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独立行政法人地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター

(東京都 大田区)

石井 耕司 病院長

最終更新日:2020/11/25

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救急から在宅療養支援まで対応する中核病院

独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)への組織変更に伴い、「社会保険蒲田総合病院」から、2014年に生まれ変わった「東京蒲田医療センター」。二次救急体制や専門性の高い各診療科を備えた総合病院としての機能、地域包括医療ケア病棟を備えリハビリや在宅療養後方支援も行う地域包括医療、そして地域住民の健康を守る予防医学を三本柱として、時代や地域の要請に応える病院をめざしている。大田区蒲田エリアで多くの周辺住民に信頼される病院であり、また京急蒲田駅に近く羽田空港や、品川、横浜とのアクセスもよいことから、広いエリアからの期待も寄せられる。そんな同病院の院長として舵取りを担うのは、東邦大学大森病院などで長年肝臓疾患の臨床と研究に携わってきた石井耕司院長。病院経営や、医師の働き方改革などの課題にも取り組みながら、超高齢社会の中でより高いレベルの対応が求められる地域医療の実現に努める。開業医である妻のクリニックでの診療経験もあり、地域医療連携にも詳しい石井院長に、同病院の特徴や、病院としての課題、めざす医療について話を聞いた。
(取材日2018年8月8日)

まず、こちらの病院の成り立ちを教えてください。

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当院の前身は戦後間もない頃に開院した「社会保険蒲田総合病院」で、蒲田周辺の救急医療を担い、地域の皆さんに親しまれてきた病院です。2014年に地域医療機能推進機構(JCHO)へと移管され「東京蒲田医療センター」となり、二次救急としての急性期医療に加え、亜急性期医療、慢性期医療にも取り組む病院となりました。急性期医療に対しては各科において専門性を発揮し、各医療機関とも連携しながら適した医療を提供できるよう取り組んでいます。亜急性期には地域包括ケア病棟を活用してリハビリテーションなど患者さんが在宅復帰できるようサポートを行い、慢性期ではかかりつけ医と密に連携して在宅療養後方支援のための診察を受け入れるなど、超高齢社会に対応するために推進されている地域包括ケア構想における“要”の役割を果たしています。また予防医学の充実をめざし、院内の健康管理センターでは地域の皆さんの疾病予防活動も行っています。

総合病院としてはどのような特色がありますか。

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東邦大学病院等の協力で専門性の高い医師を招聘し、特に高齢者の方に関わりの深い内科、整形外科、眼科、口腔外科、泌尿器科、リハビリテーション科などの診療科を充実させています。例えば整形外科では脊椎疾患の手術加療も始め、ハイリスクな患者さんの受け入れや、幅広い運動器疾患への対応も可能となりました。眼科では白内障や緑内障、網膜症などはもちろん、全身疾患からの眼疾患に対しても総合病院の特色を生かし、他科と連携して診療にあたっています。また口腔外科では、摂食嚥下や音声機能の改善にも対応。リハビリテーション科では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など多職種のスタッフがそろい、患者さんの症状や家庭環境に合わせた多様なリハビリテーションを提供しています。地域の中核病院として二次救急を受け持つ病院ですから、総合的に幅広く診ることのできる医師育成にも力を入れ、的確で迅速な救急医療の実現にも力を入れています。

地域包括ケアなど、地域ではどのような役割を果たしていますか。

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当院が位置する大田区と品川区から成る東京都区南部医療圏は、一次二次三次救急も含めて域内で約80%地域包括医療が完結するエリアです。その中で当院は、二次救急や地域包括ケアを中心に中核病院としての役割を果たしています。この区南部医療圏は2025年までは人口流入が続く見通しで、その後も高齢化は進みますが、それほど人口が減らないと予想されています。現在、急性期病院、慢性期病院は比較的足りていますが、回復期病院の不足が指摘されています。特に蒲田地区は独居高齢者や経済的弱者も少なくないエリアですから、今後、地域包括医療の必要性は高まる一方と考えられます。当院は、地域のかかりつけ医との病診連携、三次救急病院との病病連携を重視し、地域包括ケア病棟を活用して回復期医療に取り組み、シームレスな地域包括医療の実現に貢献していきたいと考えています。そのため、地域の多職種連携などの取り組みも積極的に行っています。

こちらの病院や、医療の現場の課題についてお聞かせください。

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国の医療費抑制政策や医療従事者の働き方改革などで病院経営には厳しい環境が続いています。JCHOは公的な病院のイメージがありますが、病院経営においては独立採算制で、医療経済の難しさを実感しています。特に24時間体制の救急部門は、地域からのニーズは高いが行政からの支援は期待できない、採算のとれない部門なのです。また医師のワークライフバランスも重要ですが、個人的に医師の臨床力というのは卒後5年間に身につくと考えています。私の研修医時代は勤務時間後も残って、教授や先輩の診療を手伝い勉強するのが当然でした。今どきそんな感覚が通用しないことはわかっているのですが、難しい問題ですね。当面は、医療秘書などを活用して医師の負担を減らしつつ、医療の質を維持していく予定です。また専門性の高い医師とチームワーク医療ができるように、看護師や検査技師、レントゲン技師などのスキルアップも急務と考えています。

今後の展望や、地域へのメッセージをお願いします。

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地域医療機能を推進することを目的とする病院になって4年。医療の質は確実にパワーアップしたと自負しています。さらに救急医療や、内科や整形外科など高齢者に必要とされる診療科をより充実させて、高いレベルの高齢者医療を提供できる総合病院として成長したい。そして地域と連携し、蒲田地区の今後にますます必要になるであろう地域包括ケアの要になることはもちろん、当院が擁する高い専門性を持った医師やスタッフがそれぞれの得意分野を生かした診療やケアを提供していきたいと考えています。超高齢社会の中で、若い世代の健康意識を高め、将来の健康寿命を延ばすことも重要です。当院では、医師による区民向け講演等を開催し、また併設の健康管理センターで人間ドックや特定健診なども行っています。また3Dマンモグラフィを導入するなど検査機器の刷新を図り、精度を上げるべく検査体制を整えていますので、大いに利用していただきたいと思います。

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石井 耕司 病院長

1981年杏林大学卒業後、東邦大学大森病院内科入局。同大学病院に所属しながら関連病院での勤務やアメリカ留学を経験。勤務医の傍ら、開業医の妻のクリニックを手伝い、地域の医療連携の必要性を痛感していたところ、「東京蒲田医療センター」副院長を打診され、縁を感じて就任。2016年より現職。藤沢出身で、朝の散歩代わりにサーフィンをしていた元祖湘南ボーイ。多忙な今も週末は「波でストレスを洗い流しています」。

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