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医療法人藤井会 香芝生喜病院

(奈良県 香芝市)

奥地 一夫 病院長

最終更新日:2026/02/17

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救急と小児診療を支える地域密着型病院

大阪府境に近い香芝市に位置する「医療法人藤井会 香芝生喜病院」は、2017年開院の比較的新しい病院だ。「生きる喜びを共感し合える医療機関」という法人理念のもと、地域に寄り添った診療をめざしている。現在は、一般急性期179床、療養50床、HCU12床の計241床を有し、2020年より奥地一夫病院長が「信頼され、身近に感じてもらえる病院づくり」を推進。香芝市・葛城市・北葛城郡を中心に、地域の救急医療を支える急性期中核病院として機能している。脳卒中の一次対応施設としてrt-PA静注療法に対応し、心疾患、整形外科、消化器疾患まで幅広く迅速な治療を提供する。小児科も大きな強みで、小児救急に加え、小児内分泌に特化した外来には遠方からも患者が訪れる。院内は広く明るく、1階に受付や化学療法室など外来部門を集約、2階にはICUと連結した先進設備の手術室を配置。療養病棟には見晴らしの良い100平米超のデイルームを設け、災害時の受け入れにも対応できる構造を整えている。今回は奥地病院長に同院の特徴を語ってもらった。(取材日2025年11月27日)

病院の成り立ちや地域における役割についてお聞かせください。

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香芝生喜病院は、2017年4月に開院した比較的新しい病院で、開院当初から少しずつ病床を広げ、現在は一般急性期179床、療養50床、HCU12床の病床数計241床を擁し、県内の民間病院としては大きな規模の病院だと考えています。私は2020年4月から3代目の病院長を務めています。香芝市や葛城市、上牧町、広陵町といった北葛城郡のエリアを中心に、「地域の皆さまに信頼され、身近に感じていただける病院であること」を大切に運営してきました。そもそも設立された背景には、「この地域の救急医療を支える拠点をつくりたい」という強い思いがありました。開院以来、脳卒中や心筋梗塞などの救急医療、そして小児医療を柱として診療体制を整えてきました。また診療科も、私が病院長になってから脳神経外科や眼科、放射線科などを順次立ち上げ、総合的な医療を提供できる体制を整えてまいりました。

注力する診療について教えてください。

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当院が注力しているのは、脳卒中や心筋梗塞といった重篤疾患を含む救急医療です。近年は「原則として救急車の搬送はすべて受け入れる」という方針を全職員で共有しています。24時間体制による迅速な受け入れ体制を構築し、私が導入段階から関わってきた奈良県の救急医療管制システム「e-MATCH」を導入しているほか、看護師が初期対応できるよう訓練を行い、急性心筋梗塞やACS(急性冠症候群)専用ホットライン、開業医の先生方を対象とした消化器領域の相談窓口も設けています。現在は救急応需率は90%近くにまで伸び、年間の救急受け入れは約3000件(2024年11月1日~2025年10月31日)に上ります。「最後の砦」として地域の急性期医療を支える重要な役割を担っています。

ほかに、力を入れている診療は?

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救急医療に加えて、もう一つ力を入れているのが小児科です。奈良県の小児救急輪番に参加し、週1回の当番日と月1回の土日当番では「必ず受け入れる」ための体制を取ることで、地域の小児救急を支えています。また、小児内分泌を専門とする常勤医が3名在籍しているのも特徴で、低身長や思春期異常、甲状腺疾患などの専門的な診療を求めて遠方から受診される方も多いです。また周辺は小児科クリニックが少ないこともあり、地域の“かかりつけ小児科”としての役割も強まっています。ほかにも脳卒中の一次対応施設として、脳梗塞の急性期に行う血栓溶解療法(rt-PA静注療法)に対応しているほか、整形外科では大腿骨や股関節の骨折など救急での骨折治療、消化器内科では胃・大腸内視鏡検査をはじめ、検診や救急症例にも幅広く対応しています。

地域連携にも取り組まれているそうですね。

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地域医療との連携は、当院が非常に重視している取り組みの一つです。香芝市は病院の数が多くない地域で、特に高齢者の救急対応に困られる開業医の先生方をしっかり支えていきたいと考えています。現在は約13名の開業医の先生方と連携体制を組み、在宅医療の患者さんが緊急で入院が必要になった際にも、速やかに受け入れられる仕組みを整えています。また、「顔の見える関係づくり」も大切にしており、定期的に勉強会を開催し、地域の先生方と情報交換できる場を設けています。紹介・逆紹介は年々増えており、連携はより強固になっていると感じています。クリニックだけでなく、介護老人保健施設などの施設で状態が悪化した患者さんの受け入れも柔軟に行っています。当院は療養病床50床も備えており、急性期から在宅・施設への橋渡しまで幅広く地域を支える医療を提供しています。地域密着型の医療体制を今後も強化していきたいと考えています。

今後の展望と地域の方へメッセージをお願いします。

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外科は一定の体制が整ってきましたので、今後は内科分野の充実をさらに進めたいと考えています。特に呼吸器内科を強化し、将来的には循環器・消化器・呼吸器の3本柱で、地域の幅広い疾患に対応できる「診られないものがない病院」をめざしたいですね。また、近隣には多くの介護施設があり、当院には日本看護協会認定の感染管理認定看護師がいることから、施設へ専門的な知識を共有する取り組みも進めています。地域全体で安心を守る体制づくりに貢献していきたいですね。利便性の面では、最寄り駅から距離があるため、二上駅や香芝駅を結ぶ巡回バスを運行しています。今後は香芝市のコミュニティバスとも連携し、アクセス向上に努めていきます。何かあった時に「まずあの病院へ」と思い浮かべてもらえる存在でありたい。これからも地域の皆さまに24時間いつでも頼っていただける病院をめざし、これからも努力してまいります。

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奥地 一夫 病院長

1980年奈良県立医科大学卒業後、大阪警察病院脳神経外科で研鑽。1995年米国マサチューセッツ総合病院へ留学。2000年から奈良県立医科大学救急医学教授へ。救命救急センター長を務め、脳卒中・重症外傷など幅広い救急診療に従事。救急医療情報共有システム開発やドクターカー・ドクターヘリ導入にも尽力。2018年香芝生喜病院の顧問に着任。2020年4月より現職。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、医学博士。

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