医療法人社団武蔵野会 牧野リハビリテーション病院
(神奈川県 横浜市緑区)
大平 孝之 院長
最終更新日:2025/11/25


患者の日常生活と尊厳の回復をめざす
鴨居駅南口から徒歩約10分の住宅地の中、牧野記念病院や牧野ケアセンターとともに地域の医療を支える「牧野リハビリテーション病院」。同院では回復期リハビリテーションによる患者の在宅復帰のサポートと重度障害者の入院加療に取り組んでいる。大平孝之院長は「院内の内装に四季のイメージを取り入れ、また病室の窓からは竹林も眺められ、患者さんが自然を感じながら快適に過ごせるよう配慮しました」と話す。「そうした環境の中、日常生活の回復や尊厳の回復を目標に、退院する際に『この病院に入院して良かった』と患者さんやご家族に思っていただける治療やケアを心がけています」。患者の退院後の生活を考慮し、歩くことはもちろん、食事や着替え、家事などのさまざまな日常生活動作の訓練が行える機器やスペースを有している。障害者病棟の患者にも身体機能維持や関節拘縮予防、また離床を図る目的などでのリハビリテーションを提供している。回復期と慢性期の医療を担う同院の特徴や今後の展望などを大平院長に詳しく聞いた。(取材日2025年9月18日)
こちらの病院の特徴や地域での役割を教えてください。

地域の方の健康を守るため、同じ医療法人で急性期医療から在宅医療まで広く担う牧野記念病院、介護老人保健施設の牧野ケアセンターがあり、地域包括ケアの完結を考えたときに不足する回復期、慢性期の医療を補う目的で開設されたのが当院です。当院は病床120床の中規模病院で、回復期60床、障害者施設等一般病棟60床を持ち、医師の指示のもと多くの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が回復支援を行い、看護・介護スタッフや事務・コメディカルスタッフとともに活躍しています。回復期病棟では牧野記念病院に限らず近隣医療圏内の多くの急性期病院から治療後の患者さんを受け入れ、ご自宅や施設での生活を取り戻せることを目標にリハビリテーションを提供しています。障害者一般の方は人工呼吸器を装着された患者さん、重度の意識障害・身体障害・神経難病等の患者さんなど、慢性期で高度な医療的処置が必要な方が長期療養のために入院されています。
そうした役割にどのような想いで取り組んでおられますか?

「愛し愛される」を理念とする戸田中央メディカルケアグループ(TMG)に属し、中でも当院は「あたたかな医療で愛し愛される病院」「地域医療への貢献」を理念としています。その想いはロゴマークにも表現しており、患者さんを中心に、医師・看護師・コメディカル・事務職が輪となり、日常生活や尊厳の回復をチームとしてサポートしていくことをイメージしました。私たちの目標は、患者さんに退院時に「この病院に入院して良かった」と思っていただけることです。ご家族にも「ここで過ごせて良かった」と感じていただけたらありがたいです。そのためには何をすれば良いのか、明確な答えが難しいケースもありますが、全職員が同じ想いを持って患者さんに接し、医療サービスを提供していくことが重要と考えています。もちろん、働く職員にとっても魅力的で働きがいのある病院となることが理想です。
リハビリテーションではどんな点を重視されるのでしょうか?

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門職が多く在籍し、脳血管疾患リハビリテーションを中心に、運動器リハビリテーションや廃用症候群リハビリテーションに取り組んでいます。リハビリテーション室は広いスペースを確保し、ガラス張りで開放感があり、患者さんには気持ち良くリハビリテーションに取り組んでいただいていると思います。またご自宅の環境などを聞き取り、退院後の生活をイメージしながら着替え、食事、排せつ、調理や掃除・洗濯といった家事など、歩行も含めた幅広い日常生活動作の訓練を行っています。それぞれの療法士が患者さん一人ひとりと向き合い、気持ちの通ったサポートを心がけています。また病棟の看護師とも回復の進捗を共有し、医師の確認のもとで患者さんに適した介助をしています。障害者病棟の患者さんにも身体機能維持や関節拘縮予防、また離床を図る目的などでのリハビリテーションを提供しています。
患者さんのスムーズな入退院には地域との連携も重要ですね。

急性期病院からの受け入れが中心のため、定期的に紹介元の病院を訪問して当院の状況を含め情報交換するなど、地域連携室や医療相談室のスタッフが緊密に連携を図っています。また、電話やファクスなどで紹介の打診があれば医師をはじめ薬剤科などへ確認し、受け入れ可否等の返事を迅速に行い、病床稼働状況が許す限りできるだけ早期に転入院していただくよう心がけています。当院の医師は急性期での医療を経験し、またリハビリテーションの経験も積み重ねてきていますので安心してご紹介していただきたいです。また地域の皆さんに向けては地域公開講座で健康アドバイスなどの情報を発信。開設当初から発行している広報誌は最近リニューアルするなど、当院に親しみを持っていただく取り組みを進めています。「この病院なら知っているから安心」「知人が入院して良かったと聞いた」など、いざという時に当院を意識していただけるようになればと考えています。
地域の皆さんに特に伝えたいことはありますか?

2018年の開設後、最近では地域の皆さんにも当院を知っていただけているかと思います。当院の回復期病棟を退院された後、新たな傷病で再度リハビリテーションが必要になって当院を希望される患者さんもおり、徐々に地域に溶け込んできたと感じます。今後は訪問リハビリテーションや患者さんがリハビリテーションの一環とし行う園芸活動が行える小庭園の新設などにも取り組めたらと考えています。また日本医療機能評価機構の病院機能評価の認定を2024年に取得しました。その準備では開設時からともに歩んできた中嶋浩二副院長に大いに尽力してもらいました。病院機能評価の受審は、この地域での当院の役割、在り方などを熟考する機会にもなりました。患者さんやご家族から信頼され、また紹介元となる近隣医療機関からも信頼される病院として成長できるよう努めますので、必要な際には当院をどうぞご利用ください。

大平 孝之 院長
1988年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学整形外科学教室入局。慶應義塾大学病院、静岡市立清水病院、さいたま市立病院、愛正会記念茨城福祉医療センター、平塚市民病院、太田記念病院、永寿総合病院などに勤務。牧野記念病院整形外科部長、同病院副院長と院長を経て2018年より現職。日本専門医機構整形外科専門医。身体障害者福祉法第15条指定医師。





