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大森赤十字病院

(東京都 大田区)

橋口 陽二郞 院長

最終更新日:2024/07/09

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病院機能を拡充し困ったときに頼れる存在に

1946年に日本赤十字社東京支部大森診療所として開設以来、苦しんでいる人を助けるという赤十字の理念のもと、地域医療に貢献してきた「大森赤十字病院」。同院ではこれまで救急医療やがん診療、内視鏡検査・治療、成人病への対応、産婦人科医療、さらにMRI・CT・超音波・血液検査などの検査を予約なしで実施しその日のうちに結果を出すOne Day Hospital体制などに取り組んできた。2023年4月に院長に就任した橋口陽二郎先生は、これらを踏襲しつつ、さらなる救急医療とがん医療、その入り口にある人間ドックをはじめとする健診部門の充実を図る。特にがん医療については大腸がんを専門とする橋口院長の経験を生かして、これまでのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)による早期がんの治療を推進しつつ、腹腔鏡下の低侵襲手術やロボット支援下手術の導入にも注力。術後のフォローや緩和ケアまで地域で完結できるがん医療をめざし、緩和ケア病棟を開設した。「赤十字の崇高な理念のもと、困っている患者さんに何ができるかを考えサポートしていきたい」と話す橋口院長に、救急医療とがん医療を中心に話を聞いた。(取材日2024年5月17日)

重点的に取り組まれている救急医療の特徴を教えてください。

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当院は救急医療に特化した病院であり、救急医療の占める割合が非常に大きいことが特徴です。近年、救急車の出動要請が大変増加していますが、救急車からの要請に効率的に応え、初療を救命救急医が行える体制を整えるために、専門家である救命救急の医師雇用に力を入れています。これによって応需率のさらなるアップと救急車の在院時間の短縮等を図る狙いがあります。救急では整形外科や循環器内科、脳神経外科および脳神経内科を中心に、外傷や心臓病、脳卒中などほとんどの疾患に対して医療を提供しています。中でも、脳卒中の血栓回収術は24時間体制で実施しているほか、虚血性心疾患へのカテーテル治療やポンプを用いた開心術などの心臓手術を含む多数の専門治療を扱っています。また、術後の急性期リハビリテーションについても早い段階に介入し、その後は地域のリハビリテーション専門病院へとつなげています。

がん診療にも注力されていると聞きました。

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当院は胃がんや大腸がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)など内視鏡治療を得意とし、悪性疾患の低侵襲手術に力を入れています。2024年からはロボットを導入し、大腸がん、胃がん、前立腺がんのロボット支援下手術を開始しました。さらに、来年度は肺がん、胸腺腫瘍にも対象を拡大していく予定です。低侵襲手術は痛みが少なく、早期の退院も可能なので今後とも積極的に展開していきます。また、地域の人が遠くまで足を運ばずにすむ医療を行うとともに、がん専門病院で手術を受けた人の術後の抗がん剤治療やフォローができる体制も整えています。さらに、がん患者さんの疼痛緩和、終末期医療に資するため、2024年1月より緩和ケア内科をつくり、16床の緩和ケア病棟を開設しました。在宅クリニックで行われている緩和医療をサポートし、地域のクリニックの先生との病診連携で、地域完結の医療をめざしていきます。

赤十字の使命の災害医療や医師の派遣についてはいかがでしょう。

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日本赤十字社は人道や博愛を原点に設立されており、全国の赤十字病院には一般の病院とは違う点があります。ベースに苦しんでいる人を助けるために献身的に奉仕する精神があることから、災害支援は当院の重大な仕事の一つです。2024年は1月1日に能登半島地震が発生し、医師、看護師、災害医療のコーディネーターなど多数派遣いたしました。また、地方では医師不足が深刻化し、釧路や沖縄の赤十字病院でも内視鏡検査ができる医師がいなくて困っているのが現状です。当院は内視鏡のできる医師が充実していることから、そういった病院に医師を定期的に派遣しており、その数は赤十字の中でも多いです。さらに、地域における災害医療への取り組みとしては、万が一のときに消防署や警察署とともに対応できるよう準備をし、現場で適切な医療が行えるように教育・育成も行っています。

病院長として大切にしていきたいことはありますか。

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大学で教授を務めていた時から、一緒に働く人は家族だと思って協力し日々の医療に取り組んできました。当院には現在約100人の医師が在籍しているので、それぞれが抱える職場でのストレスなどもうまく解決して、これまでと同様に家族として地域医療に一丸となって向き合っていきたいですね。その基本の概念としてあるのは、日本赤十字社の7原則や使命を尊重すること。他の病院との差別化です。収益をあげることも大事なことですが、純粋にそれ以外の大きな目的を課せられた病院であることを大切にしていきたいです。日本赤十字社の病院は全国で91施設あり、世界の赤十字の中の一員であるというグローバルな視野に立ち、各病院が特色を持って医療に取り組んでいます。その中で、がん診療や救急医療など、われわれにできることを職員とともにやっていくことで、地域のニーズに応えていきたいです。

最後に地域の方へメッセージをお願いします。

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当院は基本理念として「信頼され心あたたまる病院」を掲げています。患者さんを救う、助けるという言葉は上から目線のように聞こえるかもしれませんが、苦しんでいる人を助けるという赤十字の崇高な理念を忘れず、困ったときに地域から頼っていただける存在となれるよう、満たされた社会の中で患者さんに何ができるかを考えサポートしてまいります。地域の開業医の先生との連携による紹介・逆紹介で2人主治医制を推進してまいりますので、いろいろな機会に当院を受診していただければと思います。また、健康とヘルスケアに関する情報を分かりやすく発信し、身近に感じていただくための場所として病院ブログを開設しました。新任医師の自己紹介などを掲載していますので、当院をより知っていただく機会として、チェックしていただければ幸いです。

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橋口 陽二郞 院長

1985年3月東京大学医学部卒業。埼玉県立がんセンター医長、防衛医科大学校外科学講座准教授、帝京大学医学部外科学講座教授を経て2023年4月より現職。専門は消化器外科、下部消化管外科で、帝京大学のロボット支援下手術導入とその後の症例数の向上に尽力。一方で、内視鏡治療を20年以上行い、帝京大学教授時代には2年間週に一度、在宅医療を経験し、内科的な診療も行った。モットーは「人生に練習試合はなし」。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万4000円(税込)~

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