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社会医療法人ささき会 藍の都脳神経外科病院

(大阪府 大阪市鶴見区)

佐々木 庸 理事長

最終更新日:2020/07/07

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脳卒中診療を専門に地域医療を支える

JR学研都市線放出駅から北東へ約5分の場所にあり、町並みに溶け込む「藍の都脳神経外科病院」。「脳卒中治療に、気軽にアクセスできる環境を」との思いを温めてきた佐々木庸理事長が2011年に開設し、短期間で急成長を遂げてきた。開頭手術と脳血管内治療のいずれをも施術する医師が理事長をはじめ複数在籍し、一刻を争う脳卒中急性期の治療に迅速に対応している。また、中枢神経の刺激を利用したリハビリテーションを導入し、患者がスムーズに自宅へ戻れるよう取り組むなど、救命から社会復帰に至る治療とケアを提供している。また最近は外国からの医療スタッフの研修も積極的に受け入れているのだそう。「自分たちの目で確かめて、これは良いと判断できれば、新しい機器や人材研修も積極的に導入し、治療成果に還元していく。これが当院の“患者さんファースト”なんです」と力強く語る佐々木理事長に、脳卒中診療に対する見解や今後の展望について聞いた。
(取材日2020年5月26日)

まず、病院の理念についてお聞かせください。

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「患者さんファースト」の医療で、大阪東部地区の脳卒中救命率を上げ、その後の社会・経済活動復帰までサポートし、さらに地域全体の脳卒中発症リスクを減らしていく。そこで24時間365日の手術体制や、先進機器・技術の積極的な導入に力を入れています。実は、私の祖母は当時まだ珍しかった女性の小児科開業医でした。あるとき、患者さんの家族が夜に祖母を迎えに来たので、小さかった私も往診に同行した際、祖母から「患者さんは病気になる時間を選べないから、医師がその時間に合わせるものだ」と教えてもらいました。祖母は、診療中に脳卒中で倒れて治療を受けることもなく亡くなりましたが、都市部では同じ時期にすでに脳卒中の開頭手術が可能であったことを、医師になってから知りました。そこで、脳卒中を発症した患者さんに新しい治療技術を気軽に受けていただける病院をつくりたいと思うようになり、この場所での開業に至ったのです。

こちらでの脳卒中急性期の診療について、特徴を教えてください。

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脳卒中治療の最も基本的な技術は、頭蓋骨を切開して治療する開頭手術ですが、現在では内頸動脈からカテーテルを通して患部を治療する血管内治療も普及が進んでいます。いずれも専門的な技術を習得しなければならないので、どちらかを専門とする医師が多いのですが、当院では私を含め5人の医師が自分でどちらも施術する、いわゆる「二刀流」です。そのため患者さんの症状や経過を診ながら、より適した方法をその場で選んでいくことが可能です。こういった体制は、あまり多くないかもしれません。一方で、最先端の治療技術などは、機械が進歩するため、医師の技術としては簡単になっていくと思っています。ですから私を含め当院の医師は、これからも新たな技術を意欲的に習得して、患者さんに日常的に提供していく治療のレベルを維持、向上していきたいですね。また経営においても、新しい機材の導入や人材教育の部分には、積極的に投資したいと考えています。

リハビリや関連疾患の診療部門も充実しています。

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治療後に患者さんが社会復帰され、健康にいつまでも過ごしていけることが、われわれの最終的な目標です。しかし、急性期に救命された患者さんの2~3割は短期間で自宅へ帰るものの、約1割の方は10年以内に再発を起こしている印象です。脳卒中の多くは、糖尿病や高血圧などの結果として起こりますし、中枢神経疾患とも密に関係しているので、当院ではこれらの治療体制も拡充してきました。また、脳内の神経を経頭蓋磁気刺激装置で刺激したり、緊張してこわばる筋肉に用いるボツリヌス療法などを含む、リハビリテーションに力を入れています。これらを従来の徒手的なリハビリと組み合わせて、機能障害や運動麻痺の改善に取り組んでいます。何よりも患者さん自身が変化を実感することでリハビリのモチベーションが高まります。さらに退院後も継続できるよう、法人内のデイサービスセンターでも、これらの脳卒中リハビリテーションの一部を提供していますよ。

地域での役割や国際貢献について、どのようにお考えですか。

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当院は大阪府の二次救急医療機関です。脳卒中に強い病院として、開業医の先生方や救急隊からトリアージされた患者さんが搬送されてきますが、脳卒中が疑われる意識障害の中には低血糖や循環器、他の中枢神経疾患も含まれています。それらに対しても治療を行い、地域の医療機関として責任を果たすよう心がけています。それから国際貢献ですが、私自身が国内、国外をあまり意識していません。以前からリハビリの部門を中心に中国人研修生を受け入れていますが、せっかく来るのだから技術をしっかり教え、帰国後に活躍できる場を設けてあげたいと思うようになり、現地で病院運営などにも関わっています。このような事情で院内に中国籍のスタッフがいるので、大阪東部地区に居住されていたり旅行中の中国からの方もよく受診されています。院の内外を問わず、人材育成や研修は重要だと考えています。

最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

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「患者さんファーストの医療を展開して地域の医療に貢献し続ける」、これに尽きます。例えば今回の新型コロナウイルス感染症に対しては、感染対策用の機器を100台導入して院内に設置し、受付ではフェイスガードなども着用するなどして、徹底的な感染拡大予防に努めています。治療やケアはもちろん、あらゆる面でその時々にベストな機器や技術、研修をいち早く導入することに努め、患者さんに還元する。このような取り組みを重ねてきた今、院内には私の本気に応えてくれる頼もしいスタッフがそろっています。だからこそ脳卒中に関しては、急性期から社会復帰まで、先端の技術を含めてさまざまな選択肢が当院内にありますし、外部へご紹介することも可能です。脳卒中は急に発症しますので不安も強いと思います。現在受けている治療に不安や迷いがあるといった患者さんも、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。

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佐々木 庸 理事長

徳島県出身。北海道札幌市で育ち、小児科開業医であった祖母の姿から医師を志す。徳島大学医学部卒業後、札幌市の中村記念病院脳神経外科、神戸市立医療センター中央市民病院等で研鑽を積み、2011年開業。専門は脳卒中疾患で、開頭手術と血管内治療の二刀流。経頭蓋磁気刺激療法(TMS)などの術後リハビリテーションにも精通する。神戸大学大学院経営学修士。趣味はバレーボールなどスポーツ全般。

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