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医療法人社団苑田会 竹の塚脳神経リハビリテーション病院

(東京都 足立区)

宮上 光祐 病院長

最終更新日:2020/11/25

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早期の在宅復帰を実現する体制づくりに注力

脳神経疾患を主体に、運動機能障害などの術後の機能回復を図り、できるだけ早く在宅復帰できるようサポートするのが「医療法人社団苑田会 竹の塚脳神経リハビリテーション病院」の理念だ。また宮上光祐院長は、「いい医療を提供するためには、患者さんやご家族から信頼されるような関係性を築く必要がある」と語る。そのために、質の高いリハビリの提供はもちろん、愛情をもってそれぞれの患者にあった接し方、そしてトレーニングの目的を理解してもらうことを大切にしている病院だ。同院は136床全床が回復期リハビリ病棟で、365日リハビリを行い、スタッフもマンツーマンで計画を立てて効果的な治療を行っている。また2012年より摂食嚥下機能回復治療にも力を入れ、現在では経口摂取率もアップ。4階屋上には同院事務長が手作りしたリアルな信号機もあり、これも日常生活を行う上で不安なく在宅復帰できるよう工夫されたものだ。同院の取り組みと今後のビジョンについて、宮上病院長に語ってもらった。(取材日2017年6月15日)

貴院の地域に果たす役割から伺います。

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脳神経の疾患による障害や運動機能障害、廃用症候群などから回復・リハビリテーションを図る病院です。開院時は首都圏全体で回復期病棟の数が不足し、また苑田会グループの急性期病院からの受け入れ先の病院も必要だったことから開設されました。2015年には谷中に「苑田会リハビリテーション病院」が開業しましたが、まだこのエリアには足りないということで、設立された経緯があります。院名の通り、脳神経系疾患の患者さんの術後回復期を主体に担いながらも、運動機能障害などにも対応しています。現在の平均入院日数は70~80日で、疾患別では脳神経疾患が約3ヵ月、運動機能障害が約2ヵ月くらいです。このほかにも、機能回復率や在宅復帰率も高い水準を保っています。この成果の多くは当院スタッフの頑張りによるものだと思っていますよ。

貴院の特色も伺います。

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第一に全136床すべてが回復期の病棟であることです。回復期病棟では365日リハビリを行っています。また、摂食機能検査(VE=内視鏡検査・VF=造影検査)設備を完備していることも特色ですね。加えて、運動機能障害からの回復、日常生活動作(ADL)の改善においても、全国的に見ても高いレベルとなっています。その理由は早い時期から装具療法を採り入れ、麻痺で歩けない人も歩けるよう努めてきたことが挙げられます。また電気刺激療法も積極的に活用。さらに今年は理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの総数が78人となりました。患者さんに提供できる1日当たりのリハビリの単位では、昨年まで5.8だったのが、4月時点で6.2まで伸びてきています。もう少し人員が増えれば、もっと手厚くリハビリを提供できますし、それだけ回復スピードもあがると考えていますよ。

摂食嚥下機能の検査について、もう少し詳しく教えてください。

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2012年よりVE/VF設備を備えた専用スペースを造営し、現在も摂食嚥下障害からの機能改善に力を入れています。実際、入院時には経鼻経管や胃ろうで来られる方が多いのですが、退院時には3食とも経口に移行されている方が増えています。非常勤ですが、嚥下専門の歯科医師2人と耳鼻科医師1人がVE/VF検査を担当していることもあり、導入前は退院時45%だった経口摂取への移行率が、導入後は52%まで上がるなど、結果が出ていますね。これは数値としてはかなりいいものでして、しかも早期にVFを行うことで評価し、回復に向けた治療がスタートできる。そうしたことで学会への研究発表も行えるほどの成果を挙げていますよ。もちろん、治療には当院の言語聴覚士(ST)が関わり、とろみがついた食事を飲む、あるいは体位によって飲める飲めないなどの判定・評価を通じて、嚥下機能の回復を素早く図っていく診療体制です。

訪問診療や病病連携についても伺います。

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訪問リハビリ部門にも力を入れており、訪問エリアは足立区の当院を中心に半径5kmの圏内、対象者は主として当院を退院された方で、2017年6月現在33名の患者さんがいらっしゃいます。在宅復帰が決まった際に、「自立して生活できるだろうか?」と不安を感じられる方もいらっしゃるので、訪問リハビリは、その不安を取り除く意味もあります。通所でリハビリを継続されたい方には、「苑田第二病院」などグループ内の外来リハビリ部門をご紹介。一方、病病連携では、グループの急性期病院からリハビリが必要な患者さんを可能な限り受け入れています。その他にも、当院が回復期の指定病院となっている「日本医科大学付属病院」のほか、「東京都立墨東病院」「草加市立病院」など紹介される病院は多いですね。こうしたことから近年は病室の稼働率が95%前後とほぼ満床の状態で、時期によっては少しお待たせすることもあるのは申し訳ないと思っております。

今後の展望と抱負を語っていただきたいと思います。

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まずは現在導入中の「リハビリ管理支援システム」があります。電子化により、これまで紙ベースで行っていた労務負担から現場スタッフを解放し、業務効率化によって作り出された時間を、患者さんとのコミュニケーションやトレーニングに充てたいと考えています。また院内と訪問も含めたスタッフ増員も企画していまして、より手厚く、スピード感のある機能回復や在宅復帰をめざしていきます。当院のリハビリスペースももっと広ければいいなと思っていますし、将来的には竹の塚駅からも遠くない場所に、グループの新しいリハビリ病院を新設してもらえればいいなと考えていますよ。これは私の在任中にはかなわないかもしれませんが(笑)、地域ニーズとしては今後も20~30年は確実にありますので、そんな構想も抱いていることを地域の皆さまにはお伝えしておきたいですね。

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宮上 光祐 病院長

高校時代に重症の肺結核を患い、1年間休学。そのことから医師を志し、日本大学医学部に進む。同大学院を1970年に修了。専門分野は脳神経外科で、1981年からは2年間、米国に留学。2003年日本大学医学部脳神経外科の教授に就任。2008年の開業時より「竹の塚脳神経リハビリテーション病院」の病院長。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。趣味は山歩きと囲碁。

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