全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,945件の情報を掲載(2025年1月22日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市鶴見区
  4. 放出駅
  5. 社会医療法人ささき会 藍の都脳神経外科病院
  6. 佐々木 庸 理事長

社会医療法人ささき会 藍の都脳神経外科病院

(大阪府 大阪市鶴見区)

佐々木 庸 理事長

最終更新日:2024/11/13

Hf main z60195 20240909   22 Hf main z60195 20240909   22

高度医療機器を使い「脳」から地域を支える

放出駅から北東へ約5分の地にあり、町並みに溶け込む「藍の都脳神経外科病院」。「脳卒中治療に、気軽にアクセスできる環境を」との思いを温めてきた佐々木庸理事長が2011年に開設し、短期間で急成長を遂げてきた。開頭手術と脳血管内治療のいずれをも施術する医師が理事長、名誉院長をはじめ複数在籍し、一刻を争う脳卒中急性期の治療に迅速に対応している。また、中枢神経の刺激を利用したリハビリテーションを導入し、患者がスムーズに自宅へ戻れるよう取り組むなど、救命から社会復帰に至るまでの治療とケアを提供している。2024年10月には「メスを使わない脳治療」が可能となる定位放射線治療機器を導入。高度医療機器を用いた治療を、即日かつ日帰りで提供する。また最近は外国からの医療スタッフの研修も積極的に受け入れているのだそう。「自分たちの目で確かめて、これは良いと判断できれば、新しい機器や人材研修も積極的に導入し、治療に還元していく。これが当院の“患者さんファースト”です」と語る佐々木理事長に、脳卒中診療や定位放射線治療、また今後の展望について聞いた。(取材日2024年9月9日/情報更新日2024年10月23日)

病院の理念、主とする脳卒中診療などについてお聞かせください。

Hf 1 dsc01716

「患者さんファースト」の医療で、大阪東部地区の脳卒中救命率を上げ、その後の社会・経済活動復帰までサポートし、さらに地域全体の脳卒中発症リスクを減らしていきたい。そこで24時間365日の手術体制や、先進機器・技術の積極的な導入に力を入れています。私が幼い頃、「患者さんは病気になる時間を選べない。医師がその時間に合わせるものだ」と教えてくれた小児科開業医だった祖母は、診療中に倒れ、都市部でなら可能だった手術も受けずに亡くなってしまったのです。医師になった私は、脳卒中発症の際にどなたにも先進の治療を提供できる病院をと開業に至ったのです。現在、脳卒中治療では内頸動脈からカテーテルを通して行う血管内治療の普及が進んでおり、近年は高い技術とハートのある医師の入職も続いています。加えて岩崎孝一名誉院長を迎え、脳腫瘍、三叉神経痛、顔面神経けいれんなどの開頭手術件数も増加し、レベルアップを感じています。

定位放射線治療機器を導入されたと伺いました。

Hf 2 z60195 20240909   27

2024年10月より、開頭手術をすることなく脳病変を切り取るための治療ができる高度医療機器である「定位放射線治療機器」を導入し、がんの転移性脳腫瘍を主に、髄膜腫、聴神経鞘腫、三叉神経痛、脳動静脈奇形などに対する「メスを使わない脳治療」をスタートさせます。この治療は、周囲の正常組織に傷をほぼつけずに、約200の線源から病変部に対して集中的にガンマ線を照射する侵襲が少ないもの。従来の機器は頭部をピンで固定していましたが、当院が採用した機種はフェイスマスクで頭部を固定するシステムかつ短時間の複数回照射が可能なため、体への負担がより少ないのが特徴です。最大の強みは「即日実施」も視野に入れた準救急体制を整備し、入院はもちろん通院治療も選択可能な点。施設を増改築し、1階フロアのみで受付から会計まで完結する専門の外来を設け、気持ちが明るくなる四季の花を楽しめる待合スペースも整備しました。

リハビリテーションや関連疾患の診療部門も充実していますね。

Hf 3 %e6%b7%bb%e4%bb%98%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%92 %e3%83%91%e3%83%af%e3%83%aa%e3%83%8f

治療後に患者さんが社会復帰され、健康にいつまでも過ごしていけることが、われわれの最終的な目標です。脳卒中の多くは、糖尿病や高血圧などの結果として起こりますし、中枢神経疾患とも密に関係しているので、当院ではこれらの治療体制も拡充してきました。また、緊張してこわばる筋肉に用いるボツリヌス製剤を使用した療法などの他、従来の徒手的なリハビリテーションを組み合わせて、機能障害や運動麻痺の改善に向け、取り組んでいます。また脊椎・脊髄や人工膝関節の部門の患者さんも良質なリハビリテーションで入院日数の短縮を図っていることも特徴です。2022年に当院隣接の建物に移転拡大したリハビリステーションでは、脳と機械をつなぐBMI技術を用いた脳卒中後の重度運動障害向けリハビリテーションの導入も決まっています。

地域での役割、人材育成や国際貢献への考えをお聞かせください。

Hf 4 %e6%b7%bb%e4%bb%98%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%92 %e3%83%91%e3%83%af%e3%83%aa%e3%83%8f

当院は大阪府の二次救急医療機関であり、脳卒中に強い病院として、開業医の先生方や救急隊からトリアージされた患者さんが搬送されてきます。脳卒中が疑われる意識障害の中には低血糖や循環器、他の中枢神経疾患も含まれるほか、認知症など脳神経内科領域、脊椎・脊髄や人工膝関節など当院で可能な治療を提供し、地域の医療機関として責任を果たすよう努めています。人材育成は、院内外を問わず重要だと考えています。以前から力を注いでいる中国やミャンマーからの研修生受け入れは、国際貢献とともに人材育成と労働力確保を目的に取り組んでいます。また、中国から受診のために訪日される方も多くいらっしゃいます。

最後に、今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

Hf 5 %e6%b7%bb%e4%bb%98%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%93 %e6%89%8b%e8%a1%93%e5%86%99%e7%9c%9f

「患者さんファーストの医療を展開して地域の医療に貢献し続ける」、これに尽きます。一方で複数の地方の医療機関のM&Aに携わり、脳卒中に限らず、定位放射線治療や膝関節など地域で必要とされる医療を提供する病院・診療所、デイサービスなどの施設の管理・保有と、教育拠点としての活用を見据えています。2024年に13周年を迎え、増改築や定位放射線治療機器導入なども地域の方々に好意的に受け取っていただいています。その信頼を損なわないよう、しっかりした医療提供はもちろん、個別性の高いニーズに対応できるレベルをめざすとともに、医療人教育や地域の病院への協力などにも努めていきます。今後もこれまでどおりかわいがっていただける病院であり続けたいですね。

Hf main z60195 20240909   22

佐々木 庸 理事長

徳島県出身。北海道札幌市で育ち、小児科開業医であった祖母の姿から医師を志す。徳島大学医学部卒業後、札幌市の中村記念病院脳神経外科、神戸市立医療センター中央市民病院等で研鑽を積み、2011年開業。専門は脳卒中疾患で、開頭手術と血管内治療の二刀流。経頭蓋磁気刺激療法(TMS)などの術後リハビリテーションにも精通する。神戸大学大学院経営学修士。趣味はバレーボールなどスポーツ全般。

access.png