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社会医療法人愛仁会 明石医療センター

(兵庫県 明石市)

大西 尚 院長

最終更新日:2021/09/08

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患者の期待に応え、地域社会に寄与する

「社会医療法人愛仁会 明石医療センター」は、兵庫県の東播磨医療圏(明石市・播磨町・稲美町・高砂市・加古川市)で21の診療科を標榜する急性期病院である。2008年に病棟の建て替えを行い、病床数は247床から382床へ増床。東播磨医療圏の高度医療、救急医療を担う病院として機能している。2021年1月1日に就任した大西尚病院長は、地域の人々、地域の医師たちの信頼を得る診療を行うことから、病院で働く職員の満足にもつなげていける病院づくりをめざす。断らない医療を掲げ、救急車も数多く受け入れ、救急医療と周産期医療に力を注ぎ、複数診療科の連携と多職種によるチーム医療にも注力する大西病院長に、診療、医師の教育、病院運営に至るまで多角的に聞いた。(取材日2021年8月11日)

病院の成り立ちと、地域での役割について伺います。

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当院は2001年に明石市医師会に譲渡され、明石医療センターとなりました。2016年には、社会医療法人愛仁会と法人合併して現在に至ります。私がこちらに入職したのは2006年です。現在は呼吸器内科が専門ですが、その頃の内科診療科は内科・循環器内科・消化器内科しかなく地域の先生もレントゲン異常など呼吸器疾患は兵庫県立成人病センター(現:兵庫県立がんセンター)へ紹介することが多いという状況でした。幸いこの地域には、私と同門である神戸大学出身の先生たちが多くいらっしゃるので「何でも診ますから送ってください」とお願いし、患者さんが少しずつ増えて呼吸器内科を立ち上げることができました。心臓血管外科もあり当時は循環器中心の病院でしたが、消化器、呼吸器疾患へと幅が広がりました。スタッフが10人いる呼吸器内科があるのは珍しいと思いますね。

病院長就任後、注力している診療について教えてください。

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当院は地域医療、救急医療、ロボット支援手術などの低侵襲医療、そして周産期医療に重点を置いています。中でも救急医療については、やはり断らない救急というのが、一番大切です。昨年も積極的に救急車を受け入れ、明石市の心肺停止患者の数多くを当院が担うという実績を持っています。その日の状況によって100%は無理でも、すべての救急要請の90%以上は受けようとアピールし、夜間もできる限り断らない体制を整えています。ただ2021年からは新型コロナウイルスがさらに蔓延し、市立病院と当院で行っていたすみ分けも一旦停止。第4波の頃からは、救急患者の受け入れを行えば新型コロナウイルス感染症の重症肺炎という状態を受け、隔離できるスペースに病床を設け、患者さんの受け入れを開始しました。私は日本感染症学会感染症専門医でもありますので、あかし保健所と連携し、地域の医療従事者と新型コロナウイルス感染症の勉強会も行いました。

周産期医療や低侵襲医療についてはいかがですか?

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明石市には「トリプルスリー」という地域活性化事業の一環で、赤ちゃんの年間出生数を3000人にする目標があります。出産や子育てをサポートする数々の政策の後押しもあり、出生数が年々増加している地域ですので、「われわれができる周産期医療とは?」「病院らしくない、そして病院らしい支援とは?」と考えました。そして産科と小児科の医師だけでなく、助産師、看護師に加えて薬剤師、栄養士などの多職種が一つのチームになる周産期母子医療センターを立ち上げ、「ママ&ベビーセンター」と名づけました。お母さんと赤ちゃんが多職種の人と安心に包まれるイメージで作ったシンボルマークも好評です。低侵襲医療については腹腔鏡と手術支援ロボットを導入し、患者さんに負担の少ない手術を行っています。ロボット支援手術は前立腺手術が先駆けですが、当院では大腸がん、肺がんに対しても行っており、今後婦人科の良性・悪性腫瘍に対しても開始予定です。

呼吸器内科の医師として、外来診療もされていますね。

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私は病院長の仕事にも精一杯努めていますが、若い人を育てることが好きなのです。ここに来て15年。毎年、後期研修医が入ってきてくれるので、すでに20人以上の医師が育っていることがうれしいです。週に2回はカンファレンスと回診を行い、水曜の午前中は後期研修医とのカンファレンスにあてています。私があと何年、医師として勤められるかわかりませんが、自分の持っている知識を全部、彼らに伝えたいのです。よく言っているのは、圧倒的な知識と経験を積みなさい、ということ。さらに知識だけでなく、どう考えるか、どのような病態であるかを把握して診療することを身につけなさいと話します。ヒントはすべて私の口から。こういう時にはこうなるから、ということをカンファレンスでしつこいぐらいに伝えます。ちょっと過保護かもしれません(笑)。私の言葉だけで耳学問になってしまってはいけないので、必ず論文で押さえるように、とも指導しています。

最後に病院長としてのメッセージと今後の展望をお願いします。

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新型コロナウイルスによる大変な状況下、患者さんも職員も苦労の多い日が続いています。なかなか皆さんが満足できる作戦が思い浮かばないことが残念ですが、いつまでもこの状況が続くわけではありません。われわれは常に強く前を向き、これからも患者さんと地域の先生方に信頼される、確固たる医療を目標にしてまいります。信頼される医療を提供するために必要なことは、職員の満足であり、高いモチベーションです。それを維持するために、働きやすい環境を整え、医師がすべての医療を行うのではない、タスク・シェア、タスク・シフトも進めてまいります。そしてすべての職員のモチベーションを高めることができれば、それがまた良い医療をつくり、良い循環を生むことになるでしょう。さらに良質で安心安全な医療を提供し、信頼を得て、職員自身も心から満足を得られる病院となれるように、われわれは努力を続けていきます。

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大西 尚 院長

山口大学医学部卒業後、神戸大学医学部第一内科に入局。兵庫県立淡路病院で研修し、神戸大学第一内科へ戻り呼吸器内科専攻へ。西神戸医療センターでは12年間にわたり呼吸器内科医として修練を積み、2006年、明石医療センター内科入職。呼吸器内科の立ち上げから参加し、副院長を経て、2021年1月1日に病院長就任。感染症の専門家として、あかし保健所の依頼を受け、新型コロナウイルス感染症についての講演なども行う。

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