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社会医療法人 彩樹 豊中敬仁会病院

(大阪府 豊中市)

阪口 正博 院長

最終更新日:2022/07/27

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消化器内視鏡と鏡視下手術で地域医療に貢献

地域のかかりつけ救急病院として親しまれてきた「豊中敬仁会病院」。総合診療科や外科、内科、大腸肛門科、整形外科など日常的な疾患の診療を行い、数年前からは腹腔鏡下手術、内視鏡検査や人工透析に力を入れてきた。2020年に同法人内から阪口正博院長を迎え、さらに専門性の高い病院へと舵を切りつつあるという。「60床というコンパクトな病院のため、特定の領域でレベルの高い医療を確実に提供することが、地域医療に貢献する最良の方法だと考えています」と、阪口院長は柔和なまなざしで未来を見つめる。消化器領域ではロボット支援手術など先進技術の導入を控え、高いスキルを持った医師たちが診療にあたる。チームを支える看護師や他職種のレベルアップにも余念がない。また人工透析では約30床の入院が可能で、合併症の管理や内シャント術など難易度の高い治療を実施。他院からの紹介入院も多いという。「高い専門性とスムーズなアクセスで、地域の患者さんや先生方から気軽に、安心して頼ってもらえる病院にしたい」と語る阪口院長に、同院の診療内容や将来展望、地域連携への思いについて聞いた。(取材日2021年4月1日/情報更新日2022年7月1日)

病院の歩みと診療内容について教えてください。

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1974年に「ロマンチック街道」沿いに開院した緑ヶ丘病院が、当院のスタートです。近所の方がかかりつけとして通う地元の病院でしたが、老朽化が進んだため2015年に現在の少路駅前へ新築移転し、消化器内視鏡と腹腔鏡下手術、人工透析に力を入れてきました。なぜなら、この周辺は大学病院をはじめ総合的な診療をする病院が多く、開業医院も多数あります。一方、当院は何でも診療できるような規模は持ちませんので、特定の領域に特化して専門性を高め、その部分で地域医療に確実に貢献したいと考えたのですね。当院の属する法人では以前から消化器領域に力を入れていますし、私自身も内視鏡が専門ですので、2020年春の院長就任を機に、消化器疾患の診断・治療のさらなるレベルアップを始めました。また法人内には透析関連の施設も多く、ノウハウが蓄積されています。そこで消化器疾患の診断・治療と人工透析を柱とした病院づくりを進めています。

では、消化器領域、特に内視鏡検査についてご紹介ください。

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胃と大腸の内視鏡検査部門は、一般の外来とは別にセンター化しています。検査のみをご希望でしたら、直接病院ホームページからインターネット予約もできます。当院では年間多数の検査を行っており、かかりつけの方だけでなく、地域の開業医院からご紹介で来られる方も3割以上に増加しています。センターには広いスペースがあり、トイレも多数用意しています。また、ご希望があれば胃と大腸を連続して一度に検査することもできますし、多くの内視鏡治療を行っています。また、高度技術を必要とする内視鏡的粘膜下層切離術(ESD)も、2020年1月~12月の1年間で50例近く施行しています。内視鏡検査は前処置も含め、どうしても「つらい」とイメージされがちです。しかし、当院では高いスキルを持った医師が勤務していますし、看護師の介助も非常にスムーズで、苦痛の少ない検査が受けられます。私自身も、当院で定期的に検査を受けていますよ。

人工透析では、どのような特徴がありますか。

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当院では、多くの急性・慢性腎不全に対して入院血液透析を中心とした治療を行っています。今後、通院での血液透析も行う予定にしています。透析患者さんに合併症があると医学的に高度な管理が必要になる時期もありますし、日常生活動作(ADL)が低下した患者さんでは週3回の通院が難しくなります。当院の60床の約半数は障害者病棟ですので、長期入院透析を行いやすい環境があります。またシャントに関しては急ぎの処置が必要なことも多いのですが、当院では地域のクリニックや大規模病院からの紹介を積極的に受け入れ、できるだけ早期に手術を行っています。透析患者さんのさまざまなリスクを考慮し、積極的な検査や治療を避ける医療機関もあるようですが、当院では各診療科と連携しながら、患者さんに必要な治療をきちんと提供していきたいと考えています。また、透析では臨床工学技士の役割が非常に大きく、彼らの教育にも力を入れています。

地域医療機関との連携については、どのようにお考えですか。

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消化器疾患の診断・治療と人工透析の強化を図っているのは、この分野で地域へ確実に貢献したいという思いからですので、地域医療機関との病診連携は、当院にとって生命線だと考えています。地域の先生方が、診療でお困りの際や、CTや内視鏡など自院にはない検査を行いたいとき、腹腔鏡下手術、入院透析が必要な患者さんがいるような場合に、気軽に声をかけていただければ理想的ですね。当院も受け入れ規模には限界がありますので、検査をしたすべての患者さんを診療し続けることはできません。ですから、患者さんをよく知る地域の先生方に診察をお願いし、当院は検査など特定の目的で、ピンポイントで利用してもらえればよいと考えています。実際に内視鏡検査や手術目的での紹介患者さんが増えていますので、地域医療のお役に立てている手応えを感じ、うれしく思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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内視鏡の分野については、2022年より、わが国における大腸内視鏡手術のスペシャリストの一人である、奥田準二前大阪医科薬科大学特任教授を常勤医として迎え、内視鏡手術支援ロボットを導入し、すでにロボット手術を行っています。小さな病院だからこそ小回りが利き患者さまのニーズにスムーズに応えられることも多いと考えます。思いきって先進の診療に取り組むことで専門性を高め、地域の先生方や患者さんのニーズに応え続けたいです。同時に、地域の皆さんにはどうか怖がらずに、内視鏡検査を積極的に受けてほしいです。胃と大腸のがんは、早期に発見できれば内視鏡治療でも治すことが望める時代になりました。当院では苦痛の少ない検査が受けられますし、予約も取りやすくなっていますから、1回検査を受けると、その後あまり抵抗なく定期的に受けられるのではないかと思います。恐れずに内視鏡検査を受けていただけるとうれしいです。

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阪口 正博 院長

1984年大阪医科大学を卒業後、同第2内科へ入局し研鑽を積む。1995年より守口敬仁会病院へ入職。副院長および内視鏡センター長を務めた。2020年4月から現職。これまでのノウハウを生かし同院の専門性向上に取り組む。消化器内科や内視鏡センターでは診療も担当。医学博士、日本消化器病学会消化器病専門医・同学会評議員、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・同学会学術評議員。

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