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千葉県がんセンター

(千葉県 千葉市中央区)

加藤 厚 病院長

最終更新日:2024/07/01

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がんのトータルケアを追求する専門家集団

2022年に創立50周年を迎えた「千葉県がんセンター」。半世紀にわたり、がん治療の3本柱である手術治療・放射線治療・化学療法を軸に千葉県のがん医療で大きな役割を果たしてきた。2020年に新病院が完成し、先進的な設備・環境のもと、長い歴史の中で培ってきた豊富な知見や専門技術を生かした診療を行っている。そんな同院を2024年から率いるのは、肝胆膵のスペシャリストである加藤厚病院長だ。多忙な病院長職の傍ら、今も臨床の現場に立ち、後進の育成にも全力を尽くす加藤病院長に話を聞いた。(取材日2024年5月8日)

まずは、病院の成り立ちから教えてください。

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当院は1972年に開院したがん専門病院です。2022年には創立50周年を迎え、新たな歴史の第一歩を踏み出しました。実に半世紀にわたって千葉県のがん医療を支え、その発展に尽くしてきたことになります。2020年には、50周年に先立って新病院が開院しました。旧病院で築いた信頼と実績を糧に、新病院の充実した設備を駆使して質の高い治療を提供していきたいと考えています。旧病院は格式あるれんが造りで、新型コロナウイルスの感染拡大下でも活躍してくれた思い入れのある建物ですが、役目を終えた今は計画的に解体を進めていく予定です。グランドオープンまではしばらくかかる予定で、患者さんやご家族の皆さんにご不便をおかけしますが、ご理解いただければ幸いです。

新病院は、設備が非常に充実しているそうですね。

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外科手術、放射線治療、化学療法のすべてにおいて、先進的かつ専門性の高い治療を提供できる環境を整えました。手術領域では、体への負担を抑えて精度の高い治療ができる手術支援ロボットの機器を比較的早い段階から2台体制とし、泌尿器科をはじめ婦人科、消化器外科、呼吸器外科といった関連する診療科で積極的にロボット支援下手術を実施しています。放射線治療においては、正常組織への照射を抑えてがん組織に集中的に照射できる強度変調放射線治療(IMRT)を拡充。子宮頸がんに対する腔内照射といって、体の内部から病巣に向けて放射線を効率的に集中照射する治療なども施行しています。さらに化学療法の分野では、先進の分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などを用いた治療を外来で行うがん薬物療法部門を充実させました。また、千葉県では数少ない温熱療法も、患者さんの声に応えるかたちで導入しています。

がんを専門とするこちらの病院ならではの強みとは何でしょう。

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一言で言うと、がんの専門家集団であり、さまざまながんの診療が可能なことです。例えば、発症頻度が全がんの約1%で治療法が確立されていない肉腫(サルコーマ)は、好発する年齢も部位もさまざまであることから、受診する診療科に迷うケースが少なくありません。当院では、肉腫が発症し得るあらゆる診療科と中央部門のスタッフがチームを組み、整形外科を中心としたサルコーマセンターとしてスムーズな診断と治療につなげています。また、2018年からはがんゲノム医療を開始し、2019年にはがんゲノム医療拠点病院に指定されました。がんの遺伝子解析を通じて、患者さん一人ひとりに最適な治療を見いだし、効果的な治療を探索するための体制を構築し、がんゲノム医療の拠点病院として積極的に取り組んでいます。

病診連携の取り組みについてはいかがですか?

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新病院ができて緩和ケア病床が53床となり、緩和も含めたがんのトータルケアを実践しています。訪問診療を行う開業などの先生や訪問看護ステーションなどとの連携を強化し、在宅療養中の患者さんには痛みなどの症状が強くなったら疼痛コントロールのために入院していただき、落ち着いたらまた在宅で訪問診療の先生に診ていただく体制が確立されています。また、患者さんは退院された後、ご自宅に戻られることも多いでしょうから、地域の病院、クリニックと連携を取りながら診療を行うようにしています。地域医療連携室が中心となり、診療機能の適切な分担と連携でがん患者さんを地域全体で支える仕組みづくりを推進しています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

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私は、医療事故の検証委員として医療安全に深く関わって以来、医療安全文化の醸成に注力してきました。私は病院長としてこれまで以上に安心・安全な医療の構築をめざし医療の質を向上させることが使命だと考えています。私たち医療者は、過去の医療事故に学び、決して同じことを繰り返してはならないと肝に銘じて日々の診療に取り組まなくてはなりません。当院で働く一人ひとりが自分の家族を任せたいと思えるような病院をめざして、ホスピタリティーとプロフェッショナリズムで患者さんとの信頼関係を築いてまいります。

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加藤 厚 病院長

1989年千葉大学医学部卒業。同年、千葉大学医学部附属病院第一外科に入局。千葉労災病院、国立千葉病院などを経て、2002年より千葉大学医学部附属病院肝胆膵外科。2016年からは国際医療福祉大学三田病院に勤務し、消化器外科教授として副院長を務めた後に千葉県がんセンターへ。肝胆膵外科部長、診療部長、副病院長を歴任し、2024年から現職。専門領域は肝臓・胆道・膵臓。

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