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医療法人社団全仁会 東都春日部病院

(埼玉県 春日部市)

木村 理 病院長

最終更新日:2022/05/24

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高い志を持つ職員と時代先取りの体制を構築

高度成長期に発展した武里団地に隣接し、創設以来地域住民にとっては欠かせない存在として頼りにされてきた「東都春日部病院」。救急車の受け入れや急性期医療から、慢性期医療、リハビリテーションなど、地域に必要な医療サービスを幅広く提供し続けてきた。2015年には新築移転をし、さらに地域住民のニーズに応えられるよう設備や機器を拡充。2019年には20年以上にわたり山形大学医学部で教授を務めた木村理(きむらわたる)病院長を迎え、人工透析やリハビリテーションといった高齢化社会でニーズの高い医療の提供はそのままに、世界でも症例数が少なく手術・治療が難しいとされる疾患にも対応する。今後は世界からも注目を浴びるような存在として活躍し、安心・安全な医療の提供に努めたいという木村病院長に話を聞いた。(取材日2020年6月2日/情報更新日2022年4月25日)

幅広い地域の医療ニーズに応えておられます。

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これまで当病院は、全国的に見ても高齢化率が高いといわれ住民あたりの医師数の不足が指摘されている春日部・越谷エリアの地域医療を長年担ってまいりました。特に隣接する武里団地には数多くの住民の皆さんがいらっしゃいます。当病院は、一般病床76床、療養病床108床を有し、急性期から慢性期まで各科の医師を確保しています。近隣の大学病院などとも連携し、高齢者医療に欠かすことのできない人工透析やリハビリテーションといったこれまで築き上げてきたものはさらに発展させつつ、地域の医療ニーズに的確に応えながら常に進歩を続けていきたいと思っています。また設備面では、新しいCTやMRIなど医療機器をそろえ電子カルテを導入。検査・画像データのわかりやすい説明や報告にも努めています。医師陣は、内視鏡に関する豊富な経験と知識をお持ちの先生や、消化器系疾患の手術に関する豊富な技術をお持ちの先生など多様な人材が活躍しています。

あらゆる職域のスタッフが意識を高く持って働いています。

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医師、看護師、臨床検査技師、理学療法士や作業療法士、臨床工学技士、栄養管理を担う医療スタッフから事務スタッフ、清掃スタッフなど、当病院のスタッフは全員がとてもモチベーションが高くアクティブです。ですからどんな事態になっても臨機応変に対応でき、それがスピーディーさや医療レベルの高さに反映されていると考えています。スタッフ間の議論も活発ですし、私が何か提案するとそれをすぐに受け止め、より良い形にして実現しようと尽力してくれます。全スタッフの意識の根底にあるのは「今、目の前にいらっしゃる患者さんのために尽くしたい」という純粋な気持ちです。私は毎日、5階建ての病院内をくまなく歩き、患者さんやスタッフの様子をうかがいます。常に病院の今ある姿を把握しておくことも意識し、院内を私自身がよく理解し、緊急時には素早く対応できるように努めています。

特に消化器系疾患の治療に注力されているそうですね。

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私は20年以上、山形大学で外科学第一講座教授として研鑽を積んできました。特に膵臓疾患の治療に注力していたため、その経験をこちらでも生かしていきたいと思っています。世界的にもまれな症例に対して高難度である膵頭十二指腸切除術を行いました。また他の膵臓疾患に対して、膵体尾部切除、脾臓切除、胃・大腸部分切除術なども行っています。高難度の手術を実施するにあたっては医師だけでなくスタッフ陣の充実も欠かせませんが、東京大学から優秀な先生に来ていただいていますし、手術スタッフ、術後の管理をしていただく先生やスタッフなどに恵まれていることを実感しています。今後、当病院が埼玉の春日部という地から世界へ存在を発信できる第一歩になると確信しています。

新型コロナウイルス感染症対策にも早期に取り組まれていたとか。

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感染者発生の一報を受け、当病院では2020年1月中旬に臨時感染症対策委員会を招集し、気持ちや時間に余裕のある段階で、物品の準備や院内動線の確保など必要な対策を始めました。「とにかく院内感染を防ぐ」の強い意志のもと、同年6月にはCOVID-19対策委員会を組織化。まだ患者さんの要望がない時期からオンライン診療を開始するほか、この大災害時にこそ病院設備をはじめ、マンパワーも総動員すべきだと方針を打ち出し、4階の療養病棟を隔離病棟として使うアイデアを採用。男女同室にしてベッドコントロールの効率化を進め、2021年7月に認可された中和抗体カクテルを酸素投与前の患者さんに積極的に投与し、重症化の防止を図りました。新たな対策が必要とされる度、病院長が自ら先を見据えて率先して動き、みんなの知識を合わせて病院一丸となって取り組むことで、クラスターを発生させることなく、大きな波を幾度も乗り切ってきました。

今後の展望をお聞かせください。

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このような時代にあっても「顔の見える」関係を大切にしたいと思っています。病院と患者さん、地域と病院、連携する大規模医療施設、地域の医師会の先生方など、互いにどんな人間かということを知り、理解することはとても重要です。直接相対しなくても顔の見える関係は生み出せます。また、外科手術というのは完全にリスクをゼロにすることは残念ながらできません。しかし私たちの総力を挙げた術前術後管理と、患者さんご自身の努力によってリスクを減らすことは可能だと考えています。当病院は幸い優秀な医師陣やスタッフに恵まれていますので、私がこれまで取り組んできた「手術死ゼロをめざす取り組み」も継続していきます。そして、患者さんに申し上げたいのは「病気に対して一緒に戦いましょう」ということ。患者さんだけでも、医療スタッフだけでもすべての病を治すことはできません。ご自身も栄養を取り体力をつけていただき、一緒に病と闘いましょう。

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木村 理 病院長

東京大学医学部卒。キッコーマン総合病院、東京大学医学部第一外科、獨協医科大学越谷病院外科講師、ドイツ・ヴュルツブルク大学研究員、東京大学医学部第一外科講座助手、東京大学医学部肝胆膵・移植外科講師などを経て、山形大学医学部外科学第一講座教授に就く。山形大学医学部附属病院副病院長や医学部副学部長、図書館長も兼務。2019年4月より、東都春日部病院院長に就任。

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