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医療法人恵泉会 堺平成病院

(大阪府 堺市中区)

正木 浩喜 病院長

最終更新日:2026/07/21

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多疾患に対応する慢性期・回復期の医療拠点

堺市中区に位置する「医療法人恵泉会 堺平成病院」は、2019年4月に堺温心会病院と浜寺中央病院の統合により開院した、慢性期・回復期医療を担う地域密着型病院だ。政令指定都市である堺市の中で、急性期後の受け皿として軽症から中等症の患者を中心に、在宅復帰や施設移行を支える役割を担っている。24時間体制で救急対応を行い、整形外科と内科の医師が当直する体制を整備している点も特徴の一つだ。診療ではリハビリテーションと栄養管理を2本柱とし、特に嚥下や心臓リハビリに注力。評価に基づいた段階的な訓練と個別の栄養管理により、生活機能の回復をめざしている。また透析医療にも対応し、透析中のリハビリにも取り組むなど、多角的な支援体制を構築している。さらに2026年4月には総合診療科の診療を開始。複数の疾患を抱える高齢患者を全身的に診る体制づくりとともに、若手医師の育成にも力を入れる。「地域の医療を切れ目なく支える存在でありたい」と語る正木浩喜病院長に、同院の特徴や取り組み、今後の展望について話を聞いた。(取材日2026年4月2日)

病院の成り立ちや地域における役割についてお聞かせください。

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当病院は、2019年4月1日に開院した病院で、堺温心会病院と浜寺中央病院の2院が統合して誕生しました。長年にわたり地域医療を支えてきた両院の理念を受け継ぎ、「絶対に見捨てない」という思いを大切に、新たな体制でスタートしています。病床数は296床で、地域包括医療病棟56床、回復期リハビリテーション病棟120床、医療療養病棟60床、障害者病棟60床を備える、いわゆるケアミックス型病院であります。主な役割は、急性期病院での治療後、自宅や施設へ戻ることに不安のある患者さんの受け入れです。近年は在院日数の短縮が進む中、退院後の機能回復を支える役割がますます重要になっています。当病院では、入院治療に加えて外来診療や救急対応、透析医療、訪問サービスなども行い、地域に密着した医療体制を整えています。特に高齢者医療を中心に、地域の医療機関や介護施設と連携しながら、安心して生活を続けられるよう支援しています。

特に注力していることは何ですか?

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当病院が特に重視しているのは、高齢者に多いフレイルやサルコペニア、手術後の機能低下です。これらは加齢や疾患に伴い身体機能が低下する状態であり、早期からの介入が重要になります。そこで注力しているのが、リハビリと栄養管理です。入院中だけでなく外来でも継続的にリハビリを行い、在宅復帰を見据えた支援を行っています。中でも嚥下リハビリでは、言語聴覚士が嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査で機能を評価し、段階的なトレーニングと食事内容の調整を実施。評価と再評価を重ねながら、安全に食事が取れる状態をめざします。さらに2026年には心臓リハビリの導入も予定しており、専門の医師の管理のもと運動機能の改善を図ります。自分で動く、食べるといった当たり前の生活を取り戻し、その人らしい日常と生活の質を支えていきたいと考えています。

栄養管理においては、どのような取り組みを行っていますか?

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栄養管理においては、疾患や身体状態に応じた個別対応を徹底しています。心疾患には心臓食、糖尿病には糖尿病食と、それぞれの病気に配慮した食事内容を基本とし、嚥下機能や咀嚼力に応じて、おかゆやペースト状の嚥下調整食、やわらかい食事へと段階的に調整しています。また、管理栄養士が昼食時に患者さんの食事状況を確認する「ミールラウンド」を実施し、食べ方や摂取量を踏まえて主治医と連携しながら内容を見直しています。嗜好にも配慮し、麺類への変更やデザートの追加など柔軟に工夫することで、病院食であっても満足度の向上を図っています。当病院ではリハビリと栄養管理を両輪とし、回復を支える体制を重視しています。十分な栄養があってこそ筋力や体力の回復が進み、リハビリ効果の向上も見込めるためです。リハビリ後には乳製品などでたんぱく質を補給するなど、栄養面からも回復を後押ししています。

新しく総合診療科の診療も始めたそうですね。

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はい。2026年4月1日より総合診療科診療を開始しました。一般的に総合診療科の診療は急性期病院で行われることが多く、原因不明の症状に対して検査を行い、診断や専門科への橋渡しを担う役割があります。一方、当病院は回復期・慢性期を中心とした病院であり、高齢者医療が主体となります。高齢の患者さんは高血圧や糖尿病といった内科疾患に加え、骨折や心不全など複数のけがや疾患を併せ持つケースが多く、個別の臓器だけでなく全身を総合的に診る視点が欠かせません。こうした背景から、疾患を横断的に捉え、状態の変化にも対応できるよう総合診療を始めました。体制としては、総合診療の指導経験や導入経験を持つ常勤医が複数人在籍しています。今後はさらに専門性の高い知見を備えた医師の受け入れも進めて後進の育成にも力を入れながら、地域医療機関と連携し、より質の高い総合的な診療を提供していきたいと考えています。

ほかにも、地域密着型として多様な取り組みをされています。

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まず一つが、24時間体制での救急医療体制で、整形外科医師が当直する体制を整えています。骨折や腰痛などの整形外科疾患にも夜間を含めて対応できる医療機関は多くなく、さらに総合診療科の医師も当直に加わることで、内科・外科を問わず幅広い救急対応が可能となりました。また、同じ法人の訪問看護ステーションや訪問診療所、デイケア施設などとも連携し、退院後の在宅医療まで切れ目なく支援しています。今後は医師や看護師が施設へ訪問する体制も強化し、よりスムーズな医療提供をめざしていく予定です。透析医療にも長年取り組み、透析中のリハビリにも力を入れています。当病院は地域における「相談できる場所」「頼れる存在」でありたいと考えています。体調に不安を感じた時やどこに相談すればよいか迷われた際は、お気軽にご相談ください。地域の皆さまの安心と安全を支える医療機関として、これからも尽力してまいります。

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正木 浩喜 病院長

1994年近畿大学医学部卒業。近畿大学病院内分泌・代謝・糖尿病内科に所属し研鑽を積む。堺山口病院や東大阪病院などで経験を重ね、2014年より堺温心会病院院長を務める。2019年の統合に伴い堺平成病院病院長に就任。慢性期・回復期医療におけるチーム医療を重視し、患者の意向を尊重しながら診断・治療方針をともに考える姿勢を大切にしている。

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