膝、股に加え、肩、肘、足まで
幅広い関節に対応する人工関節手術
独立行政法人地域医療機能推進機構 東京新宿メディカルセンター
(東京都 新宿区)
最終更新日:2026/05/28


- 保険診療
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- 変形性膝関節症
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主に、加齢を原因に膝や股をはじめとする関節に痛みが出るようになり、日常生活に大きな影響を与える可能性があるのが変形性関節症。その変形性関節症や関節リウマチ、骨折などに対し、「病気や外傷が原因で傷んだ関節を取り除き、人工の関節に入れ替えるのが人工関節手術です」と話すのが、「東京新宿メディカルセンター」人工関節センターの廣瀬旬センター長だ。人工関節手術によって患者は、関節に痛みのない快適な生活を取り戻すことがめざせるという。患者数の多い膝関節や股関節の人工関節手術はもちろん、行える医療機関が少ない肩関節や肘関節、足関節にも対応しているという同院の人工関節手術の取り組みについて、廣瀬センター長に詳しく話を聞いた。(取材日2026年3月30日)
目次
さまざまな関節への人工関節手術に対応。患者へ関節の痛みがない快適な生活を提供することをめざす
- Q人工関節手術とは、どのような手術ですか?
- A

股関節、膝関節、肘関節などの置換術を専門とする廣瀬センター長
変形性関節症をはじめとする病気や外傷などによって傷んだ関節を取り除き、人工の関節に入れ替えることで痛みの軽減を図るのが人工関節手術です。関節の痛みは基本的に、まずは飲み薬、注射薬による薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法で改善を図ります。それでも痛みが取れず、日常生活に支障が出ている場合に人工関節手術を検討します。変形性関節症は、関節でクッションの役割をしている軟骨がすり減ることで痛みが出るようになりますが、最も大きい原因は加齢で、肥満による体重の負荷が変形性膝関節症につながることもあります。また、骨折で関節が壊れてしまった場合や、リウマチで関節が変形した際にも行うことがあります。
- Qこちらではどのような病気や関節に対応しているのですか?
- A

部位ごとに経験豊富な専門の医師がそろう
病気として多いのは、膝関節や股関節の変形性関節症です。ほかに、膝関節では大腿骨内側顆骨壊死、股関節では大腿骨頭壊死症などで人工関節手術を行うことがあります。また、当院では対応する医療機関が少ない肩関節や肘関節、足関節の人工関節手術にも取り組んでおり、それぞれを専門とする医師が執刀しています。肘関節では、変形性肘関節症や関節リウマチのほか、高齢者に多い上腕骨の粉砕骨折でも適応になる場合があります。足首では、多くが変形性足関節症で、関節リウマチに対して行うこともあります。肩関節では、変形性肩関節症や関節リウマチなどに対する人工関節手術に加え、「リバース型人工肩関節」にも対応しています。
- Q手術や治療に特徴はありますか?
- A

人工関節の設置時に用いるナビゲーションシステム
股関節の手術には、仰臥位前側方アプローチによる最小侵襲手術(MIS)を採用しています。この術式では、股関節周囲の筋肉や腱を可能な限り温存するため、主な合併症である脱臼が少なく、術後の回復も早いことが望めます。また、股関節の変形の強い症例や膝の人工関節手術などではナビゲーションシステムを使用し、より適切な位置へインプラントが設置できるよう努めています。さらに膝では、関節の全体を置き換える人工膝関節全置換術に加え、進行の少ない変形性膝関節症や内側顆骨壊死などへは、傷んでいる内側、あるいは外側の関節だけを置き換える単顆置換術も行っており、筋肉などへのダメージが少ないため早い回復がめざせます。
- Q肩や足首の手術についてはいかがですか?
- A

他科との連携で、正しい診断と治療の提供をめざす
変形性肩関節症でも腱板が温存されている場合には、上腕骨のみを入れ替える人工肩骨頭や全人工肩関節で治療できますが、先に腱板が切れて関節が傷んでしまう「腱板断裂性関節症」などには、「リバース型人工肩関節」の手術が必要です。また、変形性足関節症への人工関節手術では、変形の強い症例でも対応できる「外側進入型人工関節」を採用しています。リバース型人工肩関節や外側進入型人工関節の手術には要件があり、実施できる医療機関は限られますが、当院では可能です。さらに、整形外科単科の病院などでは高齢や基礎疾患がある患者さんの手術はできないことがありますが、当院は総合病院ですので、各科の協力も得ながら対応しています。
- Q術後のリハビリテーションについて教えてください。
- A

広い訓練室や訓練機器を備える
人工関節手術後のリハビリテーションは、基本的に筋力トレーニングや可動域訓練が中心で、下肢の手術の場合にはそこに歩行練習も加わります。特に、人工股関節の手術後は回復の早さが見込めるため、リハビリテーションをあまり行わずに退院となる場合もありますが、それでは不安だという患者さんも少なくないでしょう。そのため当院では、基本的に2〜3週間は入院してリハビリテーションを行うようにしています。ほかの部位の人工関節手術後も、数週間は入院でのリハビリテーションが必要ですが、よりしっかり行いたいという場合には、専用の病棟に移って1ヵ月〜1ヵ月半のリハビリテーションや、外来に通院しながら継続することも可能です。

廣瀬 旬 センター長
1998年東京大学卒業。同医学部附属病院整形外科助教、同講師などを経て2020年より同院。人工関節センターの開設に尽力し、2021年からは現職を務める。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。





