外科手術に携わる。

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