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医療法人伯鳳会 東京曳舟病院

(東京都 墨田区)

山本 保博 病院長

最終更新日:2021/01/21

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利便性の良さを生かして適切な医療提供を

東武伊勢崎線曳舟駅直結という極めて便利な立地に立つ「東京曳舟病院」。ここはかつての白鬚橋病院の老朽化・狭隘化によって2017年に新築移転し、病院名も新たに開業した病院だ。災害拠点病院としての役目も担う同病院を率いているのが、山本保博病院長。山本病院長は「城東地域には独居の高齢者や日本語に不慣れな外国人などさまざまな社会的弱者がおられます。そうした方々も含めて地域住民の皆さまに最適な医療を提供していきたい」と穏やかに話す。山本病院長はこれまでの災害救助経験を踏まえ、平時の訓練が重要と災害対応訓練にも力を入れている。そんな山本病院長に病院の特徴などについて聞いた。
(取材日2020年12月8日)

病院の成り立ちについて教えてください。

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以前、東向島にあった白鬚橋病院が老朽化、狭隘化したため、2017年に曳舟駅直結のビルに移転し、病院名も東京曳舟病院として新たに開設しました。とても便利な立地ですので、高齢の方はもちろん若い患者さんも増えています。この利便性を慢性疾患の治療にも生かせるよう夜間透析や外来化学療法室など設置しています。通勤の途中や仕事帰りでも受診いただけますのでぜひご活用いただければと思います。現在当院では、地域の中の病院として22の外来診療科を設けています。こんなに便利な場所で幅広い診療が受けられることをもっと地域の方々にアピールしていきたいですね。また、当院は二次救急医療機関、災害拠点病院としての役目を担っており、救急医療、災害医療に重点を置いているのが大きな特徴です。

その救急医療の特色や専門分野の強みはどんなことですか。

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24時間365日体制で救急医療を行っており、救急搬送も多く受け入れています。当院2階に救急部門を置き、血管造影技術を用いた手術も可能なハイブリッドER(救急治療室)を設置しています。これによって脳卒中や心筋梗塞、心不全などの重篤な疾患に対して低侵襲の血管内治療を行えるようになっています。同じフロアにMRIやCTのほか各種検査機器をそろえ、すぐに検査できる点も当院の特色です。また、3階には手術台と連動したロボットアームによる血管造影が可能なハイブリッド手術室を備え、脳神経外科や循環器外科、血管外科、整形外科などの幅広い疾患に対して質の高い医療提供ができるよう、取り組んでいます。食道がんや胃がんなど消化器のがんの治療では、消化器内科と消化器外科が協力して開腹手術のほか腹腔鏡手術にも対応しています。

災害医療についてはどんな特色がありますか。

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当院では2000年代初頭から東京DMAT指定病院として大規模な地震や河川洪水の発災時に隊員を派遣してきています。平時の準備として重視しているのが災害対応訓練です。平時にできないことは、いざという時、やろうと思ってもできないのですよね。当院では、年に最低2回はさまざまな有事を想定して訓練を重ねています。例えば洪水や津波、高潮に見舞われた時の訓練では、救助ボートによる搬送訓練やエレベーター未稼働時の垂直避難 、重症・中等症患者の救急処置・搬送などの訓練を行っています。ここは海抜ゼロメートル地帯ですので水害への準備が重要です。他にも、オリンピック・パラリンピックに向けての爆発災害対応訓練や、外国人患者の災害対応訓練などさまざまです。感染症対応についてもかなり以前から、新型インフルエンザのパンデミックが起きた場合を想定した患者対応訓練を行っています。

そうした訓練が今回の難しい状況にも生かされているのですね。

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防護服や手袋の着脱方法も普段から正しい方法をマスターしていないと今のような厳しい状況下では役に立ちません。例えば、手袋は内側に汗をかきやすく、不用意に外すと水滴が飛び散ったりします。このような細かい点にも配慮しながら感染症の対応訓練を重ねてきています。今、救急医療のフロントラインで働くスタッフは非常に困難な状況が続いています。当院の医師や看護師はじめスタッフ全員、自ら感染してはいけない、患者さんたちを必ず守るという強い使命感のもと、力をみなぎらせながら働いています。救急隊も搬送の度に、救急車の患者室や医療器材を消毒しなればならず大変な作業が続いています。そんな救急隊の皆さんも心から応援しています。今後、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大して重症患者が急増した場合、どの段階でエクモと一般的に呼ばれる体外式膜型人工肺の機器を使うべきか、そういった点も考えていく必要があると思っています。

最後に病院全体として今後の展望をお聞かせください。

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私は江戸川区の出身で荒川区の中学・高校に通っていました。日本医科大学卒業後、大学病院や関連病院にいた時も前身の白鬚橋病院には月に数回診療に来ていましたので、この辺りはとても愛着があります。そんな慣れ親しんだ地域の皆さん方から、何かあった時に「東京曳舟病院がここにあるから安心」と信頼していただける存在でありたいですね。また城東地域の急性期病院としてさらに良質な医療を提供していきたいと思います。墨田区は2000年以降人口増が続いていて高齢化も進んでいます。独居老人や日本語が不慣れな外国人も多く住んでいます。今後は近隣の医療機関との地域医療連携をさらに深めて、この地域に暮らす皆さん方が必要とする適切な医療を提供し、一人でも多くの命や健康を守っていきたいと思います。

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山本 保博 病院長

1968年日本医科大学卒業。1974年同大学大学院医学研究科修了。同大学第一外科に入局後、日本医科大学付属病院救命救急センター(現・高度救命救急センター)にも従事する。同・多摩永山病院救命救急センター長、同・千葉北総病院病院長、同大学付属病院高度救命救急センター部長などを歴任。1980年には国際緊急援助活動に参加し、以降も各地で救援活動にあたる。2017年より現職。

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