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埼玉県立小児医療センター

(埼玉県 さいたま市中央区)

岡 明 病院長

最終更新日:2020/07/09

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子どもの発達と成長に即した医療環境を

さいたま新都心の一角に立つ「埼玉県立小児医療センター」。ここは周産期医療から小児救急医療、小児がんや小児に特徴的な難病まで、質の高さにこだわった小児医療を提供している病院。院内には、楽器にちなんだロボットキャラクターやかわいらしい飾りが随所に配され、温かい雰囲気が漂う。2020年4月から病院長に就任したのが岡明先生だ。岡病院長は、「小児医療に特化した病院で働けることは小児科の医師として夢のようです。子どもたちの命を助けるためにどうすれば良いのか、すべてのスタッフとともに心を一つにして働けるのはとても幸せなことと感じています」と目を細めて話す。同病院では、小児がんに対するゲノム医療や小児の生体肝移植など先進的な医療にも積極的に取り組んでいるという。同病院ならではの小児医療について話を聞いた。(取材日2020年6月10日)

2020年から病院長に就任なさいました。

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当院は小児医療に特化しており、このような環境の中で働けるのは小児科の医師として夢のようです。病める子どもたちのためにどのような医療を提供すれば良いのか、どんなことをすれば良いのか、病院自体もその点を念頭にデザインされています。また、スタッフ全員、子どもたちの命を助けるという目標に向けて心を一つにして働いています。当院の基本方針は、「For the future, For the Children=子どもたちの未来は、私たちの未来」です。とてもシンプルですが、子どもたちの未来のために私たちは何をすべきかをコンセプトに組織全体で取り組んできており、これまで数々の具体的な成果を上げてきています。こうした病院で働けることは、とても幸せなことであり、今後さらに医療貢献していきたいと思っています。

こちらで提供している医療の特徴を教えてください。

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まず一つは専門性の高い治療を提供している点です。小児科の中でもさらに診療内容が細かく分かれ、内科系では10、外科系では11の領域に分けて診療を行っています。ここに来られる患者さんは、治療が難しい疾患を患っていることが多く、非常に専門性の高い医療が求められます。当院では各領域における小児医療の専門家によって専門性の高い医療を提供できる体制を整えています。もう一つの特徴は、周産期医療が充実している点です。当院は2016年にさいたま新都心に移転し、新病院となりましたが、その際、隣接するさいたま赤十字病院と連携し、総合周産期母子医療センターを開設しました。MFICU(母体胎児集中治療室)やNICU(新生児集中治療室)を備え、リスクの高い妊産婦さんや新生児を24時間体制で見守っています。新生児専用の救急車も用意し、当センターに到着するまでの間、車内で初期治療ができる体制を整えています。

24時間体制の小児救急や小児がん治療にも注力と伺いました。

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小児救命救急センターを設置し、救命救急医療の強化を図っています。実は、埼玉県では小児救急患者の約4割が不慮の事故によるものといわれているのです。ですので、外傷に対応できる救急専門の医師を配置して、24時間体制で重症患者の治療を行っています。重篤な場合は、PICU(小児集中治療室)やHCU(準集中治療室)で受け入れ治療を行っています。ドクターカーをさいたま赤十字病院と共同運営しており、救急現場に小児がいる場合は、当院の医師や看護師が現場に向かい、その場で救命にあたっています。さらに大きな特徴として小児がんへの取り組みが挙げられます。2013年に小児がん拠点病院の指定を受けており、これまでさまざまな治療や研究を行ってきています。今は医療の進歩によって小児がんの治療も進化し、さらなる向上をめざしてがんゲノム医療など先進的な医療にも取り組んでいます。

療養環境についてはどのような配慮がなされているのでしょうか。

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当院では子どもの発育、発達に合わせて良質の医療環境を保持するよう努めています。乳児の時には表現もまだ難しいでしょうし、幼児期は言葉が話せてもうまく伝えられない。思春期になると大人には話しづらいこともあるでしょう。そのような成長に伴う心の変化に寄り添うとともに、子どもの権利も大切にしています。また、3階には発達部門を設けて、成長と発達に関わるさまざまな診療を提供しています。子どもたちは何かと不安ですから、当院ではチャイルド・ライフ・スペシャリストが在籍し、入院生活に慣れるためのお手伝いや、治療に対する心の準備ができるようお手伝いするなど、さまざまな形でサポートしています。さらに、ご家族が滞在するための施設も設置しています。入院・退院を繰り返す子どもたちへの教育も重要ですので、学習の機会を失うことのないよう、埼玉県立けやき特別支援学校も併設しています。

では最後に、今後の展望をお願いいたします。

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これからも子どもたちの命を支える最後の砦として、多くの皆さん方の期待に応えていきたいですね。医療面では、新しい医療、先進医療にさらに取り組みたいと考えています。昨年からは、さいたま赤十字病院と連携して、生体肝移植手術を行う体制を整えており、すでに数例、移植手術を行っています。また小児がんに対するがんゲノム医療にも取り組むなど、さらなる医療の質の向上を図っていきたいですね。ここは駅のそばに立地し、高速道路のインターも近くにあるなど、アクセスのとても良い場所です。スタッフ全員で協力しながら、今後も最善の小児医療をめざしていきますので、専門性の高い医療が必要となった場合には、ぜひ来院いただければと思います。

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岡 明 病院長

1984年東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院小児科入局。ハーバード大学医学部付属ボストン小児病院神経科研究員、東京大学医学部附属病院小児科准教授、杏林大学医学部小児科教授などを経て、2013年から東京大学医学部小児科教授。2020年から現職。専門は小児神経学。日本小児科学会小児科専門医。日本小児神経学会小児神経専門医。

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