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学校法人 埼玉医科大学総合医療センター

(埼玉県 川越市)

堤 晴彦 病院長

最終更新日:2020/11/25

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進化を続ける関東圏の基幹となる大学病院

991床もの病床、総合周産期母子医療センターや高度救急救命センター、ドクターヘリなどを擁する基幹病院「埼玉医科大学総合医療センター」。関東圏においてこれほどの規模を持つ大学病院は少ないとされ、人口10万人あたりの医師数や看護師数、ベッド数が全国平均をかなり下回る埼玉県において、その重要度は計り知れないものがある。豊富な設備や、幅広い病状・状況に対応できる診察システムだけでなく、患者の悩みに応えるスピード感も信頼を集める理由の一つだろう。そんな同院を率いるのは、日本の救急医療分野の確立に力を注ぐ堤晴彦病院長。自身の経験に基づく持論を数多く有しており、診療面においても運営面においてもその手腕を発揮している。類まれな行動力で病院の進化を後押しする堤病院長に、その熱い思いを聞いた。
(取材日2015年12月9日)

大学ご卒業後のお話をお聞かせください。

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過去の救急医療は、内科や外科の当直医が片手間に行うという状況がそこかしこにありました。そんな中「もはや個人の努力でどうにかなるものではない」と感じた私は、勤務していた大学を辞め、大阪にある救急医療を専門とする病院に頼み込んで勤務を開始。組織・システムづくりを含めた勉強に一心不乱に取り組みました。その後は母校である東京大学附属病院の救急部や東京都立墨東病院の救命救急センターを経て、現在に至っています。東京都立墨東病院救命救急センター時代は、なかなか他の人がやりたがらないような人員不足や勤務環境の改善をすることに力を入れて取り組んでいました。その時から「動く時には動く」が私の信条となっています。

関東圏でも規模の大きな病院として活躍なさっていますね。

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当センターの特徴は、総合周産期母子医療センターや高度救命救急センター、ドクターヘリに加え、幅広い分野を網羅する診療科の豊富さです。がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、精神疾患という、厚生労働省が掲げる5疾病、および、救急医療、周産期医療、小児救急、災害医療、へき地医療という5事業にも対応。災害派遣においても、国内はもとよりニュージーランド、ネパール、中国の四川省などの現場で活躍しています。中でも、東日本大震災では発生初日にDMAT(災害派遣医療チーム)を派遣しました。現在も被災者に寄り添うケアを続けています。ドクターヘリは2014年に8周年を迎えています。ドクターヘリの存在と活躍もあり、埼玉県における交通事故死者数はこの10年間で半減しています。今後は、ヘリによる夜間の救急搬送も実現していきたいですね。

長期計画を含めた今後の方向性についてお聞かせください。

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総合周産期母子医療センターでは、医療型障害児入所施設「カルガモの家」や、看護師寮や高度救命救急センターの新棟を順次開設しました。本館のリニューアル工事においては、診療科別の医局講座制の廃止および研究室移転による診療スペースの拡充を実施。診療に特化した場にしていきます。その他、診療科を統合するシステムの構築や、職員向け保育園の24時間対応なども計画中です。めざしているのは「患者のニーズを第一にすべての患者に最善の治療を提供する」という米国・メイヨークリニックの理念。このクリニックはアメリカで優れた病院の一つとされ、当院と成り立ちが似ていることから学ぶべきことが多くあると考えています。全職員がミッションである「Your Happiness Is Our Happiness(あなたの幸せが私たちの幸せです)」を実践するべく、スムーズな病院経営を基盤とした地域医療への貢献を続けてまいります。

より良い組織づくりのためには何が必要でしょうか。

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組織づくりにおいて大切にしているのは、人の行動原理である「損・得」や「快・不快」を考慮した運営です。理詰めや力づくで組織を動かそうとしてもうまくいきません。大切なことは、周囲の変化に適応することです。私自身も周りの声を尊重するよう努めており、私たちが提唱している「軽症の救急搬送患者に対して、別途追加の診療報酬の請求」も現場から出た意見です。当センターは救急患者の受け入れを断らない方針のため、受け入れ患者数は右肩上がりを続けてきました。しかし、現状が続けば現場はパンクしてしまいます。この「時間外特別費用の徴収」を発表した当初はマスコミや国会などで議論が巻き起こりましたが、全国の関係者から賞賛と激励のご連絡を数多く頂きました。患者さんに適切かつ最良と思われる医療を提供することはもちろんですが、そのためには働く職員の待遇改善に真摯に取り組んでいくべき、と考えています。

車の中で考案されたという理念「車中八策」について伺います。

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1、組織・個人の志の高さを評価すること。2、現場の意見を重視すること。3、自分の意見を主張できるよう、会議のあり方を見直すこと。反対意見を尊重すること。4、組織は人で決まるため、5年先、10年先の人材を発掘し育てること。5、診療の質を高めるために、頑張っているところには人も物もお金もつけること。6、診療は医師だけで成り立つものではなく、放射線技師や薬剤師、検査技師など数多くのメディカルスタッフの手により支えられている。メディカルスタッフを大事にすること。7、健全な財政基盤なくして健全な医療なしの観点から、外部資金の調達を行うこと。8、医療事故などの場合、職員を守る。最後は病院長である私が責任を取る。という当院の運営原則です。これをもとに病院の風土の醸成・共有ができれば、今以上の組織となれることでしょう。今後もさまざまなシステムの構築に励み、より良い医療の提供に尽力してまいります。

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堤 晴彦 病院長

1977年東京大学卒業後、都立病院や東京大学医学部附属病院救命救急センターなどでの勤務を経て、1985年より現職。専門は脳神経外科。学生時代より救急医療をとりまく組織づくりの重要性を訴え、日本における救急医療分野のレベル向上やスタッフの勤務環境充実に取り組み続ける。「動く時には動く」を信条とし、過去には看護師の勤務体制を大きく改善したことも。

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